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2016年2月15日付 2598号

第11回鉄道利用運送推進全国大会開催、モーダルシフトの推進へ全力 お試し輸送活用例紹介等  通運連盟

鉄道利用推進全国大会の模様

 全国通運連盟(川合正矩会長)は10日、東京都千代田区のパレスホテル東京で、第11回鉄道利用運送推進全国大会を開催した。

 トラックのドライバー不足で鉄道貨物輸送への期待は高まっており、通運連盟が鉄道貨物輸送拡大のため運賃の一部を補助する「鉄道コンテナお試しキャンペーン」も、近年大幅に利用が増加している。大会ではキャンペーンを利用した新規荷物獲得事例の発表や、国のモーダルシフト施策の説明を受けるとともに、次年度の事業計画に反映させる重点取り組み事項を、大会決議の形で採択した。

 大会には行政・JR貨物・利用運送事業者・荷主企業関係者らが出席。冒頭あいさつした川合会長は「通運業界最大の課題は、地球温暖化対策やトラック運転手不足を踏まえた鉄道モーダルシフトの促進。交通政策審議会の答申でも、今後の物流の方向性として生産性革命の実現がうたわれており、さらなるモーダルシフトの推進が最も重要な施策の一つと位置付けられている」と述べ、モーダルシフトの重要性を指摘した上で「そのためにも顧客に選ばれる高品質な輸送サービスの提供が必要」と強調。環境優位性など強みの発揮と、輸送障害時の対応など弱みの克服、鉄道コンテナ輸送の認知度向上などに全力で取り組んでいく考えを示した。

 来賓からは、羽尾一郎国土交通省物流審議官、田村修二JR貨物社長があいさつ。
 このうち羽尾審議官は、改正物流総合効率化法の成立・施行等を通じて、国としても鉄道モーダルシフトの推進に力を入れていく姿勢を示しながら、JR貨物の完全民営化に向けた動きにも言及。「現在JR貨物と鉄道利用運送事業者の間で、さまざまな問題が発生していると聞いているが、株式上場が現実味を帯びてくれば、さらに多くの課題が発生するだろう。将来の鉄道貨物輸送のあり方を念頭に置き、関係者が話し合いを重ねていくことが重要になる」と指摘した。

 田村社長は「『鉄道コンテナお試しキャンペーン』の大幅な利用増加などで、モーダルシフトの流れは実感している。来年度には鉄道事業部門の黒字化に全力を尽くす」と語る一方、懸案となっているオフレールステーション(ORS)問題について「収支改善に協力いただき感謝している、黒字化の目途がついたORSは存続させ、難しいORSは他の手段で鉄道貨物輸送を継続いただくよう、早急に詰めていく」と言及。青函トンネルの付加金問題については「4月実施に向けて、引き続き理解を得られるよう頑張りたい」として、引き続き協議に臨むよう求めていく考えを示した。

 大会ではその後、国土交通省の坂巻健太大臣官房参事官(物流政策)が「鉄道利用促進に向けた施策」について講演。「鉄道コンテナお試しキャンペーン」を利用した新規荷物獲得事例の紹介として①佐藤嘉高日東工業物流部長・清水孝洋日本通運多治見支店長②瀬戸保夫日建リース工業物流事業本部執行役員部長・保坂武志ヤマト運輸通運支店長―の二つの事例を4人が説明。さらに特別講演として、永山啓樹日産自動車技術企画部主管が「日産自動車の最先端技術」を紹介した。
 最後に採択された大会決議では◎「鉄道コンテナお試しキャンペーン」の積極的活用◎31フィート等大型高規格コンテナと集配車両の導入促進◎輸送障害時のトラック代行輸送等のさらなる改善◎荷物事故の防止に向けた効果的な養生資材の開発普及や荷物の適切な積付◎モーダルシフトの担い手となる人材の育成◎多様な媒体を活用した費用対効果の高い新たな広報宣伝活動の展開◎実効性ある行財政施策の拡充に向けた働きかけ―などに取り組んでいくとした。

鈴木全ト協引越部会長が“引越安心マーク”を消費者にアピール  消費者志向経営セミナーで

 引越安心マークを消費者等に強くアピール―全日本トラック協会引越部会の鈴木一末部会長は10日、日本経済団体連合会と消費者関連専門家会議(ACAP)共催により東京都千代田区の経団連会館で開催された「2016消費者志向経営トップセミナー」のパネルディスカッションにパネリストとして参加、引越事業者優良認定制度が消費者志向経営の取り組みであることを紹介するとともに、同制度への理解と周知方を要請した。

 パネルディスカッションは「企業の消費者志向経営の促進に向けて~企業・行政・消費者の役割」をテーマに、松本恒雄国民生活センター理事長のコーディネートのもと、鈴木部会長、板東久美子消費者庁長官、河野康子全国消費者団体連絡会事務局長、坂倉忠夫消費者関連専門家会議理事長の4人がパネリストとして意見を開陳した。

