トラック将来ビジョン検討会で参入時規制など作業部会設置し検討へ 国交省
国土交通省は12月25日、「トラック産業の将来ビジョンに関する検討会」の第5回会合を開き、参入規制強化や多層構造の弊害解消などに向けた施策の検討を行う作業部会の設置を決めた。10月に取りまとめられた最低車両台数・適正運賃収受ワーキンググループ(WG)で「参入に関する事項や必要な対策を推進する作業部会を設置すること」との提言がなされたことを受けたもので、①参入時規制の強化②多層構造の弊害解消に向けた施策③水平構造の改善④適正化事業の充実⑤事後チェックの充実-についてどのように実施するかを検討していく。
作業部会は、学識経験者・有識者5人、経済団体2人、労働組合2人、トラック業界2人の委員で構成され、必要に応じて委員を追加する。検討スケジュールは、今月から来月にかけて第1回会合、年度内に第2回会合を開く。「半年から1年の期間でスピード感を持って取り組みたい」(加賀至貨物課長)としており、実施可能なものから省令改正などに着手する方針。
また、事業許可の更新制については、「基本的には別」(同)としており、作業部会では議論の俎上(そじょう)には載せない考えだが、引き続き検討は行う。
参入規制の強化については、5台割れ事業者を含む全営業所への運行管理者選任や新規事業者に対する法令試験見直しなどを実施するためパブリックコメントを募集しており、今後は営業所・車庫間の距離基準見直しなどについて検討する。
多層構造の弊害解消については、トラック事業者へのヒアリングから得られた積込遅延時の着時間厳守や不当に安い運賃での運送依頼などの課題解決に向けた方策を検討するとともに、トラック事業者間の傭車や輸送エリアの分担・連携など効率的な事業運営につなげるための対策を探る。また、トラック運送事業で導入の遅れている書面契約についても今年度内に義務化や具体的な運用方法を決定する。
水平構造の改善についは、トラック業界から要望の多い共同点呼業務について、対象事業所や責任範囲などについて検討していく。