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2019年9月9日付 2762号

働きやすい環境構築し、強みをさらに強く 今後の方針など語る  佐川急便本村社長

会見する木村社長

 佐川急便の本村正秀社長は4日、都内で専門紙誌記者団と会見し、今後の事業運営や展望などについて語った。

 本村社長は1980年に当時の東京佐川急便に入社。2005年に佐川急便の専務取締役を退任し、出版やタクシー会社の役員を歴任した後、15年にSGホールディングスグループに復帰した自身の経歴を振り返り「佐川急便にはシステムの素晴らしさや従業員の団結力の強さなど、外部に出て初めて気づく強みがあった。今後は強みをさらに強くして、改善すべきところを改善していきたい」と抱負を述べた。

 また、キャリアを通じて顧客に信頼されることを大事にし、外部では従業員の定着率向上に努めたことなどにも触れながら「従業員一人一人がやりがいをもって生き生きと働けるよう、今以上に働きやすい環境を構築していきたい」と述べ、人材確保の観点からも「若い人たちにあの会社で働きたいと思ってもらえるよう新しいものにチャレンジし、良いサービスを皆で作り上げていきたい」と強調した。

 事業運営については「これまでの流れは変えない」と言及。宅配便の取扱個数増大を図るとともに、重量物・特殊貨物・軽貨物など宅配以外の分野を包括的に扱うTMS(Transportation Management System)を事業の柱に育てていく方針を示した。

 このうち宅配便の取扱個数増大については、現在東京都江東区で開発中の大型物流施設「Xフロンティア」に入居する佐川急便の中継センターが、全国24ヵ所ある同センターの中でも最大規模になるとした上で、稼働後の仕分能力が理論値として16%向上するとの見通しを明らかにし、デジタル化などの業務効率化策とも併せ、セールスドライバー(SD)が営業活動を行う時間を生み出し、取扱個数を拡大していく方向性を示した。

 また「約100万社ある顧客にSDがほぼ毎日顔を出し、物流に関する課題を聞いていることが当社の財産」と表現し、潜在的な需要を掘り起こせる人材の育成にも力を入れていくとした。

 一方で通販業界から課題視されている宅配便の適正運賃収受に関しては「やみくもにやっているわけではない」として、人材確保や外部委託費の増加などコスト増が重なっていることを指摘し、理解を求めた。

 【本村正秀(もとむら・まさひで)佐川急便社長略歴】1960年3月生まれの59歳。80年4月東京佐川急便入社。2005年3月佐川急便専務取締役、同年9月JL社長、07年7月ANZENGroup社長、11年6月Kmホールディングス取締役、12年8月国際自動車取締役、15年3月SGフィルダー理事、18年3月佐川急便理事、同年6月同社取締役輸送ネットワーク・品質担当、19年4月同社社長。

 好きな言葉は「至誠通天」。福岡県出身。

消費増税で宅急便運賃改定しキャッシュレス決済促進、割引の拡充も  ヤマト運輸

 ヤマト運輸(栗栖利蔵社長)は4日、消費税増税に併せて10月1日から宅急便をはじめとする運賃・料金等を改定すると発表した。宅急便については「キャッシュレス決済運賃」と「現金決済運賃」の2種類とし、「デジタル割」の割引額拡大などにより、宅急便決済のキャッシュレス化を積極的に進めていく方針を打ち出した。

 宅急便の運賃改定は左表のとおり。宅急便と宅急便コンパクトのみに新設される「キャッシュレス決済運賃」は、直営店持ち込みまたはドライバー集荷で宅急便を発送する際に「クロネコメンバー割」「電子マネー」「ApplePay」「クロネコペイ」「キャリア決済(ドコモ払い、auかんたん決済・auWALLET)」で運賃を支払う場合に適用される。

 「現金決済運賃」は、現行の税抜き基本運賃に消費税率10%を乗じ、1円単位を切り上げた10円単位とする。着払いの場合は決済種別に関係なく「現金決済運賃」が適用される。

 クール料金、タイム料金、空港手数料など宅急便のオプション料金や宅急便以外の商品については、現行の税抜き基本運賃に消費税率10%を乗じた1円単位とする。

 包装資材については、現行の税抜き料金に消費税率10%を乗じて10円単位とし、原材料費等の高騰を受け、一部包装資材料金を改定する。

 割引サービス拡充については、店頭端末ネコピットなどで発行したデジタル送り状を利用した場合などに適用される「デジタル割」の割引額を、現行の50円から60円に変更するほか、宅急便運賃が割引となる「クロネコメンバー割の1回当たりのチャージ下限金額を、現行の5千円から3千円に引き下げ、キャッシュレス決済の利用を促していく。また、同社の宅急便センターで宅急便荷物を受け取る場合に適用される「宅急便センター受け取りサービス」の割引額を、現行の54円から60円に拡大する。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウォッチ(100) 『中国中西部地域における国際輸送ルート開発に関する考察(2)~「西部陸海新通路」の構築~』
    ☆四文字 『守れない「定額運賃」』

  • ☆日通が和歌山支店雑賀埼ロジスティクスセンター―竣工
    ☆西濃運輸が大型ハイブリッドトラックを世界初導入、山口~岐阜間に2台投入
    ☆日貨協連、ロボット点呼を浅井の事業所に導入
    ☆YHCが単身引越サービスを刷新、17日から受注再開
    ☆日通が北海道で大型トラックのレベル4自動運転実証実験
    ☆国交省、ホワイト物流推進運動で賛同企業200社超に
    ☆佐川急便、ヤフーと連携して配達予定事前通知
    ☆ヤマト運輸が宅急便の発送手続きをスマホ上で完結させる新サービス開始、オンライン決済も導入
    ☆佐川急便が門司港活用の新スキームの提案営業開始、調達物流を効率化
    ☆日通と佐川急便が大阪府警から感謝状受ける、G20サミットへの協力で
    ☆SBSゼンツウが生活部門接客達人コンクール開催、優勝に茅根選手
    ☆JILS、18年度の物流システム機器売上高は前年度比26.6%増で過去最高を記録
    ☆JILS、19年度ロジスティクス大賞はトヨタとデンソーエスアイに
    ☆社整審国土幹線道路部会が高速道路基本計画の素案審議、暫定2車線区間の半分をおおおむね10年以内に4車線化
    ☆NTTロジスコがメディカルライナーの配送対象エリアを拡大
    ☆国交省がハイブリッドトラックへの導入補助など2事業の公募開始
    ☆JR貨物が本社防災訓練実施
    ☆日通が国立科学博物館の「3万年前の航海徹底再現プロジェクトに協賛

今週のユソー編集室

  • ▼いよいよあと3週間余りで消費税増税が行われる。当初は2015年10月を予定していたが、2回の延期を経て4年遅れての実施となる。
    ▼報道では、ややこしい軽減税率の取り扱いなどが取り上げられているが、今のところ5%から8%に増税された14年4月の直前に見られた駆け込み需要などは報じられていないようだ。
    ▼14年の増税直前の物流の現場は、16年の“宅配クライシス”をも上回る“地獄”であったと聞く。荷主と物流事業者の力関係の変化は、その時から始まった。“地獄”の再来は勘弁願いたいところだが、駆け込み需要の発生しないこの不気味な静けさが、消費低迷の前兆のようにも見えてくる。

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