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物流トレンドワード

物流・輸送の最新用語から
トレンドを探る、物流トレンドワード

物流は最新の技術や手法を取り込み、常に進化しています。物流業界においてトレンドとなっている用語を見ることで、今何が課題となっていて、今後どのような方向へ進もうとしているのかを紐解きます。また、基本的な物流用語も掲載していますので、物流の基礎も合わせてご紹介いたします。

物流トレンドワード一覧

  • 貨客混載

     わが国の労働力人口の減少は深刻な問題となっており、その影響は物流業界にも及んでいる。日本経済の血液ともいわれる物流を止めないために、物流の省力化・効率化・環境負荷低減を推し進めることが求められている。

     そこで、従来「人」つまり「旅客」を専用に運んできたタクシーや路線バスのほか、鉄道、飛行機、フェリーなどの空いたスペースに、行先が同じ荷物も同乗させることで、同区間の省人化が可能となる。

     このような取り組みは一部地域で始まっており、2者以上が連携した幅広い物流効率化の取り組みには、国交省が推進する改正物流総合効率化法の認定を受けることができる。

  • インダストリー4.0

     「インダストリー4.0」は2011年にドイツ政府が発表した「高度技術戦略の2020年に向けた実行計画」という戦略的施策の一つを指す。革新的な研究を重ね、技術的なイノベーションを生み出すことで競争力を堅持することを目的としたプロジェクトである。

     このプロジェクトの物流版として、「ロジスティクス4.0」がある。近年はIoTやAIを利用したトラックの自動運転やドローン輸送、倉庫内のロボットストレージシステムなど、日本にも徐々にこの取り組みが浸透し始めている。

     しかしながら、これらの技術にはネットワークの利用が欠かせないことから、セキュリティに関して懸念され、今後サイバー攻撃などの攻撃をどう克服するかが課題となる。

  • インバウンド物流/アウトバウンド物流

     工場などの作業現場で原料や材料が加工され、出荷する直前までをインバウンド物流、最終製品が生産され、顧客に販売されるまでの物流をアウトバウンド物流という。禁煙は、製品を供給するに当たって、原料調達から顧客に届くまでの供給の連鎖を見直し、調達、製造、工程、販売、配達などのような各業務の最適化を図る動きが顕著になっている。また、こういった供給の連鎖をサプライチェーンと呼ぶこともある。

     少子高齢化の影響で労働人口の減少が深刻化する現代の日本では、生産効率を向上させるために、物流現場の各工程でAIを搭載したのロボットなどに取って代わられつつある。

  • シェアリング・エコノミー型サービス

     シェアリング・エコノミー型サービスは、個人等が所有する「モノ」「空間」「スキル」「移動」「お金」など5種型の資産について、「提供したい人」と「提供を受けたい人」それぞれをネット上でマッチングさせることで、CtoCによるビジネスの活性化とともに、国民の利便性向上が期待されている。
     近年はUberの台頭で容易に個人と個人を結べるようになりつつある。しかし、事故時に賠償責任能力がない、個人データ流出、配送ルートはドライバーに委ねられているため、遠回りをした分を請求されるなどの課題もある。
     人流に対して物流においては、貨物運送を斡旋するサービスとして「Uber Freight」があり、荷物の種類や目的地、距離、料金などの条件が合えば、迅速に完了するシステムが構築されている。

  • 再配達防止

     EC事業は手軽に商品を購入でき、わざわざ店舗まで出向くことなく、家まで届けてもらえる点に加え、スマートフォンの普及でその場で簡単に購入・決済が行なえる環境が整い、急速に普及してきた。しかし、近年は一人暮らしや共働きの家庭が多く、日中は不在にしていて、受け取れないことがしばしば発生している。
     こうした状況はドライバーの労働時間に大きく影響するほか、自動車が排出するCO2による環境への影響なども社会問題となっている。こうした問題に対処するために、宅配ボックスやコンビニといった場所で取り置くことで、仕事で不在にしていても、帰宅途中に受け取りが可能となるような環境が整備されつつある。
     国交省が2017年秋に実施した再配達率の調査結果によると15.5%となっており、20年までに13%まで引き下げる目標を掲げている。

