ドライバー不足の対応として日本初となるダブル連結トラックの運行開始、休憩場所にも配慮 福山通運
福山通運(小丸成洋社長)は16日、愛知県北名古屋市の同社名古屋支店と静岡県裾野市の同裾野営業所間で、日本初となる車両全長25メートルのフルトレーラー「ダブル連結トラック」の運行を開始した。国土交通省の実験に参画する形で、幹線輸送の効率化と労働生産性向上を狙ったもの。
「ダブル連結トラック」は、いすゞ自動車、日本トレクスと開発。前方トラクタの最大積載量は12.9トン、荷室容積が61.0立方メートル、後方トレーラーの最大積載量は11.1トン、荷室容積が65.1立方メートルとなっており、全体の最大積載量は24トンで、大型トラックバンの約2倍となる。このほか、連結運行時の総排気量は、従来のトラック1台と同じ9.83リットルとなるため、環境負荷軽減にもつながる。
今回導入された「ダブル連結トラック」は1台で、名古屋支店~裾野営業所間を新東名高速道路などを通行して1日1往復する。
休憩するための停車場所として、浜松サービスエリア(SA)の上り下りに1マスずつ、藤枝パーキングエリア下りに1マス、静岡SA上りに1マスの合計4マスを確保し、連続運転時間が2時間を超えないよう配慮した。
福山通運は、2017年3月から国土交通省の「ダブル連結トラック実験」に参画。車両全長21メートルのバン型フルトレーラーを導入し、同区間で走行実験を行ってきたが、今回の「ダブル連結トラック」導入も、そうした取り組みの一環としている。
同社では今後、規制緩和の進展を見越して導入台数を拡大する計画で、幹線運行の自社便化推進により、運転有資格者(牽引免許保持者)が1300人以上在籍しているという同社ならではの優位性を生かしながら、ドライバー不足に対応する有効な輸送手段として活用していく考え。