物流・輸送の専門紙、輸送新聞はこれからも輸送産業の発展に貢献してまいります。

文字サイズ

2014年2月10日付 2507号

消費増税後の出荷入荷荷主動向は「計りかねる」  日通総研

 日通総研は5日、ロジスティクスレポートNO.20「消費税増税が出荷量・入荷量に及ぼす影響に関する調査」を発表。10~12月期までは生産財、投資財を中心に、1~3月には消費財も駆け込み需要が発生するが、2014年度に入っての国内向け出荷量は、「現在のところ不透明な部分が多いが、出荷量が減少する可能性は否定できない」との回答が最も多く、荷主サイドも4~6月期以降の動向を計りかねている状況が浮き彫りになっている。

 この調査は12月初旬に、荷主企業(製造業、卸売業)2500事業所を対象アンケートしたもので、1032事業所から回答を得ている。回収率は41.3%。

 設問は、「国内向け出荷量の変化」「仕入れ量(入荷量)の変化」「14年度の国内向け出荷量の見通し」の3点で、出荷量の変化では、駆け込み需要により、「増加した」と回答した事業者数は13年4~6月期は31件、7~9月期は64件であったが、10~12月期には205件に急増、14年1~3月期では407件と約4割に達している。

 業種別では、10~12月期までは化学・プラスチック、木材・家具、電気機械、その他の製造業、一般機械、輸送用機械、鉄鋼・非鉄など生産財や投資財を中心に駆け込み需要が発生しているものと推測され、1~3月期には、化学・プラスチック、その他の製造業、一般機械、電気機械、輸送用機械、食料品・飲料など、生産財や投資財に加えて、消費財も駆け込み需要が発生するものと見込まれる。

 仕入れ量(入荷量)の変化については、13年上期に「増加」と回答した事業所は37件、下期は198件に増加するが、「とくに仕入れ量を増やす予定はない」が5割強を占め、「不明」が2割で続く。

 14年度の国内向け出荷量の見通しは、「減少が見込まれる」と回答した事業所は68件と比較的少なく、今年度の出荷量と比較した減少率の見通しについては、10~20%の減少を見込む向きが多い。中には25%減、30%減と大幅な減少を予測している事業所もある。

 また、「現在のところ不透明な部分が多いが、出荷量が減少する可能性は否定できない」が472件と多く、「出荷量の減少が見込まれる」と回答した事業所と合わせて半数以上の事業所が出荷量の減少を懸念している。

 このほか、「駆け込み需要は発生していないので、出荷量は大きく変動しない見通し」が273件、「景気の好転などを受けて出荷量は増加が期待できる」が64件、「上期は出荷量減少の懸念があるが、下期には持ち直す見通し」が69件、「その他」(「輸出のウエイトが高いため影響は小さい」「公共事業関連のため、政府の方針次第」など)が12件となっている。

サイゴンにベトナム南部で日系最大規模の新倉庫、来年3月営業開始へ  山九

 山九は4日、ベトナムの現地法人・山九ロジスティクスベトナムがベトナム南部のドンナイ省に新倉庫「サイゴン物流センター」を新設すると発表した。敷地面積3万平方メートル、2階建て、倉庫面積は2万平方メートルの規模で、ベトナム南部最大の日系物流センターとなる。

 保税倉庫と一般倉庫を備え、検品・仕分などの流通加工にも対応。着工は5月で、来年1月竣工、3月から営業開始する予定。

 ニョンチャックⅢ工業団地に位置し、開通予定の東西ハイウェイ、今後ベトナムの主要港として計画されているカイメップチーバイ、そして20年に開港予定のロンタン国際空港まで、優れたアクセスを誇り、1月に5千平方メートルを増設し、合計1万平方メートルとなったハイズン倉庫と併せ、ベトナム北部・南部に旗艦倉庫を完備することになる。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウオッチ『宅配が変える中国の「春節」スタイル』
    ☆四文字『路線の問題点「稼働効率」』
    ☆道『規制緩和時代の幕開け(26)』

  • ☆1月WebKIT速報、荷物情報件数が前年比80%の増加
    ☆国交省、横浜港コンテナターミナルで予約制の実証実験
    ☆パソコンXP問題で1080万台が廃棄に、日通が5台梱包サービス開発
    ☆総務省の2013年度サービス産業動向拡大調査、道路貨物運送業の年間売上高は2位に
    ☆建交労首都圏運輸労使婚がセミナー、新会長に中村教宣文化社社長
    ☆厚労省が2013年労災速報発表、死亡は100人を割り込む
    ☆建交労が取引動向アンケート、消費増税分を「転嫁できる」が6割に
    ☆SBSHD、現地企業取得しシンガポール国内の実運送事業に進出
    ☆自工会、2014年の国内トラックは5.4%の需要増を予測
    ☆全日通が中央委開く、春闘方針を決定
    ☆ヤマト運輸とヤマトホームコンビニエンス、高知県移住特使委嘱式で尾崎知事が謝辞述べる
    ☆首都圏キット協同組合、新春公開講演会開く
    ☆日本ロジテム、グループ最大規模の綾瀬営業所設置へ
    ☆大阪府と大阪市、夢洲開発の物流1号案件で上組と山九を認定
    ☆日通の第3四半期国際事業、中村副社長が半導体関連貨物の動きで明るい兆しと分析
    ☆三菱倉庫、インドネシアに合弁で新会社設立
    ☆ヤマト運輸、1月の宅急便は15%の増
    ☆国交省、環境対応トラック導入補助等でGマークを優先募集
    ☆性ノーHD、朝日大学とインターンシップで調印
    ☆各社の第3四半期決算

今週のユソー編集室

  • ▼適正運賃収受へ向けて、有効な一手となるのか。トラック業界が注目する運送契約の書面化が、この4月から施行される。
    ▼国交省のガイドラインによれば、「個々の運送ごとに適切な条件が設定されるように、荷主等との協働の下、必要な事項を運送引受書により発すること(書面化)を通じ、安全運行を徹底するべく、これをルール化する」ことが趣旨だという。
    ▼現在の市場環境では、いわゆる標準運賃の設定は難しいことを考えあわせれば、適正運賃収受のために、まずは取り引きそのものを適正化しようとする方向性は、おそらく正しい。
    ▼トラック協会が進める原価把握の動きとも合わせ、根拠のある数字と明確な運送条件をもとに、荷主に対して再生産可能な運賃・料金の負担を要請するという、本来あるべき姿に戻れればと思う。制度の浸透には時間がかかるかもしれないが、国交省は適切なフォローアップを行うとしており、大いに期待したいところだ。

戻る