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2019年1月28日付 2733号

新年の物流を語る会で労働力不足や環境対応等、正副会長らが展望 働き方改革と生産性向上も  物流連

正副会長らが展望を語った

 日本物流団体連合会(田村修二会長)は23日、東京都千代田区の海運クラブで「新年の物流を語る会」を開催し、正副会長をはじめとする幹部が、それぞれの業界の展望等について語った。

 冒頭あいさつで田村会長は、国際情勢、昨年多発した自然災害、労働力不足に言及。このうち労働力不足については「一番重要な問題」として、技術革新や働き方改革による生産性向上がキーポイントになると指摘した。

 引き続き、渡邉健二全国通運連盟会長、伊藤豊JIFFA会長・JAFA会長、木納裕日本倉庫協会副会長、真貝康一JR貨物社長ら、物流連の各副会長・委員らが、本年の展望などを語った。

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千葉の柏SRCに無人搬送自律移動モデルを本格導入  SGL

二つのカーゴを無人で運ぶ

 佐川グローバルロジスティクス(SGL、森下琴康社長)は24日、千葉県柏市の東関東支店柏SRCに台車型自動搬送機の自律移動モデルを本格導入したと発表した。

 昨年12月に搬送業務の自動化による庫内作業の効率化・省人化を目指して、ZMP製の「CarriRo(キャリロ)AD」を試験導入していた。

 キャリロADは一度に数台の荷物を運ぶための補助として利用される事例が多いが、今回は荷物を積むのではなく、荷物を積んだ二つのカーゴとキャリロADを連結し、無人でカーゴを自動搬送する形での検証を行った結果、入荷検品から棚入れにおける倉庫内移動の搬送時間を1日当たり約3時間、距離にして約4キロメートル削減することが確認でき、大幅な効率化・省人化につながるとして本格導入したもの。

 キャリロADは150キログラムまでの荷物を自動搬送することができ、ランドマークと呼ばれる床面表示を読み込むことで、方向を認識して正確な自動搬送を可能にする。また、ランドマークにあらかじめ走行ルートをパターンとして設定し、タブレットで遠隔操作することで走行ルートを都度変更することもできる。柏SRCでは①入荷検品済みの商材を約70メートル先の格納場所まで搬送②格納場所から空容器を入荷エリアまで逆ルート搬送―の無人化搬送ルートを運用していく。

今週掲載トピック一覧

  • ☆運輸・交通両労連委員長に聞く 2019春闘展望
     運輸労連・難波委員長「今できること協議」
     交通労連・山口委員長「春闘は変わり目に」
    ☆物流業界の新年会
    ☆アベノミクス物流にとって『吉』か『凶』か(116)『消費税増税はアベノミクス終焉の引き金に(その4)』
    ☆四文字『昔日の虚しさ「事業区分」
    ☆日中ビジネスワンポイント(183)『新年好!(明けましておめでとうございます)』

  • ☆物流連が第5回物流業界研究セミナーを開催し学生ら380人超が参加、業界も視野に就活と前向きな感想多数
    ☆交通労連中央委で山口委員長が春闘に言及、要求額にこだわらず実質的収入増が大事
    ☆国交省が「我が国の物流システムの国際標準化等の推進に関する連絡検討会」の第6回会合開く、保冷宅配サービスの規格は早ければ20年にも発行へ
    ☆国交省が法人引越の不適切請求でYHCに行政処分、YHCの引越新サービスは来期に
    ☆国交省が「関係者の連携・協働による物流の生産性向上に資するシンポジウム」開催、2月19日に都内で
    ☆JR貨物がグループ社長会議開催、中期経営計画のローリング等説明
    ☆SG佐川タイがネパールの大手企業と提携し国際エクスプレス事業、2日から開始
    ☆ヤマト労組が春闘討論集会開く、労務管理の適正化へ実態把握と徹底を
    ☆ヤマト運輸が第4回全国SD接客応対コンテストを開催、東京支社の矢澤選手が優勝
    ☆建交労首都圏労使協が定例会とセミナーを開催、改正事業法の標準的運賃で労務費設定に懸念
    ☆国交省・全ト協が3~4月の繁忙期前に分散引越呼び掛け、人手不足など背景に
    ☆国交省が「プロドライバーの健康管理・労務管理の向上による事故防止に関するセミナー」開催、2月6日に都内で
    ☆JADMAが会員アンケート、再配達の意識調査で「把握している」は2割
    ☆埼玉西武ライオンズの辻監督が日通本社を訪問

今週のユソー編集室

  • ▼物流連は23日、新年恒例の「物流を語る会」を開催した。本号でも記事として取り上げているが、物流連に加盟する各協会等の幹部が、昨年の振り返りと新年の展望を述べている。
    ▼そこで語られた本年の展望では、やはり米中貿易摩擦の行方を懸念する声が多かったように思う。この問題は単なる経済摩擦ではなく、経済的・軍事的両大国の覇権をかけた争いである点が、先行きをさらに不透明にしている。
    ▼ますます加速化するグローバル経済と、それに呼応するように広がる「自国第一主義」の流れ。背景にくすぶる各国民の不満とも併せ、得体の知れない不安をぬぐえぬ「きな臭い」1年となりそうだ。

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