  • ジャスト・イン・タイム物流

     「必要なものを必要な時に必要なだけ作る」生産方式を指し、仕掛り在庫を最小限まで抑制するためのもの。製品多様化に伴って市場変動が激しくなってきたことを受け、売り損じが増加してきたことが背景にある。
     物流においては、配達の指定時間に遅れるとペナルティを課せられる。トラック輸送は交通事情に依存するため、ドライバーは早めに出動するものの、早すぎても受け取り手に遠慮されるため、どこかで時間調整が必要になる。そのため、ドライバーの立場からするとムダな拘束時間が発生している現状もある。また、熊本地震発災時は一部の部品を供給することができず、工場の操業停止に追い込まれるなど異常時対応が難しいといった側面も指摘されている。

  • 災害ロジスティクス

     災害ロジスティクスとは、震災時などの緊急時の支援物資輸送のことを指す。2011年の東日本大震災では、物流のオペレーションが混乱し、緊急支援物資が被災地近くの集積地にあるにもかかわらず、被災者の手元に届かないといった事態が発生したため、重要性が認識された。
     国土交通省は「首都直下地震等の想定地域における民間の施設・ノウハウを活用した災害に強い物流システムの構築」の中で、災害ロジスティクスでは主に物流事業者が、専門知識を発揮することを期待しており、トラック協会および倉庫協会が、国や関係自治体との連携を強化することが重要と記している。
     物流企業など多くの企業でも、災害時の重要事業の中断を防ぐとともに、中断時の重要な機能の復旧対策を整え、早急に復旧させる事業継続計画(BCP)の構築と訓練が重要視されている。

  • ワンストップ営業

     物流ネットワークにおいて、商品の発注、入荷、保管、在庫管理、製造、加工、梱包、出荷といった各段階があり、各工程で多く作業が発生する。これら一連の業務をサプライチェーンという発想で一括して物流事業者が受託することで、荷主企業の物流に関する業務負担が軽減できる。このようなサプライチェーンを一括して引き受けるサービスをワンストップ営業という。
     近年は規模の大きな荷主企業に対して、顧客管理が決済管理といった物流の周辺業務まで含めた一括受託が行われるケースもある。対象顧客ごとに窓口を一本化し、そのニーズに応じて自社グループの必要とされる機能を提供するワンストップ営業をアカウントマネジメントと称している。

  • Gマーク

     貨物自動車運送事業安全性評価事業(Gマーク)は全日本トラック協会がトラック運送事業者の交通安全対策などの取り組みを評価し、利用者が容易に安全性の高い事業者を選定できるようにするため、2003年7月から開始した制度。17年12月末現在、全国の全事業所の28.9%にあたる2万4482事業所が認定され、全事業用トラックの46.0%のトラックがGマークを付けて走行している。
     「安全に対する法令順守」など3テーマの中に、計38評価項目が設けられており、100点満点中80点以上の評価など全ての認定要件を満たした事業者のみ「安全性優良事業所」として認定される。認定の有効期間は新規が2年間、初回が3年間、2回目と3回目が4年間となる。
     Gマークは国土交通省が推進する制度の一つでもあり、表彰なども行われている。

  • マテハン

     マテハンはマテリアルハンドリングの略称で、物流拠点内や生産拠点内の機械による運搬や荷役作業を意味する。専用の機械で品物の積み上げ・積み下ろし・運搬などを行い、品物の移動に係るボトルネックの改善やムダを減少することで生産効率を上昇させる。
     労働力人口の減少が問題視されているわが国では、近年こうしたマテハン機器による省人化が欠かせないものとして大きな注目を浴びている。自動倉庫による入出庫の自動化や仕分機、ピッキングシステムはそのうちの一部である。
     近年はAI(人工知能)のディープラーニングを活用し、物の荷姿、寸法、汚れ、取り扱い方法などを大量の蓄積情報から瞬時に判断することで、生産性や品質の向上などにつなげている。

  • smart move

     環境省は「移動」に伴うCO2排出削減を目指し、CO2排出の少ない移動にチャレンジし、エコで、便利・快適に、しかも健康にもつながるライフスタイルの総称を「smart move」としており、国民に環境問題への関心を促している。
     東京都はすでにCO2削減を推進する取り組みに積極的な運送事業者を評価する「貨物輸送評価制度」を設け、2013年から本格的に実施している。荷物を送る際の運送事業者の選択基準として、CO2排出量削減努力をしているかどうかなどが評価項目となっている。
     また「smart move」では、トラックから貨物鉄道へ輸送機関を変更するモーダルシフトを呼び掛けているが、これにより、CO2排出量は約10分1に抑制できる。さらに、トラックの交通量が減ることで、交通事故、渋滞の低減などの副次効果も期待されている。

