吹田貨物ターミナル駅が開業、まごころ満載の駅に JR貨物
JR貨物(田村修二社長)は4日、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、国鉄清算事業団などと共催で、吹田貨物ターミナル駅の開業式を行った。
16日のダイヤ改正に伴い、廃止となる梅田駅の機能を、新設する吹田貨タ駅と既存の百済駅に分割することが決まっている。このうち吹田貨タ駅は旧吹田操車場の跡地に、同操車場の半分強にあたる約27万平方㍍の広さの新駅として整備したもの。東海道線上に位置し、26両編成列車の本線上での荷役が可能な着発線と留置線の4面5線、鉄道倉庫、駅本屋、中継コンテナホームなどを有するほか、緑地帯の設置など周辺環境に大きく配慮している点が特徴。反面こうした配慮から、駅に入るための専用道路のトンネル内で、コンテナ3個積みトレーラがすれ違えない場所があることや、駅構内に出入りするトラックの台数が1日千台に制限されていることなど、さまざまな制約も受けている。
開業式は現地で行われ、関係者など約200人が出席。冒頭あいさつした支援機構の石川裕己理事長は、昭和62年の国鉄分割民営化時に梅田廃止の方針が決まって以来、機能移転に拒否反応を示す地元住民の理解を得るため、慎重に対応を進めてきたことを強調。その上で、「支援機構にとって最大最後の基盤整備事業が完成し、大きな区切りを迎えられた。地元行政および住民の方々のご理解ご協力があってのもの」と感謝の意を表した。
引き続きあいさつしたJR貨物の田村修二社長は、同様に関係者への謝辞を述べた後、本線上の着発線荷役が可能なことから異常時対応能力の向上が図られることなどを強調し、「使用開始後には、お約束した環境の維持向上に努め、コンテナ輸送の品質向上につながるよう、『まごころ満載』の駅として育てていきたい」と抱負を述べた。
その後、国交省の田端浩鉄道局次長、大阪府の松井一郎知事(代読)、吹田市の井上哲也知事があいさつ。井上市長は「情報をオープンにし、市民の皆さんに愛される駅になってほしい」と希望を述べた。テープカット等を行い開業式を終え、吹田市内のホテルに移動して開業祝賀会を開催。
来賓として祝辞を述べた日本通運の新居康昭取締役執行役員大阪支店長は、「利用運送事業者として一番留意していることは安全。当たり前のことをきっちりやって、地元の一企業市民として、ともに汗をかいていきたい」と強調。また、センコーの福田泰久社長は、「大阪の鉄道貨物輸送の大改革であり、利用運送事業者は大いに期待している。有効に使って、大いに盛り上げていきたい」と期待感を示した。