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2018年5月28日付 2703号

創業100周年の先見据え、ヤマトらしさ共有を ヤマトHD山内社長が労組中央研修会で講演

講演する山内社長

 ヤマトホールディングスの山内雅喜社長は25日、新潟県湯沢町の湯沢カルチャーセンターで開催された、ヤマト運輸労働組合(森下明利委員長)の中央研修会で講演。支部まで含め約1200人の組合幹部を前に、“ヤマトらしさ”の継続的な共有を呼び掛けた。

 山内社長はまず、昨年来の危機を乗り越えつつあるのは、現場の従業員が顧客からの信頼や期待を得ているからと指摘する一方、「安心してはいけない。期待を裏切れば信頼は一気になくなる」と警鐘を鳴らし①社員一人一人が顧客のことを考え生き生きと働けること②正直で誠実であること③世の中の期待に応える便利なサービスを生み出すこと―の三つの“ヤマトらしさ”を共有していくことが必要と訴えた。

 中期経営計画「KAIKAKU 2019 for NEXT 100」の中心に据えている働き方改革については、従業員の「働きやすさ」と「働きがい」を構築し、ヤマトの原点である「全員経営」を実践することが目標と強調。

 配達特化型ドライバー「アンカーキャスト」の導入や、一人一人の生活スタイルに合わせた人事制度等を導入することで、採用の枠を広げるとともに、SDが地域の顧客と密接に触れ合える以前のサイクルに戻し、自分自身の判断・行動で顧客の期待に応え、顧客の喜びを生み出す形に変えていくとした。

 中計では2019年度に過去最高益を計画していることについて「利益を生み出すことが目的ではない。働き方改革と省力化等につながる新たなテクノロジーへ投資していくため」と説明した。

 創業100周年となる2019年以降に関しては、中計で掲げた「2025年のありたい姿」を取り上げ、「ヤマトの基本が輸送であることは変わらない。今後は輸送で得られる膨大なデータを元に、輸送以外の分野でも世の中の期待に応えていく」と語り、集配車両に搭載したカメラで路面状況等の情報を収集し、道路管理者に提供することなど、現在行っている試験的取り組みを紹介した。

 山内社長は最後に「“ヤマトらしさ”を皆で守っていけば、次の100年も、なくてはならない企業、愛され大切にされる企業でいられる」と締めくくった。

リコーロジの株式取得し8月に連結子会社化、「業界トップ10」射程に  SBSHD

握手する鎌田社長(中央)と山下社長(右)(左はリコーロジの若松社長)

 SBSホールディングス(鎌田正彦社長)は18日の取締役会で、リコー(山下良則社長)からリコーロジスティクス(若松勝久社長)の発行済み株式の66.6%を取得し、連結子会社化することを決議。同日、都内で会見した鎌田社長は、リコーロジの子会社化によって2019年12月期には売上高が2400~2500億円になる見込みを示し、悲願であった「物流業界トップ10入り」が射程圏内に入ると説明した。

 会見で鎌田社長はリコーロジ子会社化の意義について、SBSグループがこれまでM&Aを通じて築いてきた物流ネットワーク・ノウハウに、リコーロジの持つ全国規模の生産物流機能などを付加することで、全国的な物流ネットワーク機能の強化が実現することに加え、リコーグループの持つ技術力を活用することによりセンターの機械化・自動化が加速すると説明。また、SBSグループの強みである物流センター開発に機械化・自動化のノウハウを盛り込むことで、物流不動産開発の事業モデルを一層加速させる考えを示した。さらに、リコーロジの海外ネットワークを取り込むことで、海外事業の強化が見込めるとした。

 リコーは保有するリコーロジ株の66.6%をSBSHDに譲渡するとともに、リコーと大塚商会で共同持ち株会社「ROホールディングス」を設立してリコーが66.6%、大塚商会が33.4%を保有する。これにより、リコーロジの株式はSBSHDが66.6%、ROHDが33.4%を保有することになる。

 リコーロジは、リコーの物流の約半分(物流費ベース)を手がけており、大塚商会が展開する「たのめーる」の物流業務を140万顧客の規模で受託している。

 この資本構造についてリコーの山下社長は、「“荷主連合”としてリコーロジの株式の3分の1を持つことにした」と説明。ROHDを中間に置く「2重構造」を通じて、リコーグループの物流強化と大塚商会を含めた既存荷主への物流業務提供継続、新規顧客の取り込みなどが実現するとの考えを示した。

 SBSHDを複数の候補からパートナーに選んだ理由について山下社長は、「社員を大事にしてくれる会社であるということ。また、幅広い物流ノウハウを持っており、物流不動産開発に関する知見についても期待している」とし、リコーロジのSBSグループ入りに強い期待感を示すとともに、「ここ2~3年でトラック確保の厳しさが増しており、このままではやっていけない」との危機感を抱いていたことを明らかにした。

 リコーからSBSHDへの株式譲渡は、8月1日に行われる予定。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集、2018年度日通グループ 全国安全衛生大会
    ☆アベノミクス物流にとって「吉」か「凶」か(101) 『黒田バズーカは不発だったのか(その3)』
    ☆物流応援歌(2)『上海にて(スマホ社会を考える)』
    ☆四文字 『国鉄貨物の「起死回生」』
    ☆日中ビジネスワンポイント(175) 『四字熟語』

  • ☆日通が18年3月期国際業績発表、海外・航空2桁増
    ☆陸災防が理事会・通常総代会開く、会長に渡邉日通会長を新任
    ☆鉄貨協が18年度社員総会開く、エコレールマーク普及へ
    ☆自民党倉庫議連が日倉協・日冷倉協から意見聴取、両協会は中小企業支援税制の延長等を要望
    ☆日本MH協会が総会を開催、MH大賞に伊東電機のIoT支援マテハン
    ☆矢崎エナジーシステム、6月にタイで求荷求車サービス開始へ
    ☆センコーHD、東京・潮見に来秋開業のホテル名称を決定
    ☆ヤマトグループのタイの合弁会社が小口保冷輸送サービスに関する国際規格認証を取得

今週のユソー編集室

  • ▼JR貨物関東支社では、新潟・長野地区の発着アンバランスを解消するため、支社管内の駅から対象地区向けの貨物について、列車によっては通常の6割引以上となる破格値を提供している。
    ▼ところが、開始から1年余りが経過したこの施策、利用はあまり進んでいないようだ。発着アンバランスの解消はことほど左様に難しく、往復実車化による積載効率の向上を目指すJR貨物にとっては、頭の痛い問題となっている。
    ▼価格戦略が通用しないのなら、積換施設を活用した12フィートコンテナの混載輸送など、全く新しい取り組みを進めていくべきではないか。あらゆる垣根を超えて、輸送の効率化を実現できないものか。

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