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2013年3月11日付 2465号

吹田貨物ターミナル駅が開業、まごころ満載の駅に  JR貨物

 JR貨物(田村修二社長)は4日、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、国鉄清算事業団などと共催で、吹田貨物ターミナル駅の開業式を行った。

 16日のダイヤ改正に伴い、廃止となる梅田駅の機能を、新設する吹田貨タ駅と既存の百済駅に分割することが決まっている。このうち吹田貨タ駅は旧吹田操車場の跡地に、同操車場の半分強にあたる約27万平方㍍の広さの新駅として整備したもの。東海道線上に位置し、26両編成列車の本線上での荷役が可能な着発線と留置線の4面5線、鉄道倉庫、駅本屋、中継コンテナホームなどを有するほか、緑地帯の設置など周辺環境に大きく配慮している点が特徴。反面こうした配慮から、駅に入るための専用道路のトンネル内で、コンテナ3個積みトレーラがすれ違えない場所があることや、駅構内に出入りするトラックの台数が1日千台に制限されていることなど、さまざまな制約も受けている。

 開業式は現地で行われ、関係者など約200人が出席。冒頭あいさつした支援機構の石川裕己理事長は、昭和62年の国鉄分割民営化時に梅田廃止の方針が決まって以来、機能移転に拒否反応を示す地元住民の理解を得るため、慎重に対応を進めてきたことを強調。その上で、「支援機構にとって最大最後の基盤整備事業が完成し、大きな区切りを迎えられた。地元行政および住民の方々のご理解ご協力があってのもの」と感謝の意を表した。

 引き続きあいさつしたJR貨物の田村修二社長は、同様に関係者への謝辞を述べた後、本線上の着発線荷役が可能なことから異常時対応能力の向上が図られることなどを強調し、「使用開始後には、お約束した環境の維持向上に努め、コンテナ輸送の品質向上につながるよう、『まごころ満載』の駅として育てていきたい」と抱負を述べた。

 その後、国交省の田端浩鉄道局次長、大阪府の松井一郎知事(代読)、吹田市の井上哲也知事があいさつ。井上市長は「情報をオープンにし、市民の皆さんに愛される駅になってほしい」と希望を述べた。テープカット等を行い開業式を終え、吹田市内のホテルに移動して開業祝賀会を開催。

 来賓として祝辞を述べた日本通運の新居康昭取締役執行役員大阪支店長は、「利用運送事業者として一番留意していることは安全。当たり前のことをきっちりやって、地元の一企業市民として、ともに汗をかいていきたい」と強調。また、センコーの福田泰久社長は、「大阪の鉄道貨物輸送の大改革であり、利用運送事業者は大いに期待している。有効に使って、大いに盛り上げていきたい」と期待感を示した。

フォワーディングで新情報システム本格投入ー顧客のグローバル化支援へ  TLロジコム 

 SBSグループのティーエルロジコム(以下、TLロジコム)は6日、新フォワーディング情報システム「G-Fourth(ジーフォース)」を今春から順次本格投入すると発表。グローバル化の進む顧客のサプライチェーン効率化を情報面で強力にバックアアップすることで、さらなるフォワーデングビジネスの拡大を狙う。

 メーカーをはじめとする顧客が生産・販売・購買の海外シフトを加速させるなか、リードタイムの伸長や納期遅延が課題となっており、顧客の安全在庫増加などのリスクが深刻化している。こうした状況を改善するため、①オーダーや船積みなどの手続きや手配状況②空・海・陸の輸送状況と遅延検知③輸送中在庫を含む統合在庫④各種情報の自由なレポーティング-という「4つの見える化」を特徴とする「G-Fourth」を開発。通関・輸配送・保管などの輸出入のプロセスをシームレスに連携・提供できる環境を順次整えていく。

 すでに、アセアン・中国に出荷拠点を持つ日系企業向けに導入を開始しており、今後は全世界的な展開を視野に入れる。

今週掲載トピック一覧

  • ☆人物ウィークリー、東ト協副会長(千代田運輸㈱社長)・水野功氏

  • ☆交通政策基本法案は震災踏まえた内容で検討、西脇国交省総政局長
    ☆中小企業庁、グループ施設復旧整備補助事業運輸関係5グループ第6次後半分を決定
    ☆建交労首都圏、トラック部会適正運賃収受などアピール葛西から新橋まで47台がパレード
    ☆試験センター、24年度第2回運管試験(貨物)受験者数が減少
    ☆NEDO、トラック4台車間距離4メートル隊列走行実験に成功
    ☆ヤマト運輸、EV小型トラックの集配業務の実証運行中旬に開始
    ☆飲料メーカー等5社、賞味期限“年月表示”移行で拠点間転送等削減を5月から共同実施
    ☆通運連盟、第8回鉄道利用運送推進全国大会開く
    ☆日貨協連、25年度のWebKIT事業計画-荷物情報68万件・車両情報は15万件目指す
    ☆佐川急便、新社長に荒木専務
    ☆SGリアルティ、売電事業に参入
    ☆第一貨物、仙台東支店倉庫新設竣工-倉庫面積2倍強に
    ☆エコモ財団、2月のグリーン経営認証17件・21事業所に
    ☆押入れ産業、全国加盟店経営者大会開く-ブロック長制度が奏功
    ☆日通、輸送資材『ビジネスプレミアムバッグ』を開発
    ☆港湾BCP東京連絡協、東京港被災時の海上緊急物資輸送体制構築を24時間~72時間以内に
    ☆東ト協が経営者セミナー開く

今週のユソー編集室

  • ▼東日本大震災が発生した日は、少なくとも今後10年、20年の間、その時日本にいた人たちとって、特別な日として記憶に残り続けるだろう。きょう3月11日が、その日である。
    ▼震災から2年が経過してあらためて思うのは、自然の偉大さ、恐ろしさだ。地震ではないが、先日も北海道で、大雪により9人の方が亡くなっている。自然が牙をむく時、人間はあまりにも無力だ。
    ▼しかし、その一方で、人間は学び備えることができる。物流業界では、国交省でとりまとめが進められている次期物流施策大綱において、災害に強い物流は大きな柱になるはずだ。首都圏の自治体では、民間との間で支援物資物流に関する協定を結ぶ動きも進んでいる。いずれも物流が崩壊してしまった苦い経験を、次代に生かそうとする取り組みである。
    ▼あの震災から人々が得た教訓の1つは、人を守り、支えるという、物流がもつ本来的使命の重さの再認識ではないかと思う。

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