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2024年2月19日付 2968号

物流効率化法と貨物自動車運送事業法改正案を閣議決定 規制的措置盛り込む 政府

 13日に閣議決定された流通業務総合効率化法(物効法)と貨物自動車運送事業法の改正案では、荷主・物流事業者に対して物流効率化のために国が判断基準を策定した取り組むべき措置を努力義務として課すことや、元請けトラック事業者に対する「実運送体制管理簿」作成義務付けのほか、事故が増加している軽トラック事業者に対して必要な法令等の知識を担保するため管理者の選任や講習の受講を求めることとしている。なお、物効法は正式名称を、「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律」から「物資の流通の効率化に関する法律」に変更する。

 物効法の改正案では、荷主・物流事業者に対して①物流効率化のために取り組むべき措置について努力義務を課し、その措置について国が判断基準を策定する②取り組み状況について、国が判断基準に基づき指導・助言、調査・公表を実施する③荷主・物流事業者のうち、一定規模以上のものを特定事業者として指定し、中長期計画の作成や定期報告などを義務付け、中長期計画に基づく取り組みの実施状況が不十分の場合、勧告・命令を実施する④特定事業者のうち荷主に対して物流統括管理者の選任を義務付ける―ことなどを盛り込んでいる。
 
記事全文は電子版から。

「NXグループ経営計画2028」を発表 売上高目標3兆円・戦略投資7千億円に設定 NXHD 

 NIPPON EXPRESSホールディングスは14日、「NXグループ経営計画2028」(関連記事左欄)と2023年12月期連結決算(決算概要は3面参照)を発表、新経営計画の最終年度目標となる28年度のグループ売上高に3兆円を掲げている。

 数値目標は最終年度売上高3兆円、セグメント利益1500億円、事業利益率5・0%、営業利益1500億円、親会社の所有者に帰属する当期利益1千億円、ROE10・0%以上、海外売上高1兆2千億円に設定。計画の実効性を高めるためにM&A等を含め5年間で7千億円の戦略投資を見込む。

 NXグループは、創立100周年となる37年にありたい姿として定めた「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」という長期ビジョンの実現に向けて、今後5年間の経営指針となる「NXグループ経営計画2028Dynamic Growth 2.0 “Accelerating Sustainable Growth ~持続的な成長の加速~」を策定。長期ビジョンの実現に向けたバックキャストと位置付けており、前経営計画に続くセカンドステージとして、これからも変革に挑戦し続けていくとしている。

 基本方針として◎グループ全体最適志向の下、グローバルな競争力の向上と事業の成長を実現する◎明確な事業ポートフォリオと役割分担のもと、事業の競争力・収益性を高め、企業価値を高める◎社会課題解決や持続可能社会の実現へ貢献するサステナビリティ経営を実践し、顧客・社会・株主・社員から選ばれる企業グループへ変革する―を掲げ、重要戦略に「事業の成長戦略」◎グローバル市場での事業成長の加速◎日本事業の再構築「サステナビリティ経営戦略」◎サステナビリティ経営の推進「事業の成長を支えるコーポレート戦略」「企業価値向上に向けた取り組み」◎経営計画の着実な実行による継続的なROE向上の実現◎事業成長と資本収益性の向上を実現する資本政策◎ROIC(資本収益性)を重視した事業ポートフォリオマネジメントの推進―に取り組む。

記事全文は電子版から。

今週掲載トピック一覧

  • ☆トピック―JR貨物がメディカル物流に本格参入、荷主の関心高く曲折経て商品化を実現
    ☆ウオッチ(153)「総合物流企業への転換を図る中国国鉄の取り組み」
    ☆運輸労連全国単組の春闘要求(2月15日現在)

  • ☆長瀬産業が「第1回化学品共同物流オフラインコミュニティ」を開催、化学品商社としての旗振り役担う
    ☆全日通労組が中央委員会を開催、賃上げ要求1万5千円など24年春闘方針を決める
    ☆西濃運輸、神奈川県座間市にEV関連など対象に危険物倉庫を開設
    ☆SBSHDの鎌田社長、2023年12月期連結決算は減収減益も「中期経営計画の数値目標の変更は行わない」と強調
    ☆運輸審議会が「標準的な運賃」の告示に関する公聴会、賛成および反対の公述人2人が意見表明
    ☆全ト協が2023年10~12月期の景況感を公表、トラック業界の景況感は15・8ポイント改善
    ☆千葉ト協と陸災防千葉県支部が「交通事故・労働災害防止大会」を開催、安全優良事業所などを表彰
    ☆日本郵便、15日に奥能登地域宛てゆうパックの引き受けを局留め扱いで再開
    ☆セイノーHDなど5者、長野県王滝村で集落孤立などを想定しドローン活用した「災害時の物資輸送」の実証実験行う
    ☆JR貨物の犬飼社長、2024年3月期第3四半期連結決算結果を受け「強み生かした営業を」と強調
    ☆WebKIT運賃成約指数、1月は127で31ヵ月連続前年同月上回る
    ☆日本通運、2028年度を最終年度とする新経営計画に社内カンパニー制の導入盛り込む
    ☆日本通運、CO2排出量可視化ツールを「SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)」型にリニューアル
    ☆物流連が「2023年度物流業界研究セミナー」を開催、38社1団体が出展し445人の学生参加
    ☆物流連、低炭素・脱炭素化推進でエネルギー会社の関係者を講師に招き情報交換会を開催
    ☆物流業界の2023年12月期通期連結決算と2024年3月期第3四半期連結決算

今週のユソー編集室

  • ▼荷主への規制的措置などを盛り込んだ貨物自動車運送事業法と物流効率化法の改正案が閣議決定された。
    ▼今後、国会での審議を経て成立すると、流通全体の効率化につながる取り組みが各段階の関係者に求められ、これまで「川下」の実運送事業者に集中していた非効率などの“しわ寄せ”が解消されることで、物流の持続可能性が高まるものと期待される。
    ▼これまで、「商慣行」という半ば根拠のない取引で実運送事業者を都合よく使っていた「川上」寄りの関係者も、効率化への対応が求められるわけだが、実運送事業者の意見に耳を傾け、自社の存続のためにも法対応にとどまらない実効ある取り組みを行ってほしい。

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