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2019年9月23日付 2763号

SIPスマート物流について研究機関を再公募、データ基盤構築へ  国交省

 国土交通省は9日、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期で採択された「スマート物流サービス」について、「物流・商流データ基盤に関する技術」と「省力化・自動化に資する自動データ収集技術」の二つのテーマについての研究開発機関の公募を開始した。公募期間は、「物流・商流データ基盤に関する技術」が10月7日、「省力化・自動化に資する自動データ収集技術」が10月21日まで。

 SIPは、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議が選定するプログラム。

 第2期で採択された「スマート物流サービス」は、ヤマトホールディングスの田中従雅常務執行役員をプログラムディレクター(PD)に据え、5年間にわたりIoTやBD(ビッグデータ)、AIなどを活用して、物流・商流に関するオープン型データプラットフォームの構築に向けた検討や開発、実証実験を進める計画で昨年度スタートした。

 昨年8~9月には研究開発機関の公募を行ったが、産官学の「オールジャパン」での取り組みというプログラムの理念に対し、応募企業・団体の応募数やバランスが十分でなかったことなどにより、計画を含めて見直しを行い、今回の再公募となった。

 再公募開始後の9月12~13日には東京と大阪で説明会を開き、産官学の関係者にあらためてプログラムの目的や研究内容などについて紹介した。

 12日に東京都千代田区のTKP新橋カンファレンスセンターで説明を行った田中PDは、昨年の公募では、応募企業・団体の構成が「偏った形になった」と説明した上で、再公募に向けてサプライチェーンに関係する11業界約50社からヒアリングを行ったことを報告。その結果、「日用消費財」「ドラッグストア・コンビニ等」「医薬品医療機器等」「地域物流」の四つの業種を対象に、SIPスマート物流サービスの研究開発を進める方針を固め、「物流・商流データ基盤に関する技術」と「省力化・自動化に資する自動データ収集技術」の研究開発機関の公募を開始したことを説明した。

第64回事業者大会を開催、1都7県一致団結し業界の声広く発信  関東ト協

事業者大会の模様

 関東トラック協会(浅井隆会長)は6日、山梨県甲府市の甲府記念日ホテルで第64回事業者大会を開催した。

 冒頭あいさつで浅井会長は「貨物自動車運送事業法の一部改正によって、荷主への配慮義務の新設や、荷主勧告制度の強化、2023年までの時限措置である、国土交通大臣による荷主への働きかけや、標準的な運賃の告示制度の導入など運転者の労働条件の改善に向けたさまざまな取り組みが政府主導で行われているものの、大多数の運送事業者が依然として大変厳しい経営を強いられており、トラック運送業界を取り巻く経営環境は予断を許さない状況にある。この難局を乗り切るためには、1都7県の協会が一致団結し、トラック運送事業の切なる声を業界の内外へ向けて広く発信していくことが重要」と呼び掛けた。

 引き続き山崎正専務理事が、前年大会後に行政に対して行った要望の結果について報告。

 自動車税における営自格差の見直し阻止、東京オリンピック・パラリンピック開催時の首都高速道路の日中料金の上乗せに、事業用車両は対象車両から除外されることのほか、天然ガストラックに対する補充継続、働き方改革の推進(ホワイト物流推進運動の展開等)の予算に1億5千万円措置されることなどについて、成果があったとした。

 記念講演では、歴史作家の宮江隆之氏が『武田三代と戦国武将に学ぶリーダーシップ』と題して登壇し、リーダーの条件などについてスピーチした。

 引き続き山梨県トラック協会青年部の森田嘉幸部会長が、貨物輸送の安全確保に向けた大会宣言を読み上げ、満場一致で採択された。

今週掲載トピック一覧

  • ☆人物ウィークリー、国土交通省総合政策局・飯塚秋成物流政策課長

  • ☆日通が中国~欧州間の鉄道輸送を利用した日本発欧州向けの複合一貫輸送で中国・厦門経由の新サービス開始
    ☆ヤマト運輸が新サービス「宅急便は、スマホで送れる。」を機能拡充し積極PR、利用拡大に注力
    ☆カンダHDがダッシュ活動、ドライバー部門最優秀賞は東海CSセンターに
    ☆交通労連が定期大会で新委員長に園田氏を新任
    ☆ヤマト労組が定期大会を開催し高橋・杉山副委員長を新任
    ☆ヤマト運輸労組がヤマト福祉財団・あしなが育英会にカンパ金約8700万円寄付
    ☆国交省がASV・ドラレコ補助等の申請受け付け開始、事故防止を推進
    ☆全ト協・日貨協連、8月のWebKIT成約運賃指数は前年同月と同じ130に
    ☆赤羽国交大臣が就任会見で抱負、荷主の理解促進には政府一体で取り組む
    ☆JR貨物が駅の安全性・利便性向上を図り2022年度上半期までにTRACEシステムを更新すると発表、トラックドライバーアプリと連携
    ☆JR貨物・通運連盟が今年もコンテナ輸送品質向上キャンペーン展開、私有コンテナの講習会など開催
    ☆日通商事が再生可能エネルギー用新バルクコンテナ開発
    ☆国交省自動車局石田安全政策課長が「事業用自動車総合安全プラン2020」の目標達成は困難との見解示す、事故防止に一層努めてもらうよう呼びかけ
    ☆国交省が「高速道路における安全・安心基本計画」を公表、トラック隊列走行見据えた環境整備盛り込む
    ☆国交省が三級自動車整備士相当の特定技能外国人が誕生したと発表、人材不足への対応で
    ☆東ト協がトラックフェスタ開催、3万2千人が来場
    ☆全日通商事労組が定期大会開催し吉川新委員長を選任
    ☆JA-LPAが10月18日に第13回セミナー『「令和」新時代の物流不動産~物流不動産の大きな曲がり角、今何が起きているか?その背景と未来予想~』開催
    ☆東ト協港支部が秋の全国交通安全運動に協力、一日署長に貴乃花光司氏
    ☆日本生産技能労務協会が「物流人材サービス特別セミナー」開催、同一労働同一賃金への対応など
    ☆埼玉ト協が交通事故撲滅を目指し交通安全大会を開催、1160人が来場
    ☆新潟運輸が女性専用車両「姫トラ」にUVカット仕様の最新車両導入
    ☆SBSHDが第2回フォークリフトオペレーターコンテストを開催、SBS即配サポートの西江選手が優勝
    ☆データ・テックが「第29回SRお客様交流会」を開催、グランプリの表彰も

今週のユソー編集室

  • ▼8~9日にかけて首都圏を直撃した台風15号は、千葉県を中心に大きな爪痕を残した。被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げる。
    ▼家屋の被害に加え、いまだに続く停電や断水などにより通常の生活に戻ることができない方々の生活を思うと、秋空のすがすがしさを素直に喜ぶことができない。
    ▼今回の台風では、鉄道各社の「計画運休」が大規模かつ本格的に実施された。多くの足に影響が出たが、特段のトラブルが見られなかったのは、利用者や企業が事前に対策を講じた結果だろう。
    ▼悪天候時の運行見合わせの判断はトラックにも求められる。無理な運行で危険を強いられることがないよう荷主の理解が不可欠だ。

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