物流・輸送の専門紙、輸送新聞はこれからも輸送産業の発展に貢献してまいります。

文字サイズ

2017年4月17日付 2652号

インタビュー ヤマト運輸労働組合 中央執行委員長 森下 明利氏
現場SDの負担限界に、「適正」と「徹底」で組合員の命を守る

 今年2月の新聞報道から始まった、いわゆる「ヤマトショック」。その現場で何が起きていたのか、今後何をしていくのか、渦中のヤマト運輸労働組合・森下明利委員長に聞いた。聞き手 本紙編集委員・上原里智男

―現在の現場の状況は。

 2013年ごろからネット通販関係の荷物が激増し、1人当たりの持ち出し個数が大幅に増加しています。荷物量に見合った人員が確保できていないため、常に配達に追われて昼の休憩がとれない、夜の配達が多過ぎて指定時間内に配達できないといった状況にあり、現場SDの負担は限界に達しつつあります。荷物量が増えた原因は、ネット通販だけではありません。フリーマーケットアプリの普及で個人間の売買が増えたことも原因の一つです。

 毎年秋に行っている秋季交渉の過程で、次年度の総労働時間計画について労使間で協議しており、16年度は2456時間、本年度は2448時間となっています。それが近年の急増により、どうしても守れなくなってきたため、労働組合としては極めて大きな問題だと認識していました。

 会社も黙って見ていたわけではなく、例えば知り合いを紹介した社員に手当を支払う、途中入社の人でもある年齢以下であれば新卒入社扱いにするなど、人材を確保するためのさまざまな手は打っているのですが、十分な人材は確保できていません。

 人材不足は物流業界に限った話ではなく、ヤマト運輸の仕事はきつい部分もありますから、入ってきたパートの方が、すぐに辞めてしまうケースも多いのです。

 昨年の年末時にはいくつかのセンターで、その日のうちに配達できなかった荷物が店に残るという現象が、数年ぶりに発生しました。

 ヤマト運輸では年末繁忙期の前にあらかじめ荷物量を予測して必要な戦力を整えておき、状況に応じて本社や支社から現場に応援を入れることもあります。ですが昨年末は必要な戦力を確保できないまま繁忙期に突入した店があり、さらに予測量を超える荷物が到着したため、応援が入っても間に合わなくなってしまったのです。

 事前の予測量と実際の荷物量がかけ離れてしまうのは、ネット通販会社が頻繁に行うキャンペーンも関係しています。ネット通販会社が「ポイント還元セール」などを展開すると、荷物量が激増してしまうため、予測が難しくなってきているのは間違いありません。

インタビューの続きは電子版かコンビニプリントサービスでお読みいただけます。

日通商事石油部門の新造給油船「愛光丸」建造、11日に進水式  日本海運

愛光丸の進水式

 日本海運(花岡英夫社長)は、日通商事(新居康昭社長)が東京湾内で利用しているバンカー専用給油船の代替船「愛光丸」を建造、11日に広島県福山市の本瓦造船で進水式を行った。日本海運の船舶燃料輸送専用船建造は初めて。

 日通商事石油部門は2009年から初代愛光丸を傭船し、グループ会社をはじめ内航・外航海運会社に船舶用燃料を供給してきたが、船齢25年を迎えるため、日本海運に建造を委託していた。

 新造船愛光丸は総トン数499トン・航海速力11ノット・積載容積1200立方メートルで、A重油・C重油・潤滑油を搭載予定。日本最大のダブルハル(二重船殻)構造で、燃料の大量輸送が可能な上、居住区をコンパクトにすることで、多種多様な船舶への接舷が可能となっている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウォッチ(71) 『東南アジア初の高速鉄道 中国の国際鉄道貨物輸送』

  • ☆日通の齋藤新社長が所信表明、外柔内剛でコミュニケーションを重視
    ☆ヤマトHD、仏最大手と小口保冷輸送のノウハウを共有する契約を締結
    ☆セイノーHDがセブンーイレブンのサービスを専門に取り扱う子会社設立、ココネットの業務一部移管
    ☆全ト協が16年度発生地別交通事故統計分析結果公表、右折の9割以上が対歩行者 対策強化急務
    ☆日通総研が「改訂版2017年度見通し」発表、実質経済成長率・国内貨物総輸送量予測を前回より上方修正
    ☆日貨協連が会員事務局連絡会議開催、人材確保調査でトラックドライバー不足が目立つと報告
    ☆東ト協運輸安全委員会が新ドラコンの実施要項決める、東ト協ベストドライバーコンテストを6~8月に実施へ
    ☆国交省が「広域物資拠点開設・運営ハンドブック」を約3年ぶりに改訂、「プッシュ型の物資輸送を盛り込む
    ☆日通が5月1日付組織改正で4事業本部体制に、ネットワーク商品事業本部を新設
    ☆日通が東・南アジアで展開中の混載輸送サービスを刷新、貸し切り輸送や少量多頻度の輸送に対応
    ☆日通の福岡海運支店が箱崎定温物流センター内の一部でハラール認証取得、国内で2拠点目
    ☆日通が単身向け引越キャンペーン「単身パック・積んでみる1・5m3」を開始
    ☆運輸審議会安全確保部会が運輸安全マネジメント10年間の制度運用の課題点公表、評価対象範囲200台以上に拡大
    ☆ヤマト運輸、「働き方改革」の骨子決定 宅急便値上げなど盛り込む
    ☆日野自動車が12年ぶりに大・中型トラックのフルモデルチェンジを発表、ブレーキやエンジン性能向上
    ☆東京都、17年度貨物輸送評価制度の申請受け付けを5月8日から開始
    ☆JIFFA、16年度「国際複合輸送士資格認定・実用英語通信文講座」の成績優良者対象に修了証授与式開催

今週のユソー編集室

  • ▼2月に発生した、埼玉県美芳町のアスクル物流倉庫における火災事故は、今月7日に消防法違反の容疑で同社および子会社に警察の家宅捜索が入るなど、新たな展開をみせている。
    ▼容疑の内容については、保管商品に含まれていた可燃性のある危険物の総量が、基準を数倍上回っていたことなどと報じられており、それが事実ならば、同社がその実態を認識していたかどうかも問われそうだ。
    ▼12日には国交省と消防庁による大規模倉庫の防火対策検討会が開催され、火災時に機能しなかった防火シャッターについて、以前から障害物で閉まらない点を指摘されていたにもかかわらず、改善が図られていなかったことなどが明らかになった。
    ▼検討会ではまた、従業員の防火訓練が十分でなかった可能性も示唆されており、「本来であれば防げた大火災」だったのかもしれない。倉庫作業には外国人の活用も珍しくないが、防げる災害はしっかり防ぐよう、備えたい。

戻る