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 最新号のトピック

3月20日付  2648号

物流効率化を顧みない荷主に警鐘を鳴らす工藤会長
物流効率化を顧みない荷主に警鐘を鳴らす工藤会長

 

物流効率化考えねば荷主も自然淘汰、工藤物流連会長が見解示す

 

 日本物流団体連合会(工藤泰三会長)は14日、東京都千代田区の霞山会館で第5回理事会を開き、生産性革命を念頭に置いた官民連携の強化や現在策定に向けた議論が進められている次期総合物流施策大綱検討会への参加などを盛り込んだ2017年度事業計画案を承認。理事会後の記者会見で工藤会長は、物流業界で深刻化する労働力不足への対策について、17年度事業計画の着実な実施や国土交通省への政策提言などを通じて、生産性向上につなげていくとの抱負を示した。

 

 会見で工藤会長は、ヤマト運輸の宅急便引き受け抑制検討の報道などを通じて物流が国民の注目を集めていると指摘した上で、物流業界も「働き方改革」を行って生産性向上や従業員の給与引き上げを実現していくことが最重要課題であると説明。現状は、「ムダ・ムラ・ムリのかたまり」であり、トラックの手待ち時間や手荷役の抑制については「何が何でも手を付けるべき」とし、国交省への政策提言などを通じて、物流業界の生産性向上につなげていくとの考えを強調するとともに、「17年度は働き方改革にまず手をつける」とした。

 

 手荷役の抑制については、副会長を務める経団連も協力する姿勢を示しており、話し合いの機会を作るよう促していることを明らかにした。さらに、経団連内での運賃値上げの動きについては、不当な値下げの禁止や燃料高騰分の支払いなどへの協力などを行っていく旨を榊原定征会長が表明していることを紹介する一方で、国際競争の中で世界中から部品を安価に調達する必要性についても指摘。わが国物流産業も生産性を上げて競争力あるサービスを提供する必要があるとして、手荷役抑制に向けたパレット化をまず着手すべき例に挙げた。

 

 さらに、パレット化などの生産性向上について、荷主も真剣に考えて取り組まなければ「自然淘汰たされることになる」と警鐘を鳴らした。

 

 田村修二副会長は、鉄道分野での生産性向上について、「コンテナは手積みが多いが、通運事業者とタッグを組んで、31フィートウイングコンテナなどでのパレット化を進めていきたい」とした。

 

 物流連の17年度事業計画の主な内容は次のとおり。

 

 【基本政策委員会】=①生産性向上を念頭に置いた官民連携の強化②物流関係諸団体との情報共有および連携強化③総合物流施策大綱検討会への参加―など。

 

 【物流環境対策委員会】=①グリーン物流パートナシップ会議への継続参加(16回目)②物流環境大賞(18回目)③モーダルシフト優良事業者公表・表彰―など。

 

 【人材育成・広報委員会】=①「第4回物流業界インターンシップ/5days」の開催②「第4回物流業界研究セミナー」の開催③「大学学内セミナーの実施」―など。

 

 【経営効率化委員会】=①「先進技術の活用に関する研究」および「既存技術の活用・工夫の検討②「女性、高齢者の活躍・働き方改革」の推進方策の検討(新規事業)③ユニットロードの推進の啓発―など。

 

 【国際業務委員会】=①海外現地物流調査(マレーシア、シンガポール、ブルネイ)②国交省が海外で行う「物流政策対話」などへの参加③海外戦略ワーキングチームの活動充実―など。

 

 

春闘妥結でコメント、経営の中心に働き方改革  ヤマト運輸

 

 ヤマト運輸(長尾裕社長)は16日、「春季労使交渉の妥結について」のコメントを発表、労務管理の適正化や商品・サービス見直し、ワーク・ライフ・バランスを推進し「働き方改革を経営構造改革そのものとして位置づけた上で、より効率的により高品質なサービスを提供できる、新しい働き方の創造を目指すという点で合意に至ったことを踏まえて、社員一人一人が生き生きとお客さまに向き合える環境をつくりあげていく」との声明を出した(妥結内容は6面参照)。

 

 コメントでは「今後も持続可能な経営基盤を整え、厳しい社会環境の中でも社員一人一人がお客さまにより良いサービスを提供し続けるために、賃金引き上げや労務管理の適正化などについて労使間で協議を重ね、合意に至った」とした上で、「今後も『働き方改革』を経営の中心に据え、全社を挙げて社員が安心して働ける職場環境を整備し、お客さまにより良いサービスを提供できるよう労使一体で取り組んでいく」との方針を明示し、次のとおり具体的事項をあげている。

 

 〈労務管理の適正化〉①年間の総労働時間計画を2448時間とする(前年2456時間)②4月16日から入退館管理による労働時間管理へ一本化する。 

 

 〈商品・サービス見直し〉①宅急便の時間帯お届けサービスについて◎6月中に12~14時の時間帯指定区分を廃止する◎6月中に20~21時の時間帯指定区分を廃止し19~21時の時間帯指定区分を新設する②4月24日より再配達の受付締め切り時間を20時から19時に変更する③より良い労働環境を構築するために一部商品の廃止やリニューアルを検討する④大口法人顧客との契約内容を見直し、取り扱い数量を適正化する。 

 

 〈ワーク・ライフ・バランスの推進〉①営業所の責任者を増員し、社員一人一人の働き方に目が行き届く管理体制を構築する②営業所単位で休憩する時間帯を決定し、管理を徹底する③年間公休117日・計画年休6日・記念日休暇3日を完全取得することとし、年間126日以上の休日・休暇を確保する④週に1回程度のノー残業デーの取得をさらに推進する⑤労働需給や地域特性に応じて、保育所等の設置を検討する⑥在宅勤務制度の導入を検討する⑦10月からインターバル制度を導入し、最低10時間の休息時間を確保する。

 

 

ユソー編集室

 

▼政府主導の「働き方改革」実現に向けた動きが、大詰めを迎えつつある。13日には経団連と連合が、繁忙期の残業時間の上限として「月100時間未満」とすることで合意したと報じられた。

▼一方で自動車運転業務など適用除外業種については、今月末の「実行計画」の策定に至るまで、さらに調整が重ねられるようだ。これについては、業界団体側の一部が難色を示しているとの見方もある。

▼確かに長距離輸送がメインを占める地方部などでは、罰則付きの残業上限規制に抵抗感があるのは理解できる。だが、適用除外が残れば労働条件の格差は是正できず、勢い若年労働者の確保は夢のまた夢になりかねない。

▼業界の実態を考えれば、猶予期間は必要なのかもしれない。しかし、先日行われた業界団体との意見交換会で石井大臣が発した「魅力ある産業になるために、今の仕組みを見直した方がプラスになる」という言葉もまた、的を射ていると思うのだ。

 

 

その他のトピック

 

☆ウォッチ(70) 『物流トピックスからみた中国の交通インフラ投資』

 

☆積み残しの記・余禄(2)『ウナ電』

 

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☆千葉県適正化実施機関が評議委員会を開催、改善が着実に進む

 

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☆センコー、JX金属グループの海運2社を子会社化

 

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☆国交省、輸送安全規則の解釈を一部改正し運転者の添乗指導でドラレコ活用も可に

 

☆日通名古屋支店、小牧グローバルロジスティクスセンターで施設見学会開催

 

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