業界一丸で課題解決、坂本体制スタート 第93回通常総会開く 全ト協

全日本トラック協会は6月29日、東京都港区の第一ホテル東京で第93回通常総会を開き、貨物自動車運送事業振興センターとの合併に係る特別決議などを承認するとともに、新役員の選任では3期6年務めた星野良三会長の後任に坂本克己副会長を選定した。わが国の国民生活や経済活動を支えるトラック運送業界は、坂本新会長の下、長時間労働や取引条件の改善に向け、一丸となって取り組んでいく。
通常総会では、2016年度事業報告や貸借対照表案などを承認。特別決議では、全ト協と貨物自動車運送事業振興センターの吸収合併を承認した。合併については、11月初旬に変更認定申請などを内閣府に提出。来年4月1日に合併後の組織として事業を開始する。
役員の選任については、5月11日に開いた役員選考委員会で取りまとめられた会長候補者の選定案や理事・監事・会計監査人候補者名簿案が示され承認。総会後に開かれた第171回理事会で坂本会長らを選定した。
就任あいさつした坂本会長は、「現場で汗を流しているドライバーに自信と誇りを持ってもらえるよう、労働環境の改善を進めるとともに、給与も“世間並み以上”にしていきたい。そのためには、料金を含めた運賃を荷主からしっかり収受できるよう努める必要がある。トラック運送業界には、このほか、多層構造や利用運送事業などの問題があるが、今後は全国を回って皆さんの声を聴き、まとまった意見の下に一緒に行動していきたい」と述べ、業界一丸となって課題解決に取り組んでいくことが重要であるとの考えを強調した。
退任あいさつした星野前会長は、「60年間トラック運送業に携わってきたが、一度も嫌だと思ったことはない。経営者が“いい業界”だと信じれば、従業員もそう思い、周りの目も変わってくる。会長は退くが、トラックの仕事は死ぬまで続けたい」と語った。
役員の選任ではこのほか、退任した伊藤昭人、齋藤充両副会長の後任に、奈良幹男、竹津久雄両理事を新任。須藤弘三、千原武美、小林和男、小幡鋹伸、辻卓史、小丸成洋、粟飯原一平、眞鍋博俊の8副会長を再任した。なお、今回選定された副会長はいずれもブロック推薦によるものであるため、7月13日に開催の第172回理事会で会長による指名があらためて行われる。
また、退任した福本秀爾理事長の後任に桝野龍二元国土交通審議官が就任。細野高弘専務理事も退任したが、後任は置いていない。さらに、永嶋功常務理事も退任した。