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2015年7月6日付 2570号

トラックの安全強化へ、準中型免許創設にらみ運転者教育の充実など総合的対策示す  国交省・全ト協

 国土交通省と全日本トラック協会は連名で6月26日、準中型免許の創設を含む改正道路交通法が6月11日に成立したことなどを踏まえ、運転者指導・監督の強化や教育の充実などを盛り込んだ「貨物自動車の総合安全対策」を策定した。
 対策メニューは①交通事故の実態分析を踏まえた機動的な対策の実施②車両安全対策③運行管理用等機器普及拡大④トラック運転者への指導・監督の強化および教育の充実等―。

 実態分析を踏まえた機動的な対策では、事業用トラック1万台当たりの死亡事故件数(死亡事故率)が4.0(全国平均は3.0)を超える自治体を中心に全ト協が年度ごとに重点自治体を定めて死亡事故率の低い自治体の対策を水平展開するとともに、全国統一の死亡事故率目標2.0の達成に向け各種対策の推進を図る。

 また、これまで全ト協が1年単位で集計していた事故情報を4半期ごとに集計することにより、年度途中で発生状況の変化を踏まえた機動的な対策を打ち出す。さらに、昨年6月に発足した「事業用自動車事故調査委員会」から再発防止策の提言を受け、必要な対策を行う。

 車両安全対策については、衝突被害軽減ブレーキの装着義務の対象拡大を進めるとともに、車両安全性制御装置、車線逸脱警報装置などについても補助制度や税制特例による早期普及を促進する。
 運行管理用等機器普及拡大については、運行記録計について、最大積載量4トン以上のトラックでは使用過程車を含め2017年4月までに装着義務化し、生体センサーやクラウドなどを活用した「次世代運行管理・支援システム」についても検討する。

 また、ドライブレコーダー(ドラレコ)から得られたデータの安全指導への活用を進めるため、全ト協が手引やマニュアルなどの活用ツールを作成し、必要に応じてセミナーなどを開催する。
 トラック運転者への指導・監督の強化および教育の充実については、国交省で初任運転者向けマニュアルを新たに作成するとともに、全ト協でテキストやドラレコ映像を用いた教育ツールを整備し、運行管理者などによる運転者教育のさらなる向上や運転者の自主学習の促進を図る。

世界最大のハラール食品企業・ブラヒム社と提携  マレーシア日通

 マレーシア日本通運(田渕浩介社長)はこのほど、世界最大のハラール機内食メーカーで、食品加工会社・レストランを傘下に持つマレーシアの総合食品企業・ブラヒム社とハラール輸送に関する業務提携契約を締結、この契約に基づく初めての輸送業務として、ANAケータリングサービスのハラール機内食2万食をマレーシアから千葉県成田市内に一貫輸送した。

 ブラヒム社との業務提携契約は、日通グループがマレーシアおよび日本国内でハラールに積極的に取り組み、日系物流企業として初めてマレーシアのハラール輸送認証を取得したことや、世界41ヵ国にネットワークを展開していることが評価されたとしている。

 機内食はマレーシア国内のブラヒム社工場からマレーシア日通が引き取り、ポートケラン港から海上輸送で東京港に輸送した。日本到着後は東京都内の倉庫でハラール以外の貨物と適切に分別して保管し、6月26日に川崎市内、29日に成田市内のANAケータリングサービスの施設に配送した。

今週掲載トピック一覧

  • ☆アベノミクス物流にとって『吉』か『凶』か(40)
    ☆四文字『時代先取り「物流革命」』
    ☆道『国際化に至る道半世紀』(3)

  • ☆セイノーHD、タイのサハグループと物流合弁会社を設立
    ☆佐川急便、ふるさと納税中心とした平戸市との包括連携で調印式開催
    ☆日通、引越商品をリニューアルし単身パック当日便取り扱い開始
    ☆日本自動車ターミナル、京浜ターミナルに高機能物流施設を計画
    ☆佐川急便がドラコン、京都支店が団体優勝
    ☆運輸労連が定期大会、新委員長に難波全日通委員長就任
    ☆脳疾患棋起因の事故防止へ運転従事者対象のMRI健診支援機構を設立
    ☆トナミ運輸のお中元、北陸3県の旬の味
    ☆ヤマトマルチメンテナンスソリューションズ、アマゾンで初めての延長保証サービスを提供
    ☆SGHD、エコ絵画コンクールの作品募集開始
    ☆自民党倉庫議連が総会開く、日倉協・日冷倉協が要望、
    ☆日通、首都圏支店が引越コンテスト開催
    ☆SGムービング、ドウシシャと共同で家事代行をギフトに
    ☆日本郵便、ゆうグローバルエクスプレスの米国宛てサービスでフェデックスと提携
    ☆山九、米CHR社と国際物流代理店契約
    ☆全ト協・日貨協連、6月のWebKITは成約件数も大幅増加に

今週のユソー編集室

  • ▼先日行われた佐川急便のドライバーコンテストでは、過去最多となる25人の女性選手が出場した。全選手に占める女性選手の割合は約30%とかなり高くなっている。
    ▼各支店から最低でも1人は女性選手を出場させるといった努力目標があるのだろうと思うが、いずれにせよ女性の活躍を促進しようとする、同社の姿勢が強く感じられる大会だった。
    ▼一方で女性選手の技量はどうかと言うと、男性選手と女性選手の最高点の差は千点満点中で30点程度となる。それほど大きな差があるわけではないが、女性選手だけを対象としている特別賞を除けば、全表彰者8人の中に女性選手がいなかったことも事実だ。
    ▼ただ、いつかは女性選手が全選手中の最高得点を獲得し、女性選手だけを対象とする賞が廃止される時がくるに違いない。物流業界が本当の意味で「女性が輝ける業界」に変わるために、そうした日が一刻も早く訪れるよう願ってやまない。

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