  • RORO船

     トラック自体が乗り(Roll on)、降り(Roll off)することができるような貨物船をそれぞれ英語の頭文字を取ってRORO船(ローローせん)と呼んでいる。クレーンなどを使わずに荷物を積み込むことができるため、コンテナ船と比較して短時間の荷役作業で、航空機より大量の貨物を、コンテナ船よりも速く運べるほか、単位貨物輸送能力当たりの船舶規模が数倍大きく、多少の荒天でも定時運航ができる。
     トラック輸送に頼るわが国の物流においては、ドライバー不足問題やCO2排出量削減などがますます注目されている。しかし、ドア・ツー・ドアで海陸一貫複合輸送ができるRORO船は、これらの観点からも理にかなった輸送方式となっている。

  • クロスボーダー物流

     グローバル化された現代において、物流も国内だけではなく、国境を超える「クロスボーダー」で輸送される商品が増えてきている。eコマースが台頭してきたことで、顧客は国内にいながら手軽に海外の商品を手に入れることができるようになった。
     クロスボーダー物流は特に経済発展が著しい東南アジア地域で注目されており、ASEAN地域の経済発展に拍車をかけ、わが国の企業もコールドチェーンやハラール物流などの強みを売りにして進出している反面、商品が国境を超える際の通関手続が煩雑であったり、インフラ整備が行き届いていないために車が越境できない、現地事業者の品質に対する意識の違いなどがあり、こうした課題をいかに解決していくかが重要になっている。

  • WMS

     WMSとは「Warehouse(倉庫)Manegement System」の略で、「倉庫管理システム」とも呼ばれる。3PLやeコマースの拡大によって従来の保管を目的とした倉庫に代わり、流動性を持つ大型物流施設の建設が相次いでいる。製造業などでは、在庫の量を極力抑える「必要な物を、必要な時に、必要な量だけ」といったジャストインタイム生産システムが主流になっている。
     大型物流施設では日々膨大な量の荷物を扱うため、そのような現場では労務管理、作業工程管理、入出庫管理、ピッキングや梱包といった作業を効率的に行うために、それぞれの物流施設が保管する貨物の特性に適合するシステムの導入が必要とされる。
     WMSは大型物流施設の煩雑な工程を可視化でき、誤出荷等の防止による生産性向上や、バーコード管理等による作業時間の短縮など運用効率化を支援する。

  • モーダルシフト

     少子高齢化が進み労働者人口が減少しつつあるわが国において、トラックに頼る輸送手段は限界がきている。地球環境の観点からも自動車によるCO2排出量は地球の温暖化につながる深刻な問題となっており、2016年11月にはパリ協定が発効するなど、世界的な課題となっている。
     国土交通省によると、貨物鉄道のCO2排出量は営業用トラックの約10分1、船舶は約6分の1と算出しており、こうした効率的な物流の追求や、地球環境問題への対応に向けて、物流業界では大量輸送機関である船舶や鉄道などの利用が推奨されている。国土交通省、環境省、経済産業省など行政がさまざまな支援を行っているほか、鉄道貨物協会がCO2排出量の少ない鉄道貨物輸送を利用している商品、または企業を対象に「エコレールマーク」の使用を認定するなど、業界団体などによる支援制度も多数存在している。

  • WebKIT

     中小トラック運送事業者では自社能力を超える輸送の依頼を受けたり、仕事の依頼はなくトラックが余っている状況が頻繁にあり、その非効率を解消するためWebKITが開発された。全日本トラック協会と日本貨物運送協同組合連合会(日貨協連)が運営し①運びたい荷物はあるが、自社の能力では運びきれない状況②トラックはあるが、荷物がない状況―の2者をつなぐ。会員はウェブ上で登録者の情報を閲覧し、条件がマッチすれば成約に至る。帰り荷が確保でき、輸送の生産性が向上するほか、無駄なトラックの運行がなくなることで環境負荷軽減にもつながる。
     2016年3月の成約運賃指数は過去2番目に高い数字を記録し、求車登録件数、成約件数もともに増加傾向にあるなど、近年のドライバー不足を反映した結果が見られる。

