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2018年7月9日付 2709号

ASEANへのコールドチェーン展開をオールジャパンで、関係省庁等と検討会  国交省

 国土交通省は、わが国の高品質なコールドチェーンを官民一体となってASEAN(東南アジア諸国連合)に展開するため「ASEANスマートコールドチェーン構想検討会」を設置。3日に東京都港区の富士通総研セミナールームで第1回会合を開き、来年度からおおむね5年間の中期的な取り組みなどを盛り込んだ、ビジョン・戦略の策定に向けた検討を開始した。

 国交省では、2016年に「我が国物流システムの国際標準化の推進等に関する連絡検討会」を設置するなど、日本の物流事業者の持つ高品質な輸送サービスの国際標準化などに向けた取り組みを進めてきており、17年2月には日本のサービスをベースにした世界初のクール宅配便サービスに関する規格「PAS1018」が発行した。また、今年11月には、ASEAN向けコールドチェーン物流ガイドラインが策定される見込みとなっている。

 「ASEANスマートコールドチェーン構想検討会」は、国交省での取り組みにとどまらず、農水省やJETRO、JICAの持つ支援制度などの枠組みを活用して、日本企業のASEAN地域でのビジネス拡大につなげる目的で設置された。

 委員は、森隆行流通科学大学教授を座長に、日本倉庫協会、日本物流団体連合会、鴻池運輸、佐川急便、セイノーホールディングス、ニチレイロジグループ、日本通運、ヤマトホールディングス、郵船ロジスティクス、物流機器メーカー、国交省、農水省、JICA、JETROなどの担当者が参加している。

 第1回会合では、国交省・農水省・JETROが、ASEAN地域でのコールドチェーン確保に関する取り組みなどを説明した。

 説明に対し、物流機器メーカーの委員からは、JETROが海外で行っている商談会で、需要の高まっている物流機器を取り扱ってほしいなどの意見が出された。

 11月に開催予定の第2回会合では、JICAによるプレゼンテーションのほか、関係者へのヒアリング調査結果を報告する。

 ヒアリングは今後、委員所属企業・団体を中心に幅広い関係者に、ASEAN地域内で特にコールドチェーン確立によりビジネスが深化・拡大できると見込まれる国(重点国)や物流関連の課題、必要な支援策などについて尋ねる。

 最重点国については、3~4ヵ国を設定する見込みで、来年2月に開催予定の第3回会合で、最重点国やビジョン・戦略についての最終議論を行い、決定する。

定時総会開き新副会長に松井日倉協会長、環境大賞の表彰式も  物流連

環境大賞受賞者の記念撮影

 日本物流団体連合会(田村修二会長)は6月29日、東京都港区の第一ホテル東京で定時総会を開催し、2017年度事業報告等を原案どおり承認するとともに、役員改選で松井明夫日本倉庫協会会長を副会長に新任した。

 総会では本年度物流環境大賞の表彰式も開催され、大賞受賞者のセンコー、九州センコーロジ、コカ・コーラボトラーズジャパンの関係者をはじめ、各賞受賞者の関係者らが田村会長から表彰状と記念品を受け取った。

 冒頭あいさつした田村会長は、デジタル化の進展により、物流現場の“ムリ・ムダ・ムラ”が“見える化”され、生産性向上と働き方改革にも寄与すると指摘した上で、“宅配クライシス”を踏まえた消費者意識の変化や、BtoB物流における共同配送の進展に伴う商習慣の統一化など、今後の変革の可能性にも言及。国土交通省が策定した総合物流施策推進プログラムの実現に向けて、国交省や他産業とも連携をとりながら取り組んでいく姿勢を強調した。

 来賓あいさつでは国交省の重田雅史物流審議官が、生産性革命・アジアへのコールドチェーン拡大・スマート物流について触れ、このうち内閣府の戦略的イノベーション創造推進プログラムに採択されたスマート物流について、商流・物流プラットフォームの実現により、「10年後には物流現場から紙の使用をなくしたい」と述べるなど、産業構造の転換によるさらなる生産性向上へ期待感を示した。

 役員改選では松井副会長を新任したほか、田村会長、小比賀恒久・伊東信一郎・坂本克己・武藤光一・渡邉健二の5副会長と与田俊和理事長を再任。代表理事には田村会長、小比賀副会長、与田理事長を再任した。

 田村会長は総会後の記者会見で、生産性革命に対する外部環境が整ってきたとの認識を示し、行政や荷主企業とも連携して効率化を実現していく考えを示した。

今週掲載トピック一覧

  • ☆アベノミクス物流にとって「吉」か「凶」か(104) 『黒田バズーカは不発だったのか(その6)』
    ☆四文字 『熱い取り組み「ライナー」』
    ☆物流応援歌(4)『宅配危機を考える(2)送料無料表記問題』
    ☆ウォッチ(86) 『「中欧班列」輸送サービスの新展開』
    ☆人物ウィークリー、ボックスチャーター(株)・岩﨑納樹代表取締役社長

  • ☆国交省が営業倉庫の施設設備基準の適合性をあらかじめ確認する「基準適合確認制度」を創設、借庫手続き簡素化
    ☆運輸労連定期大会で難波委員長あいさつ、働き方改革関連法への対応で総拘束時間3300時間実現へ取り組み強化
    ☆国交省が加工食品物流の課題解決に向け実証実験、年度内に取りまとめ
    ☆全ト協・日貨協連、6月のWebKIT成約運賃指数は13ヵ月連続前年同月比増
    ☆ヤマトオートワークス、スーパーワークス東大阪工場が11月中旬に竣工へ
    ☆東京都、18年度貨物輸送評価制度で取得301事業者を決定
    ☆SBSゼンツウが基幹運輸部門対象のドライバーコンテスト開催、女性が初入賞果たす
    ☆佐川急便がドライバーコンテスト開催、南東北支店が4年ぶり2度目の優勝
    ☆働き方改革関連法案が成立、改善基準告示見直しなど参院厚労委が付帯決議
    ☆故安部正一住友倉庫会長お別れの会、パレスホテルでしめやかに

今週のユソー編集室

  • ▼昨年から大きな話題を呼んでいた働き方改革関連法案が、47もの付帯決議を施され、6月29日に参院本会議で可決・成立した。
    ▼注目の自動車運転業務に関する付帯決議は4項目に及んでおり、早期の一般則移行や改善基準告示の見直しなど、衆院の付帯決議よりも踏み込んだ内容が示された。
    ▼この法律については、運輸労連が請願署名活動を行うなど、強力な運動を展開していたが、「決して物流を止めない」という付帯決議の文言から、運動の成果がうかがえる。
    ▼それにしても、これほどの付帯決議を施されるぐらいなら、やはり当初から5年後の一般則適用が妥当だったのではないか、という気もするのだ。

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