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2016年9月26日付 2626号

2015年トラック運送事業、労基関係法令違反が認められた事業場が86% 改善基準告示は70%  厚労省

 厚生労働省は16日、2015年の自動車運転者使用事業場に対する監督指導、送検状況を公表した。トラック運送事業で労働基準関係法令違反が認められた事業場の割合は前年比2.3増の85.9%、改善基準告示違反が3.2増の69.9%に及び、増加傾向にある。バスやハイヤー・タクシー事業に比べ違反割合が依然として高い。

 トラック運送事業で労働基準監督機関が監督指導を行ったのは2783事業場で、このうち労働基準関係法令違反が認められたのは85.9%に当たる2390事業場。

 主な違反事項は労働時間62.1%、割増賃金22.5%、休日5.7%など。

 改善基準告示違反が認められたのは69.9%に当たる1944事業場。

 主な違反事項は最大拘束時間55.5%、総拘束時間45.1%、休息期間43.7%、連続運転時間34.0%、最大運転時間21.5%となっている。

 一方、トラック運送事業で労働基準関係法令違反により、送検したのは52件で前年比12件の増加。

 バスやハイヤー・タクシー事業などを含めた全体の60件の中で、トラックは87%を占める。

 なお国土交通省地方運輸機関との相互通報により、労働基準監督機関が通報したのは前年比43件減の821件、通報を受けたのが64件増の376件となっている。

台風による北海道不通の影響、信頼確保の施策展開 本年度の鉄道黒字化諦めず  JR貨物田村社長が会見

 JR貨物の田村修二社長は14日の記者会見で、台風で大きな被害を受けた北海道の輸送状況などについて語った。北海道では台風により石北線・根室線が不通となっており、このうち根室線については、トラック代行輸送・船舶輸送・区間列車および臨時列車の運転などを実施、21日現在不通区間の前年輸送実績比ほぼ100%の輸送力を確保しているという。

 田村社長はこれに関連して「貨物鉄道への信頼を失わないよう施策を打つ」と語り、輸送力の確保に加え従業員を被災地の支援に当たらせるなどさまざまな活動を展開していることを明らかにした。

 経営に与える影響については「各種施策を講じており2%程度の減収になる見込み」と語り、大きな影響を受けているとの認識を示す一方、コスト削減努力を重ねることで、本年度の至上命題である鉄道事業部門の黒字化については「諦めずに取り組む」姿勢を強調した。

 また、これらの影響に伴う利用運送事業者の負担増加の懸念については「現在取り組んでいるオフレールステーションの収支改善や、青函トンネル付加金の問題整理が先」と述べるにとどまり、今後について含みを持たせた。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集・ETC2.0最新情報
    機能と割引制度の動向
    各団体の助成措置
      全日本トラック協会
      日本貨物運送協同組合連合会
     トピック
      国交省などが運行支援サービスで社会実験
     各社商用車に適した車載器
      矢崎エナジーシステム
      パナソニック
     三菱電機
      デンソー
    ☆トナミ運輸労組 結成70周年記念式典とレセプション開催 会社・労組関係者ら200人が出席
    ☆アベノミクス物流にとって「吉」か「凶」か(66)『民進党のマニフェストを読んで驚いた(その3)』
    ☆日中ビジネスワンポイント『世界遺産「白神山地」「中尊寺」の旅(1)』

  • ☆交通労連、第54回年次大会で山口委員長があいさつ 政治に意見反映させる強い労連を作っていく
    ☆国交省が10月3日、全ト協・日貨協連を「情報化月刊」で大臣表彰へ
    ☆経産省、未来志向型取引慣行に向け下請け取引の環境整備へ 業界団体にも要請
    ☆全日通商事労組、定期全国大会開催 木村委員長が人への投資を求める
    ☆ヤマト運輸労組、第71回定期大会で森下委員長が再選 労働環境改善へ意欲を示す 
    ☆JR貨物、10月1日からコンテナ輸送品質向上キャンペーンを全国で実施へ
    ☆カンダグループ、第21回ダッシュ21中央発表会で最優秀賞に埼玉配送、社長特別賞には外国人実習生サークルが受賞
    ☆東ト協実行委員会、第4回委員会で10月30日開催トラックフェスタの概要案を報告
    ☆関東ト協、第61回関東トラック事業者大会など開催 大会宣言「生活・経済のライフラインとしての役割果たす」を採択

今週のユソー編集室

  • ▼JR貨物は今月から、新たに31フィートウイングコンテナを40個増備する。同社では2012年度から15年度までの4年間で100個を導入しているが、本年度も増備を図る形だ。
    ▼31フィートコンテナのメリットは、大型トラックと容積がほぼ同等で、鉄道モーダルシフトが容易なことだ。同社では顧客の要望が非常に強いとしており、年間の発送個数も15年度は23万6千個に達し、ほぼ右肩上がりの傾向をみせている。
    ▼今回導入されるコンテナについては、おおむね利用顧客も決まっているなど、まだまだ多くの潜在需要が見込まれる。モーダルシフトの促進のため国も助成を行っており、さらなる導入個数の拡大が望まれている。
    ▼駅構内のスペースや利用運送事業者が保有する私有31フィートコンテナとの運用上の問題、国際規格からみた31フィートコンテナの有用性などさまざまな課題はあるが、やはり物流の効率化に向けて、大型鉄道コンテナの増備は必要だ。

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