  • 働き方改革

     少子高齢化が進むわが国において、労働力人口が減少し国力が落ちることが深刻な問題となっている。労働者の大半が日本人男性だった環境も団塊の世代が引退しつつある中で、女性、高齢者、外国人といった多様な労働者は生産性を維持するためにも欠かせない存在となってきている。
     安倍内閣は2017年3月、「一億総活躍社会」の実現に向けて、あらゆる人々に合わせた労働環境を実現するため同一労働同一賃金や長時間労働の是正などを盛り込んだ、「働き方改革実行計画」を策定した。計画では罰則付き時間外労働時間の具体的上限設定など関係法案の整備を行っていくこととしている。
     反面、トラック運送業界では、適用猶予期間が設けられたことに加え、一般則よりも長い時間外労働時間が設定されており、労働環境が改善されない懸念も大きい。

  • ドローンハイウェイ構想

     ドローンは無人で遠隔・自動操縦によって飛行できる航空機の総称で、現在市販のものは、初心者でも比較的簡単に扱うことができるようになってきたことから、玩具としてだけでなく、物流や福祉などへの応用が期待されている。

     東京電力とゼンリンは両社が保有する設備・地図情報などのインフラデータを組み合わせ、ドローンの安全飛行をインフラ面から支援するものとして「ドローンハイウェイ構想」を打ち出した。計画は①3次元インフラ情報の整備開始(2017年)②誘導プラットフォームの研究・開発(2018年)③ドローンポート開発(2019年)-の3段階で構成されており、東京電力の高圧電線ネットワークを「ドローンのハイウェイ」と見立て、ゼンリンが3次元地図データと組み合わせることで、安全な「空の道」を用意する構想

  • ETC 2.0

     ETC2.0では、高速道路料金の支払いのみに使われていた従来のETCを進化させ、ドライバーにさまざまな情報を提供する機能を備えている。
     ドライバーはITSスポットから広域の道路情報を得ることができ、最大1000キロメートル(出典:ETC総合ポータルサイト https://www.go-etc.jp/etc2/etc2/) 先までの渋滞情報をナビ画面で確認することができるだけでなく、音声と画面による情報伝達機能により見通しの悪いカーブ、渋滞発生個所、合流箇所等を事前に把握できるようになる。災害時にはドライバーに運転支援も行い、大規模のトラブルを軽減する効果が期待されている。
     こうして得られた情報は物流業界へも活用され、正確な到着時間の予測が可能となり、大型車誘導区間の利用を促すことで荷待ち時間を短縮できる。省エネ運転でトラックドライバーの安全確保にも有効となっている。

  • ハラール物流

     ハラルとはアラビア語で「許されたもの、合法である」という意味で、イスラム教が使用を許されたものであることを意味する。主に食材や料理を指して使われるが、近年では日本の物流業界においてもハラル認証が注目され始め、全面的な取り組みではないが一部エリアをハラル専用として認証を受けている企業もある。
     ハラル認証はISOのように統一された規格や基準ではないが、マレーシアはこのハラル認証を国家規格として制定している。このため、ほかのイスラム諸国からの信頼が厚いうえ、非イスラム国の企業がハラル物流を構築する際の枠組みとなる。
     物流事業における認証取得のためには「トラックが油や酒で汚れていないこと」や、ハラル向けとするために「ルールにならってトラックを7回洗浄する必要がある」などの要件をクリアしなければならない。

  • 宅配ロッカー

     近年インターネット通販の利用拡大などで、国内で流通している荷物の約20%が再配達されており、宅配事業者の大きな負担となっている。こうした手間を削減するために、鉄道駅やマンション等に宅配ロッカーが設置されるようになってきている。
     宅配事業社は受取人が不在の場合、利用者に不在通知をメール連絡する。利用者は受取場所のロッカーを指定すると、宅配事業者はそのロッカーに納品し、ロッカー解除用パスワードを利用者に送信する。利用者はロッカータッチパネルにパスワードを入力して受け取りが完了となる仕組み。
     コンビニエンスストアにも普及が進んでおり、屋内外の空きスペースに設置するだけでよいので店員の負荷軽減にもつながる。また、再配達にかかるコストも削減できるため、エコ対策の観点からも有効である。