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2024年4月22日付 2977号

山陽線におけるBCP強化策などを公表 官民一体の検討会で議論 JR貨物・中国運輸局

国土地理院地図(電子国土web)を加工してJR貨物作成

 JR貨物は16日、中国運輸局などと共同で立ち上げた「鉄道物流の災害による輸送障害に対するBCP策定に向けた官民一体の検討会」について、山陽線における輸送障害発生時の代行輸送の強化策などを取りまとめ公表した。JR貨物では2022年10月に策定したKPIで、自然災害などで輸送障害が発生した場合の対策強化の取り組みの一環として、官民共同のBCP対策会議の新設を掲げていたが、今回はその第1弾となる。

 検討会は同社と中国運輸局のほか、国土交通省鉄道局、中国地方整備局、山口県、周南市、JR西日本、日本通運、佐川急便、全国通運、日本フレートライナー、アサヒグループジャパン、全国通運連盟、全国通運業連合会、全国地区通運協会など、幅広い関係者で構成。今年1月から3月まで計3回の会合を開き、輸送障害発生時のトラック・内航海運による代行輸送の強化や輸送障害の抑制・影響の低減、関係者間の連携促進などについて検討を進めてきた。今回の取りまとめでは「速やかな代行体制確立に向けた課題整理」として、次の各項目を確認したとしている。

 ◎迅速なトラック代行輸送開始のため、JR貨物新南陽駅(山口県周南市)周辺の通行経路のうち要望した道路について、高さ・重さ指定道路への指定に向けた調整が行われること。

 ◎12フィートコンテナ3個積みセミトレーラー連結車(最大高さ約4.0メートル、最大重量約35トン)の通行等における特殊車両通行許可交付について、国が迅速な対応を行うこと。

 ◎船舶による迅速な代行輸送開始のため、徳山下松港(晴海埠頭)における港湾荷役事業者を通じた港湾施設使用許可に関する申請について、港湾管理者が迅速な対応を行っていくこと。

 記事全文は電子版から。

半導体関連産業に対応 「NX熊本ロジスティクスセンター」を稼働 日本通運

NX熊本ロジスティクスセンターの外観

 日本通運は17日、熊本県益城町に半導体関連産業に対応した「NX熊本ロジスティクスセンター」を稼働させた。

 鉄骨造2階建て、延べ床面積8755平方メートルの規模。

 半導体受託生産の世界最大手である台湾TSMC社の半導体製造工場(運営会社JASM)の建設決定を皮切りに、熊本県では半導体関連企業の進出が続いており、2月にTSMC熊本工場が完成し、同時に第2工場の建設が発表されるなど、さらなる企業の集積が見込まれている。新センターは、最新の物流システムと豊富な経験を持つ日本通運のノウハウを結集し、半導体関連産業などの顧客へ高品質な物流サービスを提供するとしている。倉庫内には空調設備を完備して半導体の保管に最適な温湿度を維持するほか、非常用発電機、セキュリティ設備および太陽光発電設備も設置している。

 また、2月にJASMを中心とした半導体産業関連業務への営業強化のため新設された「九州半導体事業所」では、顧客のビジネスを専門的にサポートしていく。

今週掲載トピック一覧

  • ☆運輸労連、交通労連の春闘妥結状況(4月18日現在)

  • ☆センコー、2030年までにダブル連結トラック100編成体制構築へ
    ☆三菱倉庫、デジタル化やSDGs専門人材育成の企業内大学校「MLCアカデミー」を開校
    ☆貨物自動車運送事業法と物流効率化法の改正案が衆議院を通過、参議院で審議入り
    ☆LEVO、物流専門紙誌との会見で商用車の電動化促進や低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業について説明
    ☆運輸労連が第2回全国単組労使懇談会を開催、物流業界が直面する諸課題について意見交換
    ☆運輸・交通労連の2024春闘、前年上回る妥結額も全産業平均は下回る見通し
    ☆セイノーHD、朝日大学との産業連携協定に基づきインドネシアでの短期海外研修で現地企業・団体とのコーディネート実施
    ☆国交省、6月7日期限に「2024年度モーダルシフト等推進事業」の公募開始
    ☆国交省、価格交渉巡る問題解決に向け倉庫・利用運送事業者向けの相談窓口を設置
    ☆菱倉運輸、コンテナ輸送用車両の燃料に「リニューアブルディーゼル」を活用する実証実験始める
    ☆アサヒロジスティクス、荷主関係者ら招き「2024年度グループ経営計画発表会」開く
    ☆デンソーソリューションなど3社、運行管理高度化をテーマに運送事業者向けのセミナー開催
    ☆運輸労連の成田委員長、第2回全国単組労使懇で「労務費の価格転嫁へ継続的な賃上げを」と強調
    ☆ヤマトHDの長尾社長、第2回全国単組労使懇で「垣根を越えた取り組みへ建設的な議論を」と訴える
    ☆NXHD、DX戦略加速でシンガポールのスタートアップ「SWAT MOBILITY」に出資
    ☆センコー、和歌山県内トップクラスの総合物流会社「オプラス」の全株式を取得しグループ化へ
    ☆サカイ引越センター、大阪府と岸和田市の1府1市と「森づくり活動」で調印
    ☆NX総研の2024年度貨物輸送の見通し、国内貨物輸送量は3年連続減少も一般貨物はプラス反転と予測

今週のユソー編集室

  • ▼公取委は先月、「相当数の取引先について協議を経ない取引価格の据置き等が確認された事業者」として、物流4社を含む10社の社名を公表した。
    ▼そのうちの1社の担当者が「価格転嫁に関するプッシュ型の聞き取りを行っており、寄せられた要望には全て対処している。これ以上どうしろというのか」と頭を抱えているとの話を聞いた。
    ▼事実ならば、契約解消を恐れた下請け事業者が、公取委の調査にだけ本音を明かしている図式が思い浮かぶ。その心情は痛いほど理解できるのだが、せっかくの勧告制度が骨抜きになる危険性もはらんでいる。業界の適正取引推進に向けて、越えなければならないハードルは、いまだ高い。

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