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2021年3月1日付 2830号

九州新幹線で貨客混載輸送に向けた実証実験を公開、GW明け事業化へ  佐川急便 JR九州

博多駅での荷物積卸 新幹線車両への積込

 佐川急便(本村正秀社長)とJR九州(青柳俊彦社長)は2月24日、九州新幹線を活用した貨客混載事業実施に向けた実証実験を報道公開した。新幹線車両の未使用となっている車内販売用の部屋を活用して、福岡~鹿児島間の宅配荷物を貨客混載輸送するもの。

 実験は鹿児島中央正午発・博多午後1時37分着の「さくら402号」と、博多1時13分発・鹿児島中央2時49分着の「さくら411号」を利用して、作業上の課題などを抽出する目的で実施。

 鹿児島発では、朝採れ野菜を、指宿市の農作物集荷場から約70キロメートル離れた鹿児島中央までトラック輸送し、博多まで混載輸送した後、トラックに積み込むまでを、福岡発では空の段ボール箱を荷物に見立て、博多の荷物搬入口でトラックから取り降ろし、鹿児島中央まで混載輸送した後、佐川急便の鹿児島営業所へトラック輸送するまでを行った。

 新幹線車両への積卸はJR九州商事が担当し、混載輸送時には荷物を積載した部屋を施錠する。

 両社は今回の実験結果を踏まえ、今後具体的な料金設定や列車の選定、需要開拓を進めた上で、本年ゴールデンウィーク明けの事業化を目指していくとしている。

 実験後の会見に出席した佐川急便の萩原健二営業部商品企画課長は、事業の目的について①九州エリアの地産地消拡大②福岡~鹿児島間の当日配送網確立③緊急出荷商品の納品時間短縮④生鮮食品の輸送時間短縮⑤長時間運転の抑止やCO2削減―などと説明。

 これまで鹿児島~福岡間のトラック輸送で4時間程度かかっていたものが、1時間半程度まで短縮されることから、特に生鮮品の輸送などでニーズが期待できる点を強調するとともに、少量荷物の急送ニーズにもスムーズな対応が可能になると語った。

 JR九州の加藤邦忠営業部営業課長は、新型コロナウイルス以前から検討を進めてきたことを説明した上で「コロナ禍で乗客も減少しており、新たな事業の柱にしたい」と期待感を示した。

デジタル化推進など資本・業務提携を強化、経営効率向上も  トナミHD DTHD

 トナミホールディグス(綿貫勝介社長)とディー・ティー・ホールディングス(武藤幸規社長)は2月22日、長期的かつ継続的な協業関係の構築を目的として、資本・業務提携を行うことで合意し、株式譲渡契約を締結すると発表した。

 両社は、すでにそれぞれの中核事業会社であるトナミ運輸と第一貨物との間で業務提携を行っているが、ECの加速やサプライチェーンの変化への対応など、物流業界の環境変化に迅速に対処するため、提携関係を強化するもの。

 資本提携については、トナミHDがDTHDの発行済み普通株式を既存株主との相対取引で取得し、DTHDがトナミHDの発行済み普通株式を市場買付等で取得する形で行う。

 取得額等については非開示だが、議決権所有については、双方の支配権行使には該当しないとしている。

 業務提携では、これまでの業務に加え、両社の持つ資産の共同利用・開発を通じた資産効率向上・運営コスト低減を目指すほか、物流情報のデジタル化推進による物流業務効率化等にも取り組んでいく。

今週掲載トピック一覧

  • ☆引越特集(1)
     各社の施策
      日通
      トナミ運輸
      三八五流通
      セイノー引越
      アート
    ☆経済と物流の表裏分析(9)『今年の景気は物量は?(その4)』
    ☆四文字 『戦後に見る「回復過程」』

  • ☆日通が「東日本医薬品センター」を竣工させ、医薬品サプライネットワーク構築計画の4拠点すべて竣工
    ☆運輸労連の2021春闘、大手組合の要求ほぼ出そろう
    ☆SBSHDの鎌田社長が決算説明会で今後の戦略語る、DXで物流改革を
    ☆国交省が加工食品物流生産性向上懇談会飲料・酒物物流分科会開く、ガイドライン案など審議
    ☆日本郵便、オートロック付マンションなど屋内のラストワンマイルでの配送ロボットの可能性を検証する国内初の試行実施へ
    ☆ハマキョウレックスが栄進急送・マルコ物流の発行済み株式を100%取得、3PLを強化
    ☆ヤマト運輸がデンソーと共同して小型モバイル冷凍機開発、各種配送に対応
    ☆日通が中国とベトナムを結ぶ国際鉄道を利用した中国・蘇州発ベトナム・ハノイ向けクロスボーダー鉄道輸送サービス開始へ
    ☆日立物流が水戸輸送センターを開設、輸送事業の強化へ
    ☆ヤマト運輸、「EAZY」の置き配を希望するマンション居住者対象にデジタルキーを活用しセキュリティ強化の新機能を追加
    ☆ホームロジが鳥取・島根両県内でコーナンと共同配送、トラック1割削減
    ☆全ト協青年部会が動画配信で全国大会、「つなぐ想い」を共有
    ☆日通が一つの梱包でスマートフォンを一度に16台分をまとめて運べる新たな国内サービスを全国で販売開始

今週のユソー編集室

  • ▼経済同友会の物流に関するプロジェクトチーム(PT)が先日、シンポジウムを行った。同PTは、2年前にいち早く外国人ドライバー解禁を訴えるなど、先鋭的な提言で注目を集める存在だ。
    ▼シンポジウムでは、現場末端までのフルデジタル化を進めるため、個人トラック事業主を認めるべきとの意見が出た。個人事業主は費用対効果に鋭敏で、自身の増収につながる投資には積極的だという。
    ▼こうした意見は、業界に極めて大きな変革を強いる内容だけに、賛否両論が巻き起こるだろう。だが、非効率な物流を改善するために、手法に関するさまざまなアイデアを出し、議論することは、決して無駄な作業ではないはずだ。

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