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2022年5月9日付 2885号

インタビュー―北海商科大学大学院商学研究科教授・相浦宣徳氏
物流ネットワークの維持へ、北海道~本州間の幹線輸送で貨物鉄道は最後の砦

 ――北海道・道外間 の物流面の課題は。

 近い将来予期される有珠山の噴火などの災害対応、労働力不足を背景とした道内外のトラック輸送力の低下、海上輸送に関する人材不足や環境対応の問題、青函共用走行と並行在来線の存廃などが挙げられます。

 ――まずトラック輸送力の低下は。

 北海道でも年を追うごとにドライバー不足が顕著になっています。例えば道内の35~39歳の大型運転免許の保有者は、2016~21年にかけて減る一方になっており、今後もその傾向は続いていくことが予想されます。

 周知のとおり24年になると自動車運転者についても罰則付きの時間外労働時間年間960時間が適用されるほか、現在見直しが進んでいる改善基準告示により、拘束時間の短縮と休息期間の延長が行われる見通しです。鉄道利用運送(通運)事業者の緊締車両の運行も、今までは5回転できていたものが、4回転にせざるを得ないという試算も出ています。当然の話ですが、人材不足と1人当たりのドライバーの対応力低下が重なると、輸送力は大きく低下します。1運行当たりの輸送距離が長く、季節波動による労働時間集中型の道物流では、昨今の気象災害の激甚化などとも併せ、他の地域より万全な対応が求められます。

記事全文は電子版から。

決算説明会でKKRとのパートナーシップで海外事業の強化・拡大方針示す 日立物流

 日立物流(髙木宏明社長)は4月28日にオンライン形式で開催した2022年3月期決算説明会で、米国の投資顧問会社「Kohlberg Kravis Roberts(KKR)」とのパートナーシップを通じて、22~24年度を期間とする新たな中期経営計画で重点施策として掲げたグローバルサプライチェーン戦略パートナーへ向けた取り組みを加速すると表明した。

記事全文は電子版から。

今週掲載トピック一覧

  • インタビュー―北海商科大学大学院商学研究科教授・相浦宣徳氏
    ☆経済と物流の表裏分析(37)『足元の日本経済はインフレなのか(その2)』

  • ☆物流関係の春の叙勲・褒章
    ☆福山通運とセイノーHDが業務提携、SDGs実現に向け”共創”領域拡大へ
    ☆SGHDが決算説明会、エクスポランカの貢献でロジ事業大幅伸長
    ☆国交省、トラックの中継輸送を促進するための実現のポイントをまとめたリーフレット公表
    ☆陸災防・安全対策検討委、トラック荷台の昇降設備と保護帽着用の法的義務を5トン以上から2トン以上に拡大へ
    ☆三井倉庫エクスプレス、関空でIATAの医薬品航空輸送品質認証取得
    ☆NX総研短観、トラックの運賃動向指数が4~6月見通しが1~3月実績比で2桁の大幅な上昇に
    ☆ユーピーエス・ジャパンが利用者の第一選択肢目指し新木場の拠点刷新
    ☆日貨協連が6日に「WebKIT2+」の供用開始
    ☆秡川国交省自動車局長が会見、標準的な運賃の届け出は1年前より大幅増加
    ☆国交省が非接触・非対面型輸配送モデル創出に関する調査・実証の結果を手引きにまとめる
    ☆三井倉庫HDが「CO2排出量算定」で第三者評価機関から妥当性評価取得
    ☆ヤマト運輸が江東区の商業施設で初のインフォメーションカウンター業務開始
    ☆佐川急便が横浜緑営業所を移転・業務を開始、まちに調和したセンターに
    ☆各社の22年3月期連結決算

今週のユソー編集室

  • ▼長い人だと10連休となるゴールデンウィーク(GW)が終わった。3年ぶりの行動制限がない大型連休は、観光客や帰省客が増加したようで、高速道路も各所で渋滞が発生した。
    ▼GW期間中の高速道における10キロメートル以上の渋滞は、コロナ禍前の2019年には557回発生していたが、20年には0回となり、21年には92回までしか回復していない。今年は何回発生したのか、気になるところだ。
    ▼ウィズコロナの時代に入り、人々の行動様式がコロナ禍前に戻りつつあることは、素直に歓迎したい。一方で、鉄道の減便等の影響から高速道路の渋滞がひどくなった地域もあるようで、今後の交通動向も気にかかる。

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