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2018年2月19日付 2690号

働き方改革推進など第4次中期を策定、20年度売上高目標3千億円  福山通運

 福山通運(小丸成洋社長)は14日の取締役会において、2018~20年までの3ヵ年の第4次中期経営計画「Challenge’ Change 2020」を策定した。最終年度である20年度の経営目標として、売上高3千億円(16年度実績2556億円)、営業利益率5%以上(同4.3%)、自己資本利益率5%(同4.2%)、7日連続休暇取得を挙げている。

 事業別セグメントの目標では、運送事業の売上高2493億円(17年度予想比7%増)、営業利益133億円(同8%増)、ネットワーク事業では、売上高2213億円(同5%増)、営業利益108億円(同4%増)などとしている。

 新たな中期経営計画では、すべてのステークホルダーの満足の向上を目指し、前中期経営計画の企業価値を高める方針を引き継ぐとしている。具体的には、持続可能(Sustainable)な成長を目指して、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)のESGに加えて、従業員満足(Employee Satisfaction)に対する取り組みの「ESG+ES」が基本方針。

 「環境」では、輸送効率化やモーダルシフトによるCO2の排出削減や環境対応車の導入などを挙げた。「社会」に対しては、IoT、AIなどのICTを駆使した新しいサービスの開発に取り組むとしているほか、「企業統治」では、リスク管理体制の強化として、自然災害・事故における事業継続計画の整備やセキュリティ強化に取り組むとしている。

 「従業員満足」については、働き方改革による労働環境の改善として、労働力を確保し、休暇取得日数を増加させることやノー残業などの短時間勤務によるワークライフバランスの推進、女性が誇りを持って活躍できる職場環境の構築を目指すとしている。

アカウント営業の成果、第3四半期の国際業績は航空輸出2桁増継続が継続  日本通運

 日本通運(齋藤充社長)は13日、2017年度第3四半期国際業績を発表、国際航空の輸出が2桁の大幅増を継続している。

 国際航空の第3四半期売上高は326億7400万円の前年同期比26.9%増で、うち輸出は32.0%増と大幅に伸長。重量ベースも7万2717トンの20.2%増と好調。取扱量の伸びを売上高が上回る好循環にある。地域別では、米州向けは10.0%増、欧州向けは23.0%増、アジア向けは22.6%増といずれも2桁伸長を示し、取扱品目では自動車関連・半導体・電子部品等が好調に推移した。輸出は累計でも29.8%の高水準を維持している。

 当日の記者会見で航空事業支店統括部長の杉山千尋常務理事は、20ヵ月近く前年を上回る好業績を続けている点について、「アカウント営業の成果だと認識している。顧客との信頼関係を築き、一定の評価をいただけているものと理解しており、今後もアカウント営業を強化していく」と語った。

■第3四半期国際業績
 海外会社の売上高は990億1200万円の26.4%増、営業利益は36億4900万円の40.6%増。航空事業の売上高は431億2200万円の19.8%増。海運事業の売上高は324億100万円の1.3%増。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウォッチ(81) 『物流がトップランナーになる日(その2)~中国の無人倉庫・電子送り状・自動運転トレーラー~』
    ☆人物ウィークリー、国土交通省・伊藤博信大臣官房参事官(物流産業)

  • ☆日立物流が電子タグによる情報共有システムの実証実験に協力、都内コンビニ向け
    ☆全ト協の10~12月トラック景況感、判断指標が大幅に改善し14年4月以来のプラスに
    ☆ハマキョウレックスが福井県あわら市にあるニッセンの物流センターを取得、北陸へ初進出
    ☆佐川急便、秋田県で複数の路線バス会社と貨客混載の実証実験
    ☆JR貨物の田村社長がコメント、雪害の影響認めつつ鉄道黒字を依然死守
    ☆埼玉ト協が埼玉DMAT登録医療機関に災害医療チーム用車両を寄贈、これまでに19台
    ☆JR貨物、年度末輸送力はコンテナ1万個規模増強
    ☆住友ゴムが新中期経営計画策定、最終22年に売上高1兆1千億円目指す 欧米事業拡大へ
    ☆JR貨物が12フィート汎用コンテナのサイズ・容積を拡大、パレット化にも寄与
    ☆全ト協・国交省、テールゲートリフターの導入補助申請受付を開始
    ☆首都圏キットが新春研修会と賀詞交換会を開催、仲間と課題解決の道探る
    ☆SGHD、環境絵画コンクールの大臣賞作品をラッピングしたトラックを披露
    ☆国交省、特車審査期間増加への対応で許可期間最大4年への延長を検討 18年度中の実施に向け
    ☆日通総研、3月に業務改革セミナー開催へ
    ☆物流各社の業績(通期、第3四半期)

今週のユソー編集室

  • ▼2月8日から始まった平昌オリンピック。開会前から、寒くて風が強い厳しい気候が話題となっていたが、参加選手のほとんどが転倒したスノーボードの競技を見ても、開催場所の妥当性には疑問符が浮かぶ。
    ▼とはいえ、やはりスポーツの熱戦を見るのは楽しい。参加選手一人一人にドラマがあり、それらを紹介する番組などを視聴していると、競技に臨む選手への応援にも自然と力が入る。
    ▼一方で、残念な話題も飛び込んできた。東京の町工場が中心に製造した「下町ボブスレー」が、ジャマイカチームからオリンピックでの不採用を告げられたことだ。理由の一つに、昨年ドイツで開催されたワールドカップの会場に、輸送トラブルで器材が届かなかったことが挙げられている。
    ▼不採用の理由は、ボブスレーそのものの性能など、その他の要素の方が大きいに違いない。ただ、理由の一つに物流が挙げられてしまったことが、なんとも残念で仕方がない。

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