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2013年10月7日付 2491号

共同運行の進展など協力体制を拡充  第一貨物、久留米運送、トナミ運輸

 第一貨物(武藤幸規社長)、久留米運送(二又茂明社長)、トナミ運輸(綿貫勝介社長)の3社は現在、幹線共同運行や鉄道モーダルシフト、共同配達など、一層の効率化促進を図っている。

 共同運行については、第一貨物と久留米運送間で1日から開始しており、事業用自動車の相互使用による運転者の労働時間の改善や輸送の効率化を実現し、リードタイム短縮など輸送品質を向上させるとともに、荷主ニーズに最適化した輸送サービスを提供することが目的。

 車両には10トン車を用い、第一貨物天童支店(山形県)→第一貨物北大阪支店・久留米運送北大阪支店(北大阪トラックターミナル内に同居)→久留米運送飯塚店(福岡県)、同大分支店(大分県)→久留米運送北大阪支店・第一貨物北大阪支店→第一貨物天童支店の形で一貫運用する。一方のドライバーは、第一貨物側が天童支店から北大阪支店間を担当し、久留米運送側が北大阪支店から飯塚店・大分支店間を担当するので、第一貨物の車両を久留米運送のドライバーが運転する区間があるといった、シェークハンド運行の形となる。両社ではこの運行便の状況を踏まえ、2便への増便を検討していくという。

 鉄道モーダルシフトについては、北陸~九州間の輸送バランスを調整しコスト効率化を図ることを目的に、トナミ運輸と久留米運送間で7月から行っている。トナミ運輸中央支店(富山県)から久留米運送飯塚店に向けて、鉄道コンテナによるワンウェイ輸送を行うことで、需要バランスを最適化させた。トナミ運輸では今後も、第一貨物、久留米運送との輸送の往復バランス改善に向けて、継続して協議していく方針としている。

 3社ではこのほか、関東地区を中心に、共同配達や施設共用化なども進めており、今後も引き続きコストと輸送サービス改善を進めていく方針。

ジャカルタへの高速輸入配送サービス開始  インドネシア日通

 インドネシア日通(中村雅之社長)はこのほど、ジャカルタで迅速な輸入通関・配達を実現する航空輸送商品「NEXSAO―SKY JIT JAKARTA」をシンガポール、タイ・バンコク発の貨物を対象に開始した。

 ジャカルタのメーン空港であるスカルノ・ハッタ国際空港では、近年の急速な経済成長に伴い、取扱貨物量が急増し、空港保税施設の到着貨物の荷役業務が追いつかず、輸入貨物の滞留が常態化しており、空港到着から配達までに3~5日の日数を要している。

 インドネシア日通では、ジャカルタ近郊のハリム・ペルダナクスマ国際空港を利用し、貨物の空港到着日に、専任スタッフが輸入許可済み貨物を引き取る運用体制を確立。これにより、ジャカルタに到着した貨物を1~3日で届けることが可能に。

 また、ジャカルタまでの航空輸送はシンガポールからの貨物専用便を利用して、シンガポールのほかタイ・バンコクでも貨物を受託することが可能。自動車用部品等のジャカルタ近郊工業団地向けの緊急輸送ニーズにも応える。さらに、同空港は日系メーカー生産拠点の集積する西ジャワ州に隣接しているため、渋滞の慢性化するジャカルタ市街地を通らずに、日系各社工場まで届けられる。

 今後は、受託地の拡大を図り、世界各地からの貨物を同社のシンガポール拠点(ハイスピード・ロジスティクスセンター)に集約し、確実な積み替え作業とモニタリングを行い、ジャカルタまで輸送するサービスを拡充する計画。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集、第28回全国フォークリフト運転競技大会
    ☆物流にとってアベノミクス『吉』か『凶』か⑦
    ☆これだけは知っておきたいアジア進出の落とし穴⑥『ミャンマー・カンボジア』
    ☆人物ウィークリー、日本貨物鉄道㈱常務執行役員・池田清弘ロジスティクス本部運輸部長

  • ☆全ト協・国交省、中型免許見直し緊急実態調査を実施
    ☆愛媛県・日本郵便輸送・日通商事等5者、4㌧トラック電動化で世界初の開発スタート
    ☆経産省の12年電子商取引市場調査、国内BtoB市場は1.7%増、BtoCは13%の増
    ☆センコーが技能コンテスト開催、79選手が技量競う
    ☆極洋、宮城県塩釜市に冷凍食品向け新工場建設
    ☆SGリアルティ、舞洲の施設に着工
    ☆ヤマトHDの羽田クロノゲート、各種の付加価値提供・最新機器で止めない物流実現
    ☆警察庁、中型免許見直しの検討会が初会合-年内に関係団体ヒアリングへ
    ☆全新潟運輸労組、第1回定期大会開く
    ☆ベトナム日通、ハイフォンにトラックセンター開設
    ☆SGムービングが浅井など2社と提携、大型特殊や重量物等あらゆるニーズに対応
    ☆コラボデリバリー、都主催のセミナーで館内物流の事例発表
    ☆JR貨物など3団体共催、コンテナ輸送品質向上キャンペーンキックオフ会議開く
    ☆日通創立記念式典、渡邉社長があいさつで国内複合事業の収益性着実な改善を実感
    ☆SGHDとハマキョウレックス資本業務提携中止へ
    ☆東京納品代行、多機能ファッション物流センター市川に開設

今週のユソー編集室

  • ▼安倍首相は1日、来年4月から消費税を増税すると発表した。高齢化により膨れ上がる社会保障費と、度重なる景気対策で千兆円にも達した国の借金。誰かが決断しなければならなかったのは確かだろう。
    ▼ただ、そうは言っても不安は残る。燃油価格高騰の転嫁すらままならない、トラック運送業界の実状を考えれば、増税分の転嫁など、ほとんど絶望的な状況ではないだろうか。
    ▼安倍首相は景気の腰折れを防ぐために、5兆円規模の経済対策を策定し、企業の賃上げも後押ししていくという。だが、企業の行動には株主の論理が働く。現状の社会環境で、消費を維持できるほどの賃上げが行われるかは疑問だ。
    ▼そもそも、税制の抜本改革や財政支出抑制の話はどうなっているのか。このままでは軽油引取税の旧暫定税率など、トラック運送業界の不満は一層高まるだろう。どこかで誰かが書いていたが、「安倍首相の増税で不“安倍”増」とならないように願いたい。

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