物流・輸送の専門紙、輸送新聞はこれからも輸送産業の発展に貢献してまいります。

文字サイズ

2014年12月20日付 2546号

引越優良事業者制度、第1回認定は301者に  全ト協

除幕式の模様

 全日本トラック協会(星野良三会長)は18日、第1回引越優良認定事業者を発表。申請のあった324者1763事業所のうち301者1739事業所を認定した。引越サービス利用者に情報提供を行うことで優良事業者の“見える化”や苦情・トラブルの防止を図るとともに、引越業界全体のコンプライアンス向上にも大きく寄与することが期待される引越優良認定制度が約5年の検討を経てスタートした。

 引越サービスは、インターネットの進展などに伴い、価格の単純比較で事業者選定を行う利用者が増え、その結果、サービス内容への苦情などのトラブルが増加している。こうした状況を受け、全ト協では、消費者に安全・安心な引越サービスを行う事業者の情報を提供する優良認定制度の検討を行い、今年7月に事業者からの申請を受け付けた。

 優良認定制度は①安全・安心な事業者の見える化②引越業界全体のコンプライアンス向上③引越における苦情やトラブルの防止―を柱とし、申請事業者には、引越を行う全営業所に引越管理者が1人以上在籍していることや安全性優良事業所(Gマーク)であることなどを求めている。優良事業所の認定有効期間は3年間で、その後は更新審査を行う予定。

 18日に東京都新宿区の全日本トラック総合会館で開かれた発表式では冒頭、齋藤直也常務理事が制度の概要などを説明。続いて、星野良三会長が「300を超える事業者が認定され喜ばしいが、責任の重大さも感じる。消費者が人生の節目で利用する引越サービスで不快な思いや物的損害を受けることが少しでも減るよう期待したい」とあいさつした。

 星野会長あいさつの後、認定事業者名の記されたボードの除幕式が行われた。来賓からは、消費者庁の川口康裕次長、国土交通省の田端浩自動車局長、全国消費者生活相談員協会の渡邊千穂理事があいさつ。

 川口次長は、「事業者団体が自主基準を設けるのは有意義なことで、消費者庁でも認知向上に努めたい」と述べ、田端局長は、「トラック事業の中でも消費者に近いところでサービスを行う引越のクオリティを高めることはトラックの評価向上にもつながる」とした。渡邊理事は、「全ト協に相談窓口を設け、トラブルへの対応を継続的に行うことで安心して引越できる。制度を発展させていい業界になるよう祈る」とあいさつした。

 式の最後には、全ト協の鈴木一末引越部会長が、1997年に当時の運輸省で引越の評価制度の必要性などが盛り込まれた報告書が取りまとめられていたことを説明した上で、「宿題の提出に約15年かかったが、何とかきょう301事業者の認定にごぎつけた。認定はキャッチフレーズの“当たり前をきちんと。”を守っていれば受けられる。制度の認知はこれからだが、消費者が安心できるサービスの提供に向けて、“一から”取り組みたい」と述べた。

新社長に山内氏内定  ヤマトHD

会見する木川社長(右)と山内新社長(左)

 ヤマトホールディングスは18日の取締役会で、木川眞社長の代表取締役会長就任および山内雅喜取締役執行役員(ヤマト運輸社長)の代表取締役社長社長執行役員就任を内定した。来年4月1日付。瀬戸薫代表取締役会長は取締役相談役に就任する。

 18日に都内で行われた会見には、木川社長と山内新社長が出席。木川社長は「羽田クロノゲートが稼働した昨年夏ごろから、社長交代のタイミングを考えていた。山内新社長は実はファイターであり、これまでの経営でも安定感をみせ、社内の人望も厚い。社長を任せることに何の悩みもなかった。私と山内新社長は11歳離れており、過去に例のない大幅な若返りとなるが、若い力でグループを牽引してほしい」と述べた。

 山内新社長はこれに対し「社長就任は身の引き締まる思い。変化の激しい世の中で新たなニーズを感じ取り、どこよりも早くサービスとして提供することが、私に課せられた使命。皆で知恵を出し合うという全員経営のスタイルで、物流が新しい価値を生み出すという『バリュー・ネットワーキング』(VN)構想の具現化に向けて、アグレッシブに取り組みたい」と抱負を述べた。

 山内雅喜(やまうち・まさき)新社長は、1961年1月11日生まれの53歳。長野県出身。84年3月に金沢大学文学部を卒業、同年4月ヤマト運輸入社。98年10月名古屋主管支店長、2005年4月執行役員東京支社長、08年4月ヤマトロジスティクス社長、11年4月ヤマト運輸社長―が略歴。家族は夫人と男子3人。趣味はテニス。座右銘は「至誠通天」。

今週掲載トピック一覧

  • ☆物流界のトップトピック『ゆく年2014』
    ☆日中ビジネスワンポイント『紀伊半島周遊(その3、高野山)』

  • ☆経産省・国交省等、グリーン物流優良事例でコラボデリバリー・佐川急便に大臣表彰
    ☆国交省、輸出入コンテナの鉄道利用促進へ調査会立ち上げ
    ☆全ト協、WebKIT成約運賃指数は11月も上昇傾向
    ☆厚労省が13年度の監督指導状況公表、トラック運転者使用事業場の83%が労基法違反
    ☆ドライブレコーダーシンポジウム、ドラプリ2014開催
    ☆NTTロジスコ、京急開発と共同で「平和島物流センタ」建設
    ☆国交省等、共同輸配送促進に向けたマッチングシステム開発に着手
    ☆中部運輸局の書面取引実態調査、書面化率が高い「真の荷主の物流子会社」
    ☆日冷倉協、伊藤会長が年末会見で協会認知度の向上に意欲
    ☆日貨協連、新規加入推進策で加算式持分算定方法」の導入を検討
    ☆JR貨物・イオン等、異業種複数企業で初の専用列車運転へ
    ☆ベルギー日通、ブラッセル空港周辺に新社屋移転
    ☆日立物流、マレーシアの子会社2社を統合
    ☆SBSロジコム、千葉ニュータウンの物流施設を予約賃借契約
    ☆マレーシア日通、日系企業で初のハラル物流認証取得
    ☆全ト協、安全性優良事業所が業界の4分の1に
    ☆ヤマト運輸、環境保全で国交大臣表彰
    ☆エコプロダクツで佐川急便・東ト協が表彰受ける
    ☆国交省、欧州並みの運転者教育へ検討始める

今週のユソー編集室

  • ▼今年も残すところあとわずかとなった。この紙面が本紙2014年最後の号ということになり、例年どおり各社・団体の年末トップトピックを掲載している。
    ▼この1年を振り返ると、やはり消費税増税のインパクトは大きかった。年度末の駆け込み需要から始まり、上期中は何とか持ちこたえた景況感も、下期に入ると急速に悪化し、再増税の延期が衆院選の遠因にもなった。
    ▼物流業界を見ると、2014年という年は、一つの大きな転換点ではなかったか。いつか来ると言われていた労働力不足が、増税によってより鮮明に現実のものとなり、対策を真剣に考え始めた年でもあるからだ。
    ▼選挙によって安倍政権は再び日本のかじ取りを任され、成長戦略の確実な実行が求められている。物流業界が労働力不足で経済成長の足かせになってはならず、対策は不可欠かつ急務だ。迎える新年が業界にとって、そして皆様にとってよい年になるよう、願ってやまない。

戻る