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2015年4月27日付 2562号

ビール大手3社が都内一部地域で共同配送  アサヒ・キリン・サッポロ

 飲料大手のアサヒビール、キリンビール、サッポロビールの3社は22日、物流部門での環境負荷低減や業務効率化などを目的とし、東京都内の一部エリアで小型車による共同配送を実施することで合意したと発表した。1次展開として、6月16日から足立・台東・墨田・荒川・文京・葛飾の6区でビール系飲料・洋酒・ワイン・焼酎などの配送拠点の相互利用や共同配送を開始し、秋以降には都内の他のエリアにも順次拡大する。

 アサヒビールとキリンビールの2社は11年8月からすでに配送拠点の相互活用を進めており、今回の合意を受け、新たにサッポロビールの配送拠点も相互活用の対象に加えるとともに、小売店に対する共同配送を開始する。

 6月に開始する1次展開では、足立区のサッポロDC(配送センター)から足立区(千住エリア除く)の小売店向けに、墨田区のアサヒDCから足立区(千住エリアのみ)、台東区・墨田区・荒川区・文京区・葛飾区の小売店にそれぞれ3社の商品配送を行う。

 秋以降は、1次エリア以外の23区のほか、調布市から八王子市、町田市などにかけての西多摩エリアでも3社の配送拠点を活用する。

 これらの取り組みによって、配送時間の短縮や積載率の向上が実現するとともに、3社合計で年間約137トン(従来比約18%)のCO2削減が可能になると試算している。

ベトナムに100%出資子会社新設し体制強化へ  SGホールディングス・グローバル

ベトナム国内を走行するSGグループの車両

 SGホールディングスグループの海外事業統括会社「SGホールディングス・グローバル(SGHG、本社・シンガポール、近藤宣晃社長)」は5月1日から、ベトナムにおいて、既存の合弁会社「佐川急便ベトナム(本社・ホーチミン、島﨑順二社長)」に加え、100%出資の新会社「SG佐川ベトナム(本社・ホーチミン、島﨑順二代表取締役)」による営業を開始し、同国内における総合物流サービス体制を強化する。

 SGHGでは、これまでベトナム資本との合弁会社である佐川急便ベトナムで、フォワーディング・国際エクスプレス・国内宅配便・引越などの事業を展開してきたが、2007年のベトナム政府によるWTO(世界貿易機構)への加盟以降の外資規制緩和を踏まえ、SGHGの100%出資子会社の設立を計画投資省に申請、本年3月に認可・設立していた。

 今後、佐川急便ベトナムからSG佐川ベトナムへ、規制緩和された事業を適宜移管し、二つの事業会社の連携により、法人需要から個人需要まで幅広い顧客層を対象としたサービスを展開する。

 SGHGはこれまで、傘下の14ヵ国、23法人を通じ中国やアセアン地域を中心に国際・海外事業を展開してきたが、海外事業強化の方針を踏まえ、2014年6月に国際フォワーダーであるエクスポランカ社を買収、現在24ヵ国、105法人を傘下に、グローバルネットワークの拡充を図っている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆物流にとってアベノミクス『吉』か『凶』か(37)、『円安は日本経済にプラスかマイナスか』
    ☆四文字『見直しの「時間便益」』
    ☆日中ビジネスワンポイント『上海家族との九州の旅』(3)
    ☆道『米ドルとオイルショック、車社会』(25)

  • ☆日立物流、中国・上海浦東地区に物流センター開設
    ☆日通、鉄道コンテナ・内航・引越の14年度実績はいずれも前年下回る
    ☆セイノーHD、韓国・釜山新港熊東エリアに第2物流センター竣工
    ☆LEVOの先進環境対応ディーゼルトラック導入補助、6月15日に受け付け開始
    ☆通運連盟、15年度事業で鉄道貨物輸送集配業務の実態調査
    ☆埼玉ト協の事業者経営課題等調査、燃油高騰や労働者不足が喫緊の課題に
    ☆全ト協、引越安全マークの申請は7月16~31日受け付け
    ☆国交省・田端自動車局長、貨客混載の試行事業者選定は安全面の条件重視
    ☆JILS、物流改善事例大会開く
    ☆運輸労連、スマホを操作しながらの自転車運転を道交法上の危険行為に盛り込むよう要請へ
    ☆通運連盟、14年度鉄道コンテナお試し輸送は過去最高の実績
    ☆南海通運、タイ発ミャンマー向けの陸送混載便を開始
    ☆運輸労連の春闘中間集計、妥結時期が前年同時期より早く単純平均も増額に
    ☆日貨協連が事務局役職員連絡会議、マイナンバー制度への対応や事業計画案など報告
    ☆日本梱包運輸倉庫、今年10月1日に純粋持ち株会社制へ移行
    ☆日通総研短観3月分調査、4~6月の国内向け出荷は若干改善も依然マイナス
    ☆日通、5月・6月限定の引越キャンペーン実施
    ☆全ト協、2014年度調査版賃金・労働時間データ集
    ☆埼玉ト協、トラック専業から総合物流事業者化するのためのマニュアルを作成
    ☆運輸労連の春闘妥結一覧

今週のユソー編集室

  • ▼今週末から始まるゴールデンウィーク(GW)。今年も海に、山に、外国に、多くの人が旅行に出かける。JTBによると今年の期間中の国内旅行者数は、過去最多の見通しだという。
    ▼一方で、車で旅行する人が覚悟しなければならないのが、高速道路の激しい渋滞だ。今年も5月2~5日にかけて、東名・名神・関越・中央・東北など主要な高速道路等で、30キロメートル以上の渋滞が多数予想されている。
    ▼運輸労連の調査によると、トラックドライバーがよく利用し、そして最も混雑するのが、海老名サービスエリア(SA)だという。この期間は特に、乗用車の運転手にSAでの駐車マナーをしっかり守ってもらいたいものだ。
    ▼旅行の人も仕事の人も、乗用車もトラックも、渋滞にあまりイライラしたりせず、安全運転を確保して、無事故でこの期間を乗り切りたい。そのためにも、お互いがSAなどの施設で十分な休息をとり、運転に集中できる環境を整えたい。

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