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2024年8月19日付 2991号

パレット単位の鉄道混載輸送 関西→成田での実証で協議会立ち上げ NAA・JR貨物・日本FL

 成田国際空港(NAA)は14日、JR貨物、日本フレートライナー(日本FL)と「成田空港モーダルシフト協議会」を立ち上げ、関西→成田間で鉄道共同輸送サービス「RAIL to NARITA LCLサービス」の実証実験を開始すると発表した。

 12フィート鉄道コンテナの混載輸送によりパレット単位の利用を可能とするなど、航空貨物向けの新たな試みを展開。国土交通省の補助も活用することで、利用しやすいトライアル料金を設定している。

 現在、関西地方で生産された製品を成田空港から輸出する場合、関西から成田への国内輸送のほとんどがトラック輸送で行われており、環境負荷低減やトラックドライバー不足などによる悪影響が懸念されていた。

 一方で、貨物鉄道輸送はコンテナ単位の契約となることから、重量が軽く高価値な製品が多い航空貨物での利用が難しいという課題があった。

 今回の取り組みでは、NAAがプラットフォーマーとしてLCLサービスの立案とフォワーダーへの利用の働きかけを行い、JR貨物と日本FLの両社が企画販売と輸送サービスの提供を実施することにより、協議会として新たに小ロット(パレット単位)でも利用可能な鉄道共同輸送サービスの実証実験を行うこととした。

 実証実験は国交省が実施する2024年度「モーダルシフト等推進事業費補助金」の交付が決定しており、補助金の活用で利用しやすいトライアル価格を設定することにより、多くのフォワーダーに貨物鉄道輸送を試してもらうことで、課題やニーズの洗い出しを行った上で、25年度の本格運用開始を目指していくという。

記事全文は電子版から。

インド発国際エクスプレス 南アジア地域強化に向けタイ現地法人が参入 SGHグローバル・ジャパン 

(左から)SG佐川タイの島﨑順二代表と スターライト社のスンダー・ダハル代表

 SGHグローバル・ジャパンはこのほど、同社のタイ現地法人がインド発の国際エクスプレス事業に参入したと発表した。ネパール発に続く第2弾で、物流ニーズが拡大する南アジア地域の中でも巨大市場のインドがターゲット。現地法人SG佐川タイが、航空貨物輸送事業者スターライトエクスプレスインドと代理店契約を締結し6月から始めた。

 ニューデリーにおける事業法人・個人の貨物をスターライト社のインド代理店が集荷し日本まで航空輸送後、SGHグローバル・ジャパンが通関作業を行い、佐川急便が日本国内の配送を担う。

 インド・日本間のスムーズな輸送を支える一貫輸送サービスを提供することで、インド国内における国際宅配便のニーズへの対応を強化。ニューデリーに加え、ムンバイ、バンガロール、チェンナイとインド全土にサービスエリアを拡大していく方針だ。

 SG佐川タイは2019年にネパール発の国際エクスプレス事業に参入。インドに続き今後はバングラデシュ、スリランカ、ドバイを強化地域として、スターライト社と南アジア・中東発国際エクスプレス事業の強化を目指す。

今週掲載トピック一覧

  • ☆NXHD、2024年12月期第2四半期業績は増収も大幅な減益に
    ☆ヤマト運輸、全国一律料金でA4サイズの荷物を送ることができる新商品「こねこ便420」を発売
    ☆国交省の北海道新幹線札幌延伸に関する有識者検討会が第3回会合、北海道農産品の出荷に関わる企業・団体からヒアリング
    ☆国交省、ドライバーの供給可能性について検討を行う「ドライバーシェア推進協議会」を設置
    ☆国交省、軽貨物事業者に対する規制的措置案に対するパブリックコメントの募集開始
    ☆運輸労連が記者懇談会、成田委員長「引き続きトラックドライバーの労働条件改善に向けた発信を続ける」と強調
    ☆NXHDなど7社、成田空港で「Scope3環境価値」の取引実証実験を実施へ
    ☆NX商事、創立60周年の記念行事として日本盲導犬協会に車両を寄贈
    ☆日本包装技術協会、10月23~25日に東京ビッグサイトで「TOKYO PACK 2024」を開催
    ☆SBSHDの鎌田社長、2024年12月期第2四半期連結決算は減収減益も「中計の数値目標達成は可能」との認識示す
    ☆WebKIT成約運賃指数、7月初の130超えで37ヵ月連続前年同月を上回る
    ☆東ト協運輸安全委員会、毎年実施の運転者向け指導・監督について中小事業者が効率かつ効果的に実施するための小員会を設置
    ☆政府が「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更を閣議決定、フリーランスの安全衛生対策などを強化
    ☆セイノーHD、三菱電機ロジスティクスのグループ化は順調に準備進む
    ☆関東ト協海コン部会調査、海上コンテナセミトレーラー運転者の平均年齢は52・6歳で全産業平均を約10歳上回る
    ☆MFTBC、ヤマト運輸などと共同でバッテリー交換式EVトラックの公道実証を開始
    ☆センコー、大阪地区のさらなる強化に向け大阪府高槻市に「高槻PDセンター」を開設
    ☆SBSリコーロジスティクス、横浜市金沢区に無人搬送機などを導入した「物流センター横浜福浦」を開設
    ☆物流業界の2024年12月期第2四半期および2025年3月期第1四半期連結決算

今週のユソー編集室

  • ▼政府は2日、第5次循環型社会形成推進基本計画を閣議決定し、資源循環型経済の実現を国家戦略とする方針を固めた(関連記事前号5面参照)。
    ▼第5次計画ではこれまで重要視されてきた気候変動対策など環境面に加え、産業競争力強化・経済安全保障・地方創生・質の高い暮らしの実現など経済・社会面にも注目。生産から廃棄に至る一方通行型の経済について、全面的に見直す方針を打ち出している。
    ▼資源循環型経済の実現が国家戦略とされたことについては、社会的に異論はないと考えられる。ただし、それを本気で目指すなら、静脈物流の大幅な強化と、不正を見逃さない厳格な取り締まりが不可欠だろう。

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