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2016年7月25日付 2619号

自動運転活用の次世代サービス、オンデマンド配送や買い物代行 来年3月実験開始  ヤマト運輸・DeNA

左から中島、守安、長尾、阿波の各氏 車両イメージ

 ヤマト運輸(長尾裕社長)とディー・エヌ・エー(DeNA、守安功社長)は20日、東京都目黒区の恵比寿ガーデンルームで共同記者会見を開き、自動運転技術を活用した次世代物流サービスの開発を目指し、実用実験の実施に向けた計画策定に合意、プロジェクト名を「ロボネコヤマト」と決め、来年3月から1年間実用実験を実施すると発表した。地域は現在検討中で国家戦略特区のうちの1地域となる見込み。実用化に向け検討・検証していく。

 会見ではDeNAの守安社長、中島宏執行役員、ヤマト運輸の長尾社長、阿波誠一執行役員がプレゼンテーション。守安社長は今回のプロジェクトは「DeNAにとって非常に大きな一歩となる」と期待を寄せた。また長尾社長はプロジェクトを通してラストワンマイルのオンデマンド化を強く推し進め、お客の要望に沿って荷物をあわせていくという、人に寄り添った物流サービスを目指していきたいと語った。

 「ロボネコヤマト」プロジェクトでは、DeNAのIT技術を活用した自動車運転関連のサービス設計ノウハウと、コンビニやオープン型宅配ロッカーなど宅配便の受け取り場所の拡大等による利便性向上に取り組むヤマト運輸の物流ネットワークを組み合わせることで、より利便性が高く、自由な生活スタイルを実現する物流サービスの開発を目指す。さまざまな事業者の参画も視野に入れたオープンなプロジェクトとして進める。

 実用実験は「オンデマンド配送サービス」と「買物代行サービス」の2種類。オンデマンド配送サービスは、市販車をベースに後部座席に荷物の保管ボックスを設置した専用車両=車両イメージ上参照=を使用しオペレーターが同乗して自動走行することで、お客が望む時に、望む場所で荷物を受け取ることができる。スマートフォンで荷物の現在地や到着予定時刻の確認もできる。共働き夫婦や1人暮らしの人を主な利用者と考えている。

 買い物代行サービスは、お客が地域の複数の商店の商品をインターネット上で購入し、オンデマンド配送サービスで一括配送してもらうことができる。主な利用者は小さな子供を持つ家庭や高齢者などを想定。

15年度の宅配便実績、2年ぶり前年比増 メール便は3.7%減少   国交省

 国土交通省が22日に発表した2015年度の宅配便取扱個数は37億4493万個で前年度比3.6%の増加となった。14年度の「5年ぶり前年割れ」から増加に転じた背景には、ECの拡大や各社の営業努力による新規需要開拓などがある。

 一方で、メール便は、52億6394万冊で前年度比3.7%の減少となった。

 宅配便のうち、トラックによるものは、37億400万個で3.8%増、航空等利用運送によるものは4千万個で7.4%減だった。

 トラックの便名別順位は、1位がヤマト運輸の「宅急便」で17億3126万3千個の前年度比6.7%増となり、シェアは1.3ポイント増の46.7%。
 2位は、佐川急便の「飛脚宅配便」で11億9829万8千万個の0.2%増。シェアは1.2ポイント減の32.3%。
 3位は、日本郵便の「ゆうパック」で5億1302万4千個の5.8%増。シェアは0.2ポイント増の13.8%。
 4位は、西濃運輸ほか19社の「カンガルー便」で1億3341万3千個の1.4%減。シェアは、0.2ポイント減の3.6%。
 5位は、福山通運ほか21社の「フクツー宅配便」で1億2044万3千個の1.7%減。シェアは0.1ポイント減の3.3%となった。

 1位の「宅急便」が、個数・シェアとも伸ばす一方、2、4、5位はそれぞれシェアを落とし、4、5位では個数も減少している。

今週掲載トピック一覧

  • 夏季第1特集
    ☆グローバル版業界地図2016
     日本通運グループ
     ヤマトグループ
     SGグループ
     KWEグループ
     日立物流

  • ☆内閣府、熊本地震初期対応検証レポートを公表 災害時の物流情報管理共有システムの構築へ
    ☆全日通労組、第71回定期全国大会開催 新経営計画期間3ヵ年以内に定年制度見直しへ
    ☆関東運輸局・持永秀毅運輸局長が会見、「改正物流効率化法の管内認定は50施設」と目標を掲げる
    ☆陸災防、フォークリフト荷役技能検定に「認定1級制度」を創設 全国運転競技大会成績優秀者を対象に技能の整合性を確保
    ☆日立物流首都圏、千葉市内に飲食向け物流センター開設 3温度帯に対応・海外入荷対応の保税蔵置場も設置
    ☆国交省自動車局・加藤進貨物課長が会見、取引環境・労働時間改善協議会の中身を仕上げる方針示す
    ☆東ト協・千原武美会長らが会見、協会本部組織の見直し骨子の年内取りまとめへ
    ☆国交省、物流用ドローンポート連絡会を設置 物流用ドローンの離発着施設(ポート)の研究開発開始

今週のユソー編集室

  • ▼フィリピンと中国の間で争われていた、南シナ海の領有権を巡る国際仲裁裁判所の判決が12日に公表され、中国側の主張はほぼ全面的に退けられた。
    ▼中国側は「判決は紙くず」と反発し、2国間協議での解決を模索したものの、フィリピン側はこれを拒否、情勢はにわかに緊張感を増している。中国への非難が高まるとともに、「開戦前夜か?」などとあおる無責任なネット世論も見受けられる。
    ▼中国の強硬姿勢が半ば国内世論に配慮したものだったとしても、紛争地帯に軍事力を展開し続ける傍若無人ぶりはいただけない。特に南シナ海は、中東から日本にやって来る石油タンカーの輸送ルートに当たるのだから、なおさらだ。
    ▼南シナ海の紛争が、例えば米中両国による南シナ海の“封鎖”という事態に至れば、石油のみならず貿易そのものがまひし、中国を含め世界中のどの国の利益にもならない。中国側の緊張緩和に向けた努力が求められている。

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