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2024年3月4日付 2970号

労働時間、賃金ともに全産業との格差拡大 2023年毎月勤労統計調査 厚労省

道路貨物運送業の給与総額と全産業との格差

 厚生労働省は2月27日、2023年(暦年)の毎月勤労統計調査をまとめたが、道路貨物運送業は前年と比較して労働時間が増加し給与総額が減少しており、全産業との比較でも労働時間と賃金の格差がどちらもやや拡大していることが分かった。

 23年の道路貨物運送業(規模5人以上の事業所)の一般労働者(パートタイムを除く)の総実労働時間は2373・6時間で前年比1・1%増。現金給与総額は448万5192円で1・0%減となり、労働時間が増加している一方で、給与は減額となっている。現金給与はコロナ禍の直撃を受けた20年に一度減少したが、21年には大きく増加、22年も引き続き増加傾向を示していたものの、23年に減少に転じた。

 全産業との格差を見ると、23年の全産業の労働時間は1962・0時間の0・7%増、現金給与総額は524万1672円の1・8%増となっており、道路貨物運送業は労働時間で21・0%長く、現金給与総額で14・4%低くなっている。

 格差の推移では、22年と比較して労働時間で0・4ポイント拡大し、現金給与総額で2・4ポイント拡大していることが明らかとなった。

義務化も見据え検討会を設置 デジタコ装着率向上のための方策など議論 国交省

 国土交通省は、トラックの運行記録計のデジタル化推進に向けた検討会を設置。2月28日に初会合を開き、現在7割程度となっているデジタル式運行記録計(デジタコ)の装着率向上に向けた方策などに関する議論を開始した。

 検討会は、昨年6月に関係閣僚会議が取りまとめた物流革新に向けた政策パッケージで、「トラック事業者の運行管理の高度化により輸送の安全確保を図るため、デジタコについて将来的な義務付けも視野に入れつつ強力な普及促進を図る」との内容が盛り込まれたことを受けて設置されたもので、永井正夫東京農工大名誉教授を座長に、学識経験者、日本自動車工業会、日本自動車部品工業会、全日本トラック協会の担当者らで構成されている。

 初会合では、昨年全国のトラック事業者を対象に行ったウェブアンケートの結果を報告。デジタコ装着率に関して回答のあった5万2097台のうち、最大積載量2トン未満では52・2%、2トン以上4トン未満では61・4%にとどまっているが、運行記録計の装着が義務付けられている4トン以上では71・7%と7割を超えており、12年前のデータに比べ、約20ポイント向上している。
 
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今週掲載トピック一覧

  • ☆引越特集(2)各社の戦略
     ・日本通運海外引越統括部
     ・SGムービング
     ・三八五流通
     ・SBSロジコム
     ・セイノースーパーエクスプレス(SSX)
     ・九重運輸

  • ☆セイノーHD、保有資産を通じ顧客の課題を解決する新プログラムを始動
    ☆千葉ト協など8者が「2024年問題対策協議会」の初会合を開催、成田空港の荷待ち問題など改善へ
    ☆帝国データバンクの2023年首都圏・本社移転動向調査、首都圏一極集中の動きへの「揺り戻し」が進行
    ☆運輸審議会、トラックの標準的な運賃の見直し内容は「適当である」と斉藤国土交通大臣に答申
    ☆政府が道交法の改正施行令を閣議決定、トラックの高速道路での最高速度80から90キロメートルに引き上げ
    ☆日本郵政・日本郵便とJR東日本、「社会課題の解決に向けた連携強化」に関する協定を締結
    ☆日本郵便、珠洲市と能登町宛ての各家庭・事業所への郵便物および荷物の配達を再開
    ☆運輸労連調査、電動キックボードの走行マナーについて「28%が危険感じる」と回答
    ☆ヤマト運輸、徳島県と「地方創生の推進に係る連携協定」を締結
    ☆ヤマト運輸、貨物自動車運送事業法に基づく勧告について国交省に改善計画を提出
    ☆NTTロジスコ、最適納品量を算出し2024年問題への対策強化を支援する「スマートリプパッケージ」の提供開始
    ☆日本通運の2023年度鉄道コンテナ・内航海上輸送サービス取り扱い実績、鉄道と内航いずれも前年度実績下回る

今週のユソー編集室

  • ▼2月27日にトラックの高速道路での最高速度を引き上げる道路交通法の改正施行令が閣議決定された。
    ▼29日には、標準的な運賃の見直しに関して、運輸審議会から国土交通大臣に対して「適当である」との答申が行われている。見直し後の標準的な運賃では、高速道路などの利用が認められない場合には、割増運賃を適用することができるとの考え方が新たに示された。高速道路が利用しやすいようルールが改められることは生産性向上につながる。
    ▼一方で、到着時間への要求がシビアになる懸念もある。最高速度引き上げで得られた時間的余裕の一部を安全確保に振り向けられるような考え方を荷主と共有する必要がある。

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