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2016年7月18日付 2618号

インタビュー 日通商事㈱代表取締役社長 新居 康昭
新経営計画 「ALOZ2018経営3ヵ年計画~成長への礎~」スタート 事業の専門性さらに高める

 5月1日付で就任した新居康昭日通商事社長。今年度からスタートした新経営計画「ALOZ2018経営3ヵ年計画~成長への礎~」を柱に事業戦略・方向性について聞いた。

―社長に就任されて約2ヵ月が経たれました。
 当社は日本通運グループの子会社の筆頭会社であり、就任当初は重責を感じていましたが、お客さまにより近いところで「積極的にマーケットに打っていける」という、おもしろさがある会社だと感じています。
 現在、業務ヒアリングやお客さまへのごあいさつに伺っている最中でして、8月中旬までには国内主要拠点とアジアの一部現地法人を臨店する予定で、しっかりと当社の「現場力」を把握したいと思います。

「基盤づくりと方向性を見定めていく」

―新経営計画「ALOZ2018経営3ヵ年計画~成長への礎~」がスタートしました。
 新経営計画は、前計画の三つの大項目「事業構造の改革」「国際関連事業の拡大」「経営基盤の強化」を引き継ぎながら、さらに一段階進めることを目標とし、基本方針には「事業の専門性を高め、戦略的投資を通じて、社会インフラである物流を核にグローバル経済を支える企業へと変革を図る」ことを掲げています。
 名称に「成長への礎」と銘打ってありますように、前計画「ネクストステージ」の延長線上に立ち、取り組んできた各種施策をベースに、3ヵ年という期間中に「基盤づくり」と「方向性」を見定めていく考えです。
 同時に「日通グループ経営計画2018―新世界日通。―」がスタートし、重点戦略の「機能強化」の一つの柱に「グループ経営の強化」が掲げられています。日通商事として、その役割をしっかりと認識し、今次計画を推進していきたいと考えております。

―数値目標は。
 最終年度「営業利益80億円」と設定しています。15年度実績比16億円の増益を図る計画です。目標を完達し、日通グループ新経営計画のセグメント「物流サポート」で貢献できるよう最大限取り組む決意です。

インタビューの続きは電子版かコンビニプリントサービスでお読みいただけます。

トラック運送業の適正運賃・料金、収受に向け調査実施 中央協議会の下に検討会設置  国交省

 国土交通省は、「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」の中央協議会の下に、「トラック運送業の適正運賃・料金検討会」を設置、13日に東京都千代田区の同省で第1回検討会を開き、労働力不足が深刻化するトラック運送業の生産性向上に不可欠な適正運賃・料金収受のあり方についての検討を開始した。

 検討会は、藤井聡京大大学院教授、野尻俊明流通経済大学長、弁護士の柳澤宏輝氏、藤枝茂厚生労働省労働基準局労働条件政策課長、正田聡経済産業省商務流通保安グループ物流企画室長、川上泰司国土交通省総合政策局参事官(物流産業)、加藤進国交省自動車局貨物課長を委員とし、全日本トラック協会、日本経済団体連合会、日本商工会議所、日本機械輸出組合の担当者がオブザーバーとして参加している。

 第1回検討会では、運賃に関する事業規制の変遷(せん)や独占禁止法のポイント、トラック運送業における取引の現状などについて事務局が説明するとともに、今後の議論の方向性について審議した。

 議論の方向性については、トラック事業者から①運賃の目安を定めてほしい②原価計算に基づく運賃での受注を徹底しなければ運賃価格の“下げ圧力”になる③付帯作業料金や待機料金、高速道路料金など、運賃以外の「料金」を適正に収受できるようにすべき―との意見が多く挙がっていることを事務局が紹介。運賃の目安と原価計算に基づく運賃設定ついては、関係者間で考え方に隔たりがあることから、アンケートなどを通じて広く意見を集めた上で議論を進め、料金については収受の方策について具体的な検討に着手する案が示された。

