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2014年8月4日付 2529号

資本業務提携でランテックを連結子会社に  センコー

 センコー(福田泰久社長)は7月31日開催の取締役会で、定温輸送を主力とするランテック(本社=福岡市、龍内貞男社長)と資本業務提携を行い、同社を連結子会社とすることを決議した。

 ランテックの取締役の過半数を同社から派遣すると同時に、ランテックが発行する株式の29.8%の譲受およびランテックが発行する株式の17.9%を保有する㈱光輝の譲受により、ランテックの議決権総数の47.7%を取得し連結子会社化する。取得価格はアドバイザリー費用等を含め41億6千万円を見込み、株式譲受実行日は10月2日を予定。連結業績の影響^nは現在精査中としている。

 ランテックは冷蔵倉庫業をはじめ物流全般の事業を行っており、保冷車(JR冷凍コンテナ含む)を主体とするトラック台数は1千台強を保有し、九州から東北地区まで冷凍冷蔵保管拠点を設置し、協力会社との連携で定温物流の全国ネットワークを構築している。2014年3月期売上高は400億5千万円。センコーでは、量販・小売分野をはじめとする物流ノウハウと、ランテックの持つ定温物流のノウハウを一体化させることで、互いの顧客ニーズを補完し、新規顧客開発が行えると判断したとコメントしている。

 業務提携の内容は、①ランテックの定温輸送のブランド力を最大限に発揮するため、ランテックの社名、商品名(フレッシュ便)、取引先との関係等を尊重しながら業務提携を推進する②ランテックの持つ冷凍・冷蔵機能を活用することで、3温度帯物流の基盤を確立し、量販・小売業界や食品業界等における顧客の深耕・拡大を図ることで、さらなる市場開拓を進める③ランテックは、センコーが全国に配置する物流センターや営業基盤を活用することで、冷凍・冷蔵事業におけるさらなる営業開拓を進める。また、センコーの国際物流戦略と連携し、海外での冷凍・冷蔵事業の拡大を図る。

重量品輸送用のトランスポーターを4台増強  日本通運

 日本通運は7月30日、風力発電設備などの重量物を輸送するトランスポーターを4台導入したと発表した。すでに保有しているトランスポーターは82台、総輸送能力が約1万トンあり、960トンが増強される。

 近年、再生可能エネルギーが注目を浴び、風力発電などの工事が増加しており、変圧器や石油・化学プラントなどの建設では、現場作業の効率化や作業員の省力化のため設備機器を生産拠点で組み立てた状態(モジュール化)で輸送し、そのまま現地で据え付けを行うケースも増えている。

 発電や石油・化学等の各種プラント建設などで輸送される重量物輸送の需要に対応するため、このほど4台のトランスポーターを導入した。投資額は約3億円。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集・全日本トラック総合会館竣工
    ☆特集・グローバル版業界地図2014『YLKグループ』
    ☆物流にとってアベノミクス『吉』か『凶』か(23)

  • ☆本田国交省事務次官が会見、燃料サーチャージはあらゆる事業者が足並みそろえて
    ☆田端国交省自動車局長が会見、トラックの若年・女性運転者確保策のパンフレット作成へ
    ☆厚労省の13年度労災補償、脳・心臓疾患では道路貨物運送業が最多
    ☆物流連が労働力問題小委開く、女性活用をテーマに
    ☆運輸安全委が報告書、4月の江差線脱線事故の原因は積荷の偏積
    ☆鉄貨協が報告書、トラックドライバーは20年度に10万人不足
    ☆東ト協がドラコン、都知事賞に鴨志田選手(日本通運)
    ☆日貨協連が高速料金制度で要望、車両単位割引40%恒久化や深夜割引の拡充等
    ☆千葉ト協がドラコン、総合優勝に河邊選手(センコー)
    ☆日通、農林水産物の活性化へ支援ファンドと連携
    ☆トナミ労組が国道8号線で清掃ボランティア
    ☆西濃運輸野球部が都市対抗野球で悲願の黒獅子旗
    ☆日立物流、埼玉県に食料品向け物流センター開設
    ☆LINEとフェリシモが連携して「LINE配送」がスタート
    ☆物流各社の第1四半期決算

今週のユソー編集室

  • ▼日本でも何かと話題になることが多いネット通販大手のアマゾン。フランスではこの7月に、通称「反アマゾン法」なる法律が成立した。
    ▼オンライン書店が書籍を割引料金で販売する場合、「送料無料」を禁じるという内容のこの法律。保護の対象は運送業者ではなく、小規模の個人書店だそうだが、対抗策として同社は、1ユーロセント(約1円)での配送を開始した。
    ▼また、米国では小型無人機による配送を目指し、7月に連邦航空局へ試験飛行の許可を申請している。これが実現すれば、注文から30分以内での配達が可能だという。
    ▼どこまで本気なのかはわからないが、最高のサービス提供を目指す同社の姿勢には、正直感心せざるを得ない。一方でたびたび聞かれる同社倉庫の過酷な労働環境や、巨額の投資で過去最大規模の赤字を予想していることなどリスク要因も数多く、今後もしばらくの間は、同社が話題をさらっていくことになりそうだ。

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