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2017年3月27日付 2649号

トラック運転者の労働時間、石井国交大臣に対し時間外労働の上限規制 猶予期間設定など求める  全ト協

石井大臣(左)に要望書を手渡す坂本副会長(右)

 全日本トラック協会(星野良三会長)は23日、政府の「働き方改革実現会議」で議論が進められている時間外労働の上限規制導入について、トラック業界の実態を踏まえた猶予期間の設定や段階的な適用を図るよう石井啓一国土交通大臣に要望した。

 要望には、坂本克己副会長と福本秀爾理事長が訪れ、坂本副会長が「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」を通じたトラック運転者の長時間労働抑制に向けた取り組みを進めていることなどを説明した上で、長時間労働の改善に不可欠な荷主の理解・協力が得られる環境の整備には時間が必要であるとして、時間外労働の上限適用に関する猶予などを石井大臣に求めた。

 これに対し石井大臣は、「要望をしっかり受け止めて、今月末をめどに取りまとめられる予定の『働き方改革実行計画』に反映されるよう内閣官房とも連携を取りたい」とした。

 全ト協はトラック運転者の労働時間削減に向け①荷主に対する指導徹底②取引環境改善に向けた政府の取り組み推進③トラック輸送の生産性向上への支援④高速道路を十分に活用できる環境の整備―を石井大臣に要望。さらに、これらの要望を実現して労働時間短縮の定着につなげるには一定の時間が必要であることに加え、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けトラック運転者のさらなる不足が懸念されることから、時間外労働の上限規制を罰則付きで法令上位置付ける際には、猶予期間の設定や段階的な適用を図るよう求めている。

 要望後に記者の質問に答えた坂本会長は、時間外労働の上限規制適用に関して必要な猶予期間については、「魅力ある業界づくりのための環境整備にじっくりと腰を据えて取り組んでいきたい」とし、具体的な期間を示さなかった。

航空宇宙産業の認証を成田・羽田で取得、品質の国際規格  日通

 日本通運(渡邉健二社長)は21日、成田・羽田空港で航空宇宙産業の品質マネジメントシステム「AS9120」の認証を取得したと発表した。登録範囲は航空・宇宙・防衛製品の入出庫および輸送業務/輸出入貨物取扱業務。

 AS9100シリーズは、品質の国際規格となるISO9001に、欧米の航空宇宙産業各社が設立した国際航空宇宙品質グループ(IAQG)独自の要求事項を補完した規格として米国で制定されているもの。「AS9120」は部品の保管・配送を行う組織へ適用され、物流事業者のほか卸売業者・商社などを対象としている。

 同社では2011年9月に原木インターナショナルロジスティクスタウンで同認証を取得して以降、日本の航空宇宙産業における開発・生産の重要拠点である中部地区や世界の航空宇宙産業集積地であるアメリカ・フランスで認証拠点の拡大を図ってきた。

 今回の認証取得により、米仏の基幹空港、中部空港に加え、日本の航空貨物の輸出入窓口である成田・羽田空港も「AS9120」の品質ネットワークで結ぶことで、航空宇宙産業に携わる顧客に日米欧を結ぶ自社ネットワークによる高品質・ハイスピードサービスを提供できるとしている。

 なお、認証取得拠点は次のとおりとなる。

 【日本通運】◎原木インターナショナルロジスティクスタウン◎中部空港物流センター◎名古屋北ロジスティクスセンター◎成田センター(成田空港物流センター・成田空港第二物流センター・成田空港第三物流センター)◎羽田センター

 【米国日通】◎ロサンゼルス◎シカゴ◎ニューヨーク◎アトランタ◎ダラス◎マイアミ◎シアトル

 【フランス日通】◎パリ◎トゥールーズ

今週掲載トピック一覧

  • ☆主な物流企業の2017年度新卒新入社員数
    ☆アベノミクス物流にとって「吉」か「凶」か(78) 『マスコミに矜持はあるか』
    ☆四文字 『規制の目的「優先通行」』
    ☆日中ビジネスワンポイント(161) 『台湾10都市の旅(その2)』

  • ☆日立物流の中谷社長がコメント、SGホールディングスとの協業は想定以上の効果 今後2年間でさらなる積み上げ
    ☆国交省が第2回総合流通施策大綱に関する有識者検討会開催、ヒアリングで業界団体等が人材不足の現状について国民の理解促進する施策を求める
    ☆国交省の藤井直樹自動車局長が会見、トラック運転手の時間外労働上限規制で実態に則したルール作りを検討する考え示す
    ☆センコー、持株会社体制への移行で4月1日付機構改正
    ☆全日通の春闘妥結判断、社員・賃金制度改革で経営計画年度内の結論を確認
    ☆ヤマト運輸労組の春闘妥結判断、パート組合員への配慮や総量管理による負担軽減を確認
    ☆千葉ト協が17年度事業計画決定、無事故無違反運動の拡大など決める
    ☆全国通運が31フィート冷凍コンテナの実運用開始へ、50個程度まで保有数拡大の意向示す
    ☆日本通運が国内初の宗教洗浄を行ったハラール鉄道輸送実施
    ☆国交省がドローンポート連絡会でドローンの飛行精度確認、今後も実証実験継続へ
    ☆千葉県協議会が16年度パイロット事業を報告、集品・検品作業改善でコストと積込時間の削減効果を確認
    ☆神奈川県協議会が16年度パイロット事業を報告、計画徹底でトラック運転手の待機時間大幅削減

今週のユソー編集室

  • ▼気象庁は3月21日、東京都心で桜の開花を宣言した。平年より5日ほど早く、沖縄を除けば全国で最も早い日付での開花宣言となった。
    ▼桜の花咲くこの季節は、入学や入社など新生活への切り替えの季節でもある。今年も先週あたりから引越のピークがやってきており、限られた戦力で品質を落とすことなく、いかに多くの仕事をこなしていくか、物流業界では各社とも繁忙期の対応に追われている。
    ▼本紙では3月13日付号まで、3号連続で引越特集を掲載した。その中でひときわ目を引いたのが、とある物流事業者の「今年はあえて“売り切れの日”を作る」こともありうるという記事だ。
    ▼この「物流は売り切れる」という言葉だが、運輸労連の難波委員長も先日、同じような表現を用いていた。それぞれ立場の違う業界人が、同じように物流の限界を口にしている。考え方によっては「運べない時代」は、すでに到来していると言えるのかもしれない。

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