物流・輸送の専門紙、輸送新聞はこれからも輸送産業の発展に貢献してまいります。

文字サイズ

2018年8月27日付 2714号

インタビュー (株)日立物流 中谷康夫代表執行役社長
事業領域の拡大を加速 SGホールディングスとの協創PJも順調

 中期経営計画が最終年度を迎えた日立物流。得意の3PL事業やSGホールディングスとの「協創プロジェクト」を通じた事業領域の拡大など、着実な成長路線を維持している。中谷康夫社長に、現状や今後の見通しを聞いた。

 ――労働力不足の影響は。

 この夏も西日本で発生した「平成30年7月豪雨」の影響などでトラックを集めるのに苦労しています。ドライバー不足に加え、手荷役をはじめとする物流現場の労働環境への抵抗感も物流業界での人手不足に拍車をかける一因となっているのではないでしょうか。

 ――経営戦略への影響は。

 物流センターを立ち上げる際には、高速道路や空港・港湾などの社会インフラへのアクセスの良さに加え、周辺の労働力をどの程度確保できるかが立地を見極めるカギになりつつあります。既存の物流センターについては、空調の整備などを進めており、スポット空調や大型ファンなどを設置しました。

 ――労働環境整備が急務であると。

 2010年ごろまでは労働力の確保には、さほど苦労はしていませんでしたが、12~13年あたりから不足感が強まってきました。まずは、「3K」(きつい、汚い、危険)のイメージを取り除こうと、休憩所や女子トイレの整備などを進めるとともに、機械化による省人化・省力化を加速させています。

インタビューの続きは電子版かコンビニプリントサービスでお読みいただけます。

インドネシア現地法人3社がハラール認証を取得 包括的サービス提供へ  日通

 日本通運(齋藤充社長)は21日、インドネシアの現地法人3社がハラール認証を取得し、航空・海運フォワーディング、倉庫保管、配送までの包括的なハラール物流サービスの提供が可能になったと発表した。

 今回、日通インドネシア物流とNEXロジスティクスインドネシアが、それぞれ6月と7月にインドネシアのハラール認証機関インドネシア・ウラマー評議会食料・薬品・化粧品研究所からハラール認証を取得したもので、本年4月に取得済みのインドネシア日本通運と合わせグループ3社が取得した。

 日通インドネシア物流では、すでに1万8千平方メートルの倉庫でグローバルに事業展開している顧客のハラール食品の取り扱いを開始している。

 人口のおよそ9割がイスラム教徒で占められているインドネシアでは、ハラール製品の需要が高い上に、経済発展による消費需要や人口増加により、ハラール市場のさらなる拡大が見込まれ、2019年にインドネシアで流通、取引される食品・化粧品・医薬品にハラール認証取得義務を課す法律の施行も予定されており、同国国内の消費者および関連企業の注目が高まっている。

 日通グループでは14年にマレーシアで運送の認証を取得。15年にはハラール機内食最大手の「ブラヒム社」と業務提携契約を締結し、翌年にはトラック・貨物用コンテナの宗教洗浄を自社で行うことが可能となる認証を受けている。宗教洗浄とは、ハラール食品にとって不浄な状態(豚や豚派生商品を取り扱った場所など)を清浄することで、輸送の際には、あらかじめトラックや貨物用コンテナを規則に従って洗浄し、清浄な状態にしなければならない。さらに17年には倉庫の認証を取得した。

 日本では16年に日本ハラール協会から東京海運支店が倉庫・輸送の認証、17年に福岡海運支店が同様の認証を取得している。

今週掲載トピック一覧

  • ☆アベノミクス物流にとって『吉』か『凶』か(107)『来年10月の消費税増税は粛々と実施されるのか(その3)』
    ☆四文字 『運転者の収入「歩合制度」』
    ☆日中ビジネスワンポイント(178)『上海・南通・揚州・鎮江・無錫の旅(その2、揚州)』
    ☆トピック 『ハマキョウ・長澤運輸裁判、同一労働同一賃金ガイドライン案の内容反映、対応の必要性明確に』

  • ☆西濃運輸の近畿~東北間特積み貨物の列車輸送が物効法計画に認定、ドライバーの運転時間87%削減
    ☆国交省、シベリア鉄道の利用促進に向けたパイロット事業計画の公募で7件の企画を選定
    ☆JPR・キユーピー・ライオンが3社共同幹線輸送開始、関東~九州間異業種で
    ☆国交省の菊池技監が就任会見、部署横断的な取り組みさらに進める
    ☆国交省、トラック事業者数は5年ぶりに前年上回るも中期的には微減傾向に
    ☆バンテックが21メートルダブル連結トラックを関東~中部間に導入
    ☆日通総研が物流事務に特化した自動化支援サービス開始、「ろじたん」を活用
    ☆東ト協出版・印刷部会が懇談会、業界の状況は苦しいを超えて経営が成り立たない
    ☆日本郵便が「クールEMS」の小ボックス値下げとともにタイ宛ての取り扱いを開始
    ☆JR貨物が西日本豪雨に伴う代行輸送を増強、カバー率19%に
    ☆佐川急便が国連指針の大目標17個のうち四つの重点領域に貢献、シルバー人材活用など
    ☆日本生産技能労務協会が「物流人材サービス特別セミナー」開催、最高裁判決の影響と実務
    ☆日本レコードセンターが従業員の子ども対象に絵手紙教室など開催、職場見学や芋ほり体験も

今週のユソー編集室

  • ▼政府は先ごろ発表した、いわゆる「骨太の方針2018」で、新たな在留資格の創設や対象業種の拡大など、外国人材の受け入れを拡大する姿勢を示した。
    ▼すでにこの国では、外国人材に頼らなければ運営できない業種が増えている。誤解を恐れずに言えば、物流業界とて例外ではない。荷役や流通加工など一部の業務において、外国人材を採用している企業は少なくない。
    ▼残念ながら運転職の労働条件が急激に改善し、近い将来労働力不足が解消する可能性は低い。労働条件改善への取り組みを継続することは当然だが、外国人ドライバーの可否について、せめて議論だけでも進めておくべきではないだろうか。

戻る