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2018年12月21日付 2729号

インタビュー ヤマト運輸(株) 長尾裕代表取締役社長
ヤマト運輸の働き方改革 現場が顧客と強い関係築き、“響く”サービス提供

 ヤマト運輸が働き方改革の基本骨子を発表してから、1年8ヵ月が経過した。ヤマトホールディングスが中期経営計画で掲げたデリバリー事業の構造改革と併せ、その進捗状況を長尾裕ヤマト運輸社長に聞いた。

 ――働き方改革の進捗状況は。

 働き方改革の対象は幅広いのですが、まずは、SDの働き方に直結する、労働時間の短縮に取り組みました。そのため宅急便の取扱個数についても、大口のお客さまを中心にプライシングの見直しなども行いながら、当社のキャパシティーに見合った数量への抑制にご理解とご協力を頂戴しました。

 その結果、SDの労働時間はほぼ計画どおりに短縮できています。そういう意味では、順調に進んでいるとも言えるのですが、ただ、それは平均値での話であって、営業店別に見てみると、大幅に短縮できている拠点もあれば、まだまだの拠点もあります。ですから私は社内で「もはや、平均点が良くなっているから良かった、という段階ではない」と言っています。

 全てのセンター、全てのSD、全ての社員が働き方改革の効果を実感できるようにするために、何が必要なのかを考え、実行していかなければなりません。例えば採用が困難な地域では、SDも簡単には増員できない。それならば、そうした地域のSDにも改革の実感が伝わるよう、何か別の手を打たなければいけないのです。

インタビューの続きは電子版かコンビニプリントサービスでお読みいただけます。

企業・国民とともに「ホワイト物流」推進会議の初会合開く 年度内に運動開始  政府

 政府は、労働力不足が深刻化している物流分野について、効率化に向けた取り組みなどに関して企業や国民の理解を促進するため、「ホワイト物流推進運動」を展開することを決定。14日に首相官邸で推進会議の初会合を開き、上場企業はじめ幅広い企業や国民に運動への参加を呼びかけていくことを決めた。

 運動は、自動車運送業への時間外労働時間に関する罰則付き上限規制が適用される2023年度末までを当面の予定期間とするもので、企業向けでは第1段階で必須項目事項に賛同をしてもらい、第2段階で推奨事項の中から任意の項目を自主行動宣言として選択してもらう。

 第1段階では、「事業活動に必要な物流の持続的・安定的な確保を経営課題として認識し、経営トップ層の主体的な関与の下、物流システムの改善に積極的に取り組みます」「法令違反が生じる恐れがある場合の契約内容や運送内容の見直しに適切に対応するなど、取引先の物流事業者が労働基準関係法令・貨物自動車運送事業関係法令を遵守できるよう、必要な配慮や協力を行います」などの必須項目について賛同する旨の宣言をしてもらう。第2段階では①契約の合理化に関する事項②生産性向上に関する事項③その他各企業等が自主的に取り組む事項―について、任意で選択し宣言してもらう。

 契約の合理化に関する事項では、「運送契約の書面化」「運賃と料金の別建て」「燃油サーチャージの導入」「下請け取引の適正化」「着荷主としての協力」などが設定され、このうち「運賃と料金の別建て」と「着荷主としての協力」については、重点推奨事項としている。

 国民向けには、「宅配便はできるだけ1回で受け取りましょう」「引越は混雑時期を避けましょう」「トラック運転手の休憩と安全運転のため、サービスエリア・パーキングエリアの大型車駐車スペースへの駐車はお控えください」などの呼び掛けを行い、ホームページ上で賛同してもらう。年度内にも賛同企業の募集や広報活動を開始する。

今週掲載トピック一覧

  • ☆物流界のトップトピック『ゆく年2018』
    ☆四文字 『道運法の問題「小型積合」』
    ☆日中ビジネスワンポイント(182)『地質奇観 恩施大峡谷の旅(後編)』

  • ☆日通が19日に大阪支店新社屋竣工式、駅前再開発に伴い新築移転
    ☆日通、札幌の物流センターで自動フォークと昇降機を連動させ出荷準備自動化
    ☆全ト協、Gマークと引越安心マークの認定事業所発表 Gマークは全体の29.6%に
    ☆日立物流が佐川急便と協業してDMMの3Dプリントサービス開始、京浜物流センターで
    ☆国交省・経産省等、グリーン物流パートナーシップ会議で優良事業者を表彰
    ☆国交省、ダブル連結トラックの車両長緩和に関する通達改正でパブリックコメント募集
    ☆日立物流、千葉県柏市内にスポーツ用品向けのプラットフォームセンター開設
    ☆JR貨物、鴻池運輸と東京レールゲートWEST棟初の賃貸借予約契約を締結
    ☆日通、グローバルサポートセミナー開催
    ☆東ト協、旭日重光章・国土交通大臣表彰受賞祝賀会で星野名誉会長らを表彰
    ☆SGモータース、「メカニックコンテスト」を初開催

今週のユソー編集室

  • ▼師走も中旬を過ぎ、今号が今年の最終号となった。この1年は「災」の文字に表されたとおり、日本各地が天災に見舞われた。
    ▼図らずも、トラックの役割にあらためて注目が集まったが、平成として最後の年明けを迎え、新たな元号をいただく来年は、平穏であることを祈りたい。
    ▼平成最後の師走のはじめには、トラック関係者に一足早いクリスマスプレゼントが与えられた。貨物自動車運送事業法の改正である。
    ▼これまで、トラック経営者や現場のドライバーを苦しめてきた荷主との商習慣を改める契機となるものと期待が集まる。トラック業界にとって、来年のキーワードは「改」になるのではないだろうか。

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