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2013年2月18日付 2462号

都内10ヵ所で事業展開へ、24年度初の配当も  コラボデリバリー

 特積み事業者を主体に組織する全国物流ネットワーク協会(全流協、瀬戸薫会長)の会員事業者68社等が共同出資するコラボデリバリー(有富慶二社長)は、東京都内の御茶ノ水の2施設に引き続き、東京駅前・丸の内ビルなど新たに超高層ビル3ヵ所の施設管理とそれに基づく館内共同集配送業務を受託、4月1日にそれぞれ事業所を開設する。

 これにより、都内10ヵ所で事業を展開することとなり、特定の企業色を出さない事業運営を基本に共同出資会社の強みを生かし、環境負荷低減やセキュリティ強化の実現を図る同社の地域共同集配、超高層ビルの館内共同集配事業が急速に拡大・普及することとなる。これに伴い24年度(24年1月1日~12月31日)の業績も順調に推移、7期目にして初の配当も実施することとなった。

 これまでの新宿住友ビル、新宿パークタワー、さいたま新都心、吉祥寺商店街、恵比寿ガーデンプレイスそして御茶ノ水駅前のテラスタワー、御茶ノ水ソラシティに続き、4月1日に事業所を開設するのは、京橋の東京スクエアガーデン、東京駅前の丸の内ビルと新丸の内ビルの3施設。このほか、渋谷道玄坂、池袋、六本木地区など街づくり協議会への参画要請や事業の打診等が寄せられているという。

 同社は14日の取締役会で24年度決算案などを承認、3月21日開催の株主総会で決定する。
 それによると売上高は2億9469万3993円で前期比29.7%の増収、経常利益が437万2645円で267.9%の増益、当期純益が281万9141円で2.0%減の減益となった。25年度の売上高は約5億円を見込んでいる。同社業績は第5期・22年度から黒字に転換したが、1億6262万根の売上高に対し純利益が595万円、翌23年度は2億2713万円の売上高に対し287万円の純利益が出た。この2年の利益は投資に回すため、いずれも配当を実現するまでには至らなかった。しかし、24年度は11月の恵比寿ガーデンプレイスに加え、3月の御茶ノ水の2施設、4月の3施設の新規業務の収入が見込めることなどから、100万円を配当原資とし、残り約180万円を投資に向けた内部留保とすることとしたもの。配当は1株あたり5%・2500円とした。 

SGムービングに社名変更し、業界初のカーボンオフセット引越輸送を開始  佐川引越センター

 佐川引越センター(柴田和章社長)は21日付で、社名を「SGムービング(株)」に変更するとともに、同日から業界初のサービスとして、東日本大震災の被災地復興を支援する「カーボン・オフセット引越輸送」の提供を開始する。

 SGホールディングスグループは、今年3月21日から次期中期経営計画「サードステージプラン」をスタートさせるが、SGムービングではより一層のグループシナジー強化を追求するとともに、現在展開している大型家具・家電の設置輸送業務、美術品輸送、ルート配送事業など引越以外の事業領域のさらなる拡充を図っていく予定。そのため引越専業者というイメージの強い現社名を刷新することで、新体制を表現したとしている。

 業界初となる「カーボン・オフセット引越輸送」は、引越での集荷・配達時の輸送車両から排出される二酸化炭素(CO2)を、同社が東日本大震災の被災地で創出されたオフセット・クレジット(J-VER)等を用いて、オフセット(相殺)するもの。SGムービングは、釜石地方森林組合などが創出した温室効果ガス排出削減・吸収量(VER)を購入し、被災地支援活動の一環とする。

 オフセットにかかる追加費用や証明書の発行手続きにかかる費用はすべて同社が負担するため、利用者には負担がかからない形で、環境負荷低減と震災復興支援に寄与することができる。サービスの利用証明書は、サービス終了後に同社が発行し、利用者に渡す。同社が購入した排出削減・吸収量は、同社の引越に関する排出量全体の1年未満に相当するとしており、今後利用者の要望なども踏まえて追加購入を検討していく考え。 

今週掲載トピック一覧

  • ☆連載特集、引越①

  • ☆関東ト協・千葉ト協、アクアライン料金引き下げ恒久化などを要望

    ☆2013春闘スタート、運輸労連大手組合が要求書提出

    ☆ヤマトマネジメントサービス、佐賀市にBPOセンター開設し事務作業を集約化

今週のユソー編集室

  • ▼海外に赴任するビジネスマンにとって、日本の味、特に新鮮な魚や寿司などは、なかなか魅力的なものだという。東南アジアの大都市圏では、日本直送をうたう鮮魚や寿司などが手に入るが、あるビジネスマンによると、やはり日本で食べられるものと比べ、味が落ちるという。その人も日本に一時帰国した際には、鮮魚を買い込んでいたものだ。
    ▼日本郵便と日本航空は、この4月から国際保冷小口貨物配達サービスの試行を開始する。ヤマト運輸と全日空も同様のサービスの商品化を公言しており、極めて付加価値性が高いこの市場が、にわかに注目を集めている。
    ▼ただ、日本郵便と日本航空のサービスは、利用料金や輸送で使用する保冷容器の数量、差し出し方法などをみても、「試行」の域を出ていないように思う。
    ▼ともあれこのサービスが、真に利用者ニーズを満たしてくれるものなのか、くだんのビジネスマンに、そっと聞いてみたいところだ。

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