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2016年8月8日付 2621号

インタビュー SGローソン(株)代表取締役社長 野辺 一也氏
開業1年迎えたSGローソン 新たな事業領域への挑戦を 事業基盤の構築進む

「マチのあらゆるニーズにワンストップで対応する」新業態を目指し、SGホールディングスとローソンの合弁会社として昨年6月に誕生したSGローソン。1年目を終えた現状と、今後の展開について、関係者にインタビューした。

―事業開始から1年が経過しましたが、あらためて合弁会社とした理由は。
 コンビニエンスストアという業態は、お客さまが必要とするものに対して、即座に対応しなければなりません。変化に機敏に対応していくことが求められています。
 一方でSGローソンが展開しようとしている、「マチのあらゆるニーズにワンストップで対応する」新業態は、地に足をつけて着実に積み上げていかないと、絶対に成立しません。
 そうした“違い”を乗り越えて事業を展開していくためには、ローソンとしてもSGホールディングスとの合弁会社という形で、退路を断って事業を進める必要がありましたし、この形しかなかったと考えています。
 実際に1年間合弁会社として事業を進めてきましたが、宅配事業に関して佐川急便が積み上げてきたノウハウ、品質・サービスへのこだわりという部分は、ローソンとしても決して軽んじてきたわけではないのですが、やはり大きな学びになっています。
 ローソンは加盟店ビジネスなので、直営店舗が非常に少ないのです。SGローソンが、宅配を通じて各加盟店のサービスのレベルを引き上げていくということは、加盟店ビジネスの原点に立ち返る話でもあります。そうした点でも、ローソンが将来的に一番力を入れていかなければならない宅配という分野で、佐川急便の力を借りてノウハウや経験を積み上げていく、非常に大きな機会になっています。

出店ありきではなく成功モデル構築を

―現在行っているサービスの範囲は。
 基本的には佐川急便荷物の配達がメインです。それに電話などで注文を受けたローソン店頭商品の配達、土用の丑の日のうなぎやクリスマスケーキなどといった催事商品の案内、あとは店頭で購入した商品を無料で配達するといったサービスを行っています。
 昨年4月の記者会見では、ハウスクリーニングや引越の取り次ぎなど生活支援系サービスの提供も打ち出し、実際にトライアルを行ったのですが、まずはお客さまからの引き合いの多いサービスを中心に展開していくこととしました。

インタビューの続きは電子版かコンビニプリントサービスでお読みいただけます。

韓国現地企業と合弁会社設立、釜山に新センター建設を発表  センコー・新潟運輸

 センコー(福田泰久社長)と新潟運輸(山田博義社長)は1日、韓国で自動車運送事業を展開するファソンエクスプレスと合弁会社「NH―SENKO」を設立し、韓国・釜山に物流センターを建設すると発表した。

 新センターは、釜山新港隣接地の「熊東(ウンドン)物流団地」に開設する計画で、来年1月に着工、10月の営業開始を予定。
 延べ床面積2万3千平方メートルの規模で、冷凍・冷蔵、危険物保管エリアを備えた複合機能を有し、商品の保管・流通加工、コンテナ荷役、港湾業務など、釜山新港の立地とFTZ(自由貿易地域)のメリットを生かし事業を展開していく。

 新会社の資本金は3億6千万円、出資比率はセンコーが55%、新潟運輸が10%、ファソンエクスプレスが35%。
 同団地ではセンコーが2014年3月に現地企業の合弁会社が運営する「KO―SENKO物流センター」を稼働させており、新センター開設により、拠点機能をさらに充実し、東アジア地区での物流事業の強化、拡大を図る計画。

 一方、新潟運輸は韓国に近い日本海側の新潟地区を中心に顧客基盤があり、日本国内の配送網を持つメリットを生かし、新センターを経由する国内外の物流需要を取り込み、国際物流事業・国内輸送の拡大を図る。

今週掲載トピック一覧

  • ☆四文字『高速道の利用「採算計算」』
    ☆人物ウィークリー、国土交通省自動車局・島雅之次長

  • ☆日通総研短観、国内向け出荷量4~6月は二番底探る展開に
    ☆国交省、9月1日から大型天然ガス車両導入補助の申請受付開始
    ☆運輸労連の難波淳介委員長らが会見、適正運賃収受を賃上げの原資に 「トラック運送業の適正運賃・料金検討会」の議論を注視
    ☆日本郵便、「ゆうパケット」10月から個人向けの利用開始へ
    ☆日通、アリババと業務提携 EC出店者を支援
    ☆JILS等主催の「国際物流総合展2016」が概要を発表、国内外から456社が出展
    ☆運管試験センター、3月の兵庫県貨物試験場で集団カンニングが発覚 再発防止策を強化
    ☆製・配・販連携協議会、加工食品や日用品の配送効率化へ手引書作成
    ☆佐川急便が子ども職業体験実施、小学生19人が配達実習など行う
    ☆東ト協がドラコン開催、都知事賞に日本通運の海江田選手
    ☆日通、カンボジア発東京・大阪向けの複合混載サービス開始 国境での積替なしで輸送
    ☆国交省等、改正物効法施行令案に関するパブコメ開始
    ☆国交省総政局、物流関係セクション3氏が就任会見
    ☆JR貨物南関東ロジスティクス、低温と常温の新コンテナ開発へ
    ☆全ト協、パンフレット「準中型免許Q&A」を作成
    ☆YSD、キッティングから物流運用までカバーするセットアップ・ロジサービスを家庭用モバイル型ロボットなどIoT事業者にも展開
    ☆YFC、マルチ電子マネー決済端末のレンタルサービス拡大へ
    ☆国交省が日中韓物流大臣会合の結果公表、農水産物コールドチェーンなど共同プロジェクト検討へ

今週のユソー編集室

  • ▼リオデジャネイロ五輪が5日に開幕した。21日までのおよそ2週間に24競技306種目が予定されており、観戦者としては自然とお祭り気分が湧き起こってくる。
    ▼反面、現地の治安や衛生面での不安も大きく、テニスやゴルフではトッププレイヤーが出場を辞退した。物流業界からはトナミ運輸の佐々木翔選手が男子バドミントンに出場するが、応援者も含めて、まずは無事に日本に帰ってきてほしい。
    ▼不安の中で開催される五輪というのは、やはり悲しい。治安の問題はブラジルの経済状況の急激な悪化などによるものというが、4年後の東京五輪をどのような社会環境で迎えることになるのか、懸念にも似た感情がつきまとう。
    ▼おりしも東京では新たな首長として小池百合子知事が誕生した。小池知事は五輪関係予算の適正化を掲げており、こちらの行方も気になる。ともあれ東京五輪がお祭り気分だけで臨めるよう、しっかり準備を進めたい。

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