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2019年12月20日付 2775号

佐川急便等による鉄道とタクシーの貨客混載、国土交通大臣が表彰  グリーン物流パートナーシップ会議

赤羽国交大臣(左から2人目)と表彰を受けた事業者の代表者

 国土交通省・経済産業省・日本ロジスティクスシステム協会(遠藤信博会長)・日本物流団体連合会(渡邉健二会長)は13日、東京都千代田区の日経カンファレンスルームで「第18回グリーン物流パートナーシップ会議」を開催し、荷主・物流事業者の連携による物流効率化の取り組みに顕著な功績のあった優良事業者に対する表彰や、受賞企業による事例発表が行われた。

 冒頭あいさつで赤羽一嘉国土交通大臣は、物流の生産性向上への取り組みは個々の企業だけでは限界があり、荷主や物流事業者など立場を乗り越えた関係者間で課題を認識して解決することが重要であると指摘。その上で、第18回会議で表彰対象となった事例は、鉄道とタクシーによる貨客混載など革新的な取り組みであるとの考えを示し、今後もパートナーシップがさらなる広がりを見せることに期待すると述べた。

 表彰された取り組み内容・事業者は次のとおり。

 【国土交通大臣表彰】「日本初の鉄道とタクシーを組み合わせた貨客混載」=佐川急便、JR北海道、天塩ハイヤー

 【経済産業大臣表彰】「店頭用販促物の3社共同配送事業」=ユニ・チャーム、ライオン、資生堂、トランコム、日立物流ソフトウェア、

 【国土交通省物流審議官表彰】「食品、日用品メーカー混載による輸送効率化への競創」=日本パレットレンタル、キユーピー、サンスター、関光汽船、キユーソー流通システム

 【経済産業省商務・サービス審議官表彰】「共同幹線ラウンド輸送の取り組みにおける物流の効率化・強靭化」=キユーピー、伊藤ハム米久ホールディングス、キユーソー流通システム、JR貨物、全国通運

 【グリーン物流パートナーシップ会議特別賞】「スーパーフルトレーラSF25を活用した共同輸送による物流効率化」=ヤマト運輸、日本通運、西濃運輸、日本郵便

 【グリーン物流パートナーシップ会議特別賞】「全国2900店舗における店舗配送強靭化事業」=日本マクドナルド、HAVIサプライチェーン・ソリューションズ・ジャパン、富士エコー

 【グリーン物流パートナーシップ会議特別賞】「フレキシタンクを活用したJR12=汎用コンテナによる液体輸送の実現」=釜石鉱山、三八五通運、JR貨物、日本物流

インドの大手3PL企業FSCと業務提携、株式取得の承認得て  日通

 日本通運(齋藤充社長)は11日、インド小売大手フューチャーグループの物流子会社FSC(フューチャー・サプライチェーン・ソリューションズ)と戦略的パートナーシップを締結したと発表した。同日、インドのムンバイで提携のセレモニーが行われた。来年1月から業務提携を開始する。

 FSCはインドに本社を置く大手3PL事業者で、インド全土に90の物流センターを展開し、約77万平方メートルの倉庫面積を保有。ハブ・アンド・スポーク方式のサービスを提供するために、インド全土に13のハブと132の支店を構えている。

 日通は9月にFSCの株式22%を約99億円で取得すると発表し、今月10日に必要な全ての承認(インド競争委員会、FSCの株主、ボンベイ証券取引所、インド国立証券取引所からの承認含む)を得た。共同で顧客の成長に寄与し両社の収益を拡大するために、戦略的パートナーシップの構築と業務提携を目的に、現地法人の南アジア・オセアニア日本通運を通じて業務提携契約を締結したもの。

 この締結により、多様な産業に対し日通が持つノウハウを共同で活用し、FSCと日通が「インド物流事業におけるリーディングカンパニー」になることを目指し、FSCがインドで培った3PLおよび時間指定配送業務の知見を生かし、日通を介して日本およびグローバルの顧客に新しいビジネスチャンスを提供していくとしている。両社は、日通の代表者とFSCの経営陣からなるステアリングコミッティを組成することで、協業推進を強化することに合意している。

 同提携による事業戦略としては◎インドでビジネスを行う、もしくは今後インド市場への進出を計画している日系および外資系の日通の顧客に対しFSCの高品質なサービスを提供◎FSCを通じて日通のグローバル・ロジスティクス・サービスをインドの顧客に提供◎最新かつ世界に通用する技術の導入とカイゼン活動によりFSCの作業効率を高める―ことを挙げている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆物流界のトップトピック『ゆく年2019』
    ☆四文字 『大きな課題「需要開拓」』
    ☆聖火が初めてやってきた東京1964(7)『ユソー編集室』
    ☆日中ビジネスワンポイント(194) 『ロシアの旅(最終回)モスクワとサンクトペテルブルク』

  • ☆20年度税制改正、倉庫税制やJR貨物が取得した高性能機関車に関する特例の2年延長を決定
    ☆JPR・エバラ食品・サッポロHDが岡山~大分・福岡で3社共同のラウンド輸送開始
    ☆内閣府のSIPスマート物流で13件の研究責任者を選定
    ☆国交省が加工食品の物流標準化へ研究会設立、年度内にアクションプラン策定へ
    ☆日通が医薬品サプライネットワーク構築の4拠点全て着工、「富山センター」地鎮祭
    ☆日冷倉協が年末記者会見開く、外国人材活用等に向け指定業種追加要望へ
    ☆東ト協、警視庁に対し8月に要望した駐車規制の見直しの推進に関する要望書を提出し全てのエリアでの緩和を求める
    ☆日立物流が埼玉県春日部市内で9月稼働のECプラットフォームセンター公開、省人化技術を多数投入
    ☆日立物流がつくば物流センターを増築・稼働、日立建機の保守部品向け
    ☆トランコム・日野自動車が物流課題の早期解決目指し資本業務提携契約を締結
    ☆JR貨物の真貝社長が定例記者会見、輸送量の低迷は本年度いっぱい続くとの見通し示す
    ☆全ト協が19年度安全性優良事業所認定を公表、認定事業所は全事業所の3割に
    ☆日通が新本社ビルの地鎮祭、グループ統合拠点計画
    ☆東ト協がトップランナー賞の表彰式、環境・安全意識向上へ

今週のユソー編集室

  • ▼令和最初の年の暮れ。そして間もなく、令和最初の年明けを迎える。年明け1月には、トラックの標準的運賃が運輸審議会に諮られ、3月までに大臣による告示がなされる見込みとなっている。
    ▼平成最後の年末に成立した改正貨物自動車運送事業法という「仏」に、やっと「魂」が込められると期待する関係者は多い。一方で制度に期待するばかりでは魂を込めることはできないと指摘する声もある。あくまで「標準的」な運賃を示すものであり、実際の交渉や契約の局面では、相手を納得させるだけの根拠と熱意が不可欠だ。
    ▼トラック関係者がそれぞれの運送や契約に魂を込めることが、新たな年の大きな役割になる。

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