自動運転活用の次世代サービス、オンデマンド配送や買い物代行 来年3月実験開始 ヤマト運輸・DeNA
ヤマト運輸(長尾裕社長)とディー・エヌ・エー(DeNA、守安功社長)は20日、東京都目黒区の恵比寿ガーデンルームで共同記者会見を開き、自動運転技術を活用した次世代物流サービスの開発を目指し、実用実験の実施に向けた計画策定に合意、プロジェクト名を「ロボネコヤマト」と決め、来年3月から1年間実用実験を実施すると発表した。地域は現在検討中で国家戦略特区のうちの1地域となる見込み。実用化に向け検討・検証していく。
会見ではDeNAの守安社長、中島宏執行役員、ヤマト運輸の長尾社長、阿波誠一執行役員がプレゼンテーション。守安社長は今回のプロジェクトは「DeNAにとって非常に大きな一歩となる」と期待を寄せた。また長尾社長はプロジェクトを通してラストワンマイルのオンデマンド化を強く推し進め、お客の要望に沿って荷物をあわせていくという、人に寄り添った物流サービスを目指していきたいと語った。
「ロボネコヤマト」プロジェクトでは、DeNAのIT技術を活用した自動車運転関連のサービス設計ノウハウと、コンビニやオープン型宅配ロッカーなど宅配便の受け取り場所の拡大等による利便性向上に取り組むヤマト運輸の物流ネットワークを組み合わせることで、より利便性が高く、自由な生活スタイルを実現する物流サービスの開発を目指す。さまざまな事業者の参画も視野に入れたオープンなプロジェクトとして進める。
実用実験は「オンデマンド配送サービス」と「買物代行サービス」の2種類。オンデマンド配送サービスは、市販車をベースに後部座席に荷物の保管ボックスを設置した専用車両=車両イメージ上参照=を使用しオペレーターが同乗して自動走行することで、お客が望む時に、望む場所で荷物を受け取ることができる。スマートフォンで荷物の現在地や到着予定時刻の確認もできる。共働き夫婦や1人暮らしの人を主な利用者と考えている。
買い物代行サービスは、お客が地域の複数の商店の商品をインターネット上で購入し、オンデマンド配送サービスで一括配送してもらうことができる。主な利用者は小さな子供を持つ家庭や高齢者などを想定。