 これに対し、委員・オブザーバーからは、運賃以外の料金の収受についても実態を調べる必要があるとの指摘がなされたことから、調査を行うことにした。

 アンケートやヒアリングなどの調査は、今後対象者や規模、方法などを検討し、秋ごろに開催予定の次回検討会に具体的な進め方を報告した上で実施する。

 調査実施後に取りまとめを行い、年度内をめどに今後の運賃施策の方向性などを盛り込んだ報告を中央協議会に行う。

 このほか、第1回検討会では、「価格決定のメカニズムを行政が介入して成功した例はない」「適正な運賃・料金が収受できない荷主の業種を調べるべき」「公正競争確保のため、社会保険未加入事業者などへの対策を考える必要がある」「ベストプラクティス(成功事例)の共有も重要」「労働力不足対策として期待されている女性の活躍を荷役が阻害している面があり、女性の入りやすい環境づくりが必要」などの意見が出された。

今週掲載トピック一覧

  • ☆四文字『料金負担が問題「高速料金」』
    ☆日中ビジネスワンポイント『「色」のイメージ』

  • ☆東ト協、千原武美会長による新執行部体制スタート 副会長11人中9人が新任、支部長は25人中14人交代
    ☆LEVO、物流分野におけるCO2削減対策等促進事業の採択結果公表 モーダルシフトなど70案件に補助金交付決定 2次募集も開始
    ☆国交省・重田雅史物流審議官が就任会見、改正物流総合効率化法の政省令・基本方針について今月パブリックコメントを募集開始へ
    ☆全ト協、副会長に千原武美東ト協会長・小林幹愛茨城県トラック協会長を新任 17年度税制改正・予算の要望決定
    ☆物流連、海外物流WT開催 今秋のインドネシア・フィリピン視察見据え、両国に関する検討活発化へ
    ☆エコシップ・モーダルシフト事業実行委員会、15年度優良事業者表彰式を開催 荷主・物流事業者各10社が受賞
    ☆日通東京輸送事業協同組合、第42回経営研修会開催 運送業の監査対応の現状と対策を学ぶ
    ☆九州運輸局、15年度管内港湾貨物取扱量2年連続の減少と発表 コンテナ取扱量最多は博多港
    ☆JR貨物、運転支援システムを17年4月から1年計画で順次更新 列車位置情報さらに正確に
    ☆物流連、トラック手荷役作業実態調査の最終報告案を審議 委員の意見・確認を求める
    ☆日本郵政、イオンとの提携をさらに前進 受け取りロッカーの設置やアジア圏の海外物流推進へ
    ☆SBSホールディングス、鉄道系ルーツの子会社・SBSロジコムとSBSトランスポートの合併を発表 業務効率化・経営体制の強化へ
    ☆東京都、「16年度貨物輸送評価制度」認定発表 昨年度比35社増の264社に 東ト協会員はGEP参加の249社含む253社が認定
    ☆山九、超重量物輸送特殊車両「ユニットドーリ」と大型クローラークレーンを導入 9330トン能力の編成が可能に
    ☆準中型免許導入の改正道交法、来年3月12日施行確定

今週のユソー編集室

  • ▼3次元データをもとに立体造形物を製作できる3Dプリンター。基本特許の保護期間が終了した2000年代後半から低価格化が進み、今後の爆発的な普及が見込まれている。
    ▼樹脂だけでなく一部の金属系素材にも対応し、精密加工も可能なことから、建築・医療・航空宇宙・先端研究など幅広い分野で活用が進んでいる。驚くことに米空軍では、航空機の部品の一部を3Dプリンターで製作しているともいう。
    ▼ITはこれまでも、物流を含めたさまざまな社会に大きな影響を与えてきた。デジタルカメラに慣れた今の若者たちには、撮影済みのフィルムを写真屋に預けてプリントしてもらうという昔のやり方など、想像もできないかもしれない。
    ▼より現場に近い場所で製作できる利点は、製造業や物流業に影響を及ぼす可能性がある。過去いくたびも繰り返されたように、新たなテクノロジーが従来の仕組みを過去の遺物としてしまうのか、興味は尽きない。

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