 まず消費者志向経営とは何かとの問いかけに対し、鈴木部会長はトラック運送事業者の取扱貨物は個人と企業貨物の2種類であり、個人貨物に当たるのが宅配便と引越であるとした上で、宅配便は服で例えれば既製服、引越はオーダーメードであるとして、お客の求めるニーズを確認し合意することから取引が始まると説明。引越事業者にとり消費者志向とは双方の合意を確認した上でサービスを提供することが原点との考えを示した。
 次いで消費者志向経営の企業の取り組みについて、鈴木部会長はお客の求めるものにサービスを合わせていくことだとして、費用面等納得いく契約をしてもらうため事前に荷物の量などを確認する下見が必要であり、標準引越約款などを提示し見積額を提示することを説明。

 しかし昨今はインターネットで最も安い業者に任せるのが当たり前の風潮になってきたとし、こうした一括見積サイトは引越事業者が運営しているものではないことを説明し、一括見積サイトで契約している場合は家財道具等申告だけで契約することから予期しないトラブルが発生しているケースが多いことを指摘した。
 そして安全で安心な引越を頼みたいという消費者のため、引越事業者優良認定制度を創設したとして、現在、認定している引越管理者が約7千人配置されており、認定事業者が364社1846事業所であることなどを説明し、消費者にプラスとなる制度であると確信していると述べた。

 認定制度創設に伴う行政等とのかかわりについては、消費生活相談協会や国民生活センター、ACAPなどを通じて消費者庁と率直に相談ができるようになり、個々の中小企業には消費者志向経営は非常に高いハードルだが、消費者庁に実態を理解いただいたことは業界として非常に心強いと語った。引き続いての理解と指導を求め、消費者には制度の周知について支援を求めた。

 消費者にどのような行動を求めるかについて鈴木部会長は、業者の足りないところ至らないところについてのクレーム等は引越商品をレベルアップさせるとして、パートナーとして互いに役割と責任を果たし、気持ちの良い信頼関係を築いていきたいと述べた。
 最後に鈴木部会長は引越安心マークは中小零細事業者でも安心してサービスを受けられる引越事業者であることを強調した。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウォッチ「台湾の今~産業と物流の現状~」
    ☆人物ウィークリー、日本フレートライナー・姫野健士代表取締役社長

  • ☆国交省がETC2.0活用の車両運行管理支援サービス開始、17社で第1期社会実験
    ☆公取委、外航海運の独禁法適用除外制度について国交省との協議対応へ 「維持すべき理由は存在しない」
    ☆1月のWebKIT成約運賃指数は115、1月では2番目に高い指数
    ☆全日通の16春闘方針、一時金・年間140万円 賃上げ1万1千円等を求める
    ☆厚労省が15年毎勤統計発表、道路貨物運送業は給与総額が1%減 総実労働時間は0.8%減
    ☆JIFFA、海外で初の中国物流事情調査報告会を3月に上海で開催
    ☆セイノーHD、朝日大との産学連携協議会で海外研修協力に関する覚書調印式
    ☆大成運送、環境ISOに続きISO39001取得
    ☆DNA、第3回トラックドライバー甲子園開く
    ☆東京団地倉庫が10~12月調査発表、回転率が6.1ポイント低下し期末残高8.4%増に
    ☆日通総研ロジゼミ、輸送費削減のための「配車方法」の基礎講座
    ☆首都圏キット利用協組、新春公開講演会開く 事業者ら約90人が参加
    ☆トピック『帝国データバンクが「2016年全国社長分析」を発表、社長の平均年齢59.2歳と過去最高を更新 社長交代率は3.9%』
    ☆日通総研、倉庫作業分析ツール『ろじたん』の新機能「実績管理アプリ」を期間限定で無償提供
    ☆各社の第3四半期決算

今週のユソー編集室

  • ▼先日物流連が開催した「新年の物流を語る会」では、工藤泰三会長が「中国の景気減速は皆さんが思っている以上に深刻だ」と先行きの不安感を口にした。
    ▼先ごろ財務省が発表した輸出動向推移によれば、20年前に2兆1千億円程度で6位だった中国への輸出額は、2014年度(確報)に13兆4千億円まで拡大し、14兆2千億円の米国に次いで2位の座を占めている。
    ▼15年の中国の経済成長率は6・9%増にとどまり、2年連続で政府目標を下回るとともに、25年ぶりの低成長に終わったとも報じられている。上海の株安や人民元安など、不安感をあおるニュースが飛び交い、今後の展望に暗い影を落としている。
    ▼「米国がくしゃみをすると日本が風邪をひく」と言われた時代があったが、現在この言葉は中国にも当てはまる。そして今、中国はくしゃみを連発している。日本は、そして世界は、予測される風邪を予防することができるのだろうか。

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