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2021年12月20日付 2868号

カスハラ被害で2万人アンケート 迷惑行為「あった」26% 交運労協

 交運労協(住野敏彦議長)は10日、東京都港区の田町交通ビルで記者会見し、交通運輸・観光産業に従事する人たちが客から暴言や悪質クレームなどを受ける「カスハラ」(カスタマーハラスメント)の実態に関する調査結果を公表。「直近2年以内に利用者からの迷惑行為があったか」の質問に対しトラック運輸産業では、「あった」が回答4248件中1118件の26.3%となり、内訳は「暴言」468件、「威嚇・脅迫」200件、「何度も同じ内容を繰り返すクレーム」141件、「権威的(説教)態度」132件など、エッセンシャルワーカーとして従事するトラック関係者が受けている被害の実態が浮き彫りになった。

 記事全文は電子版から。

来春建設のコンテナヤードをサウジ初の経済特区に 山九

 山九(中村公大社長)は16日、来年春にサウジアラビア西岸に位置するキングアブドラ経済都市(KAEC)にコンテナヤードを建設し、コンテナデポおよび倉庫の営業を開始すると発表した。

 現地法人の山九サウジアラビアが、今回の進出に先駆け11月にKAECを管理する会社と20年間の賃貸借契約を締結した。賃借面積は6万5727平方メートル、倉庫面積は2千平方メートルの規模で、化成品などを取り扱う。ヤードの名称はKAEC CONTAINER YARD。KAECには世界各国から自動車メーカー等を中心とした企業が進出しており、2022年末までには200社の進出が見込まれるサウジアラビア初の経済特区。

 また、KAECに隣接するキングアブドラ港は世界でも有数の効率性の高い港とされ、サウジアラビア西部最大の工業地帯のYANBU地区から240キロメートル、世界最大級の石油精製・石油化学コンビナートを有するラービグ地区からは30キロメートルと良好なアクセスに恵まれ、それらの地域で出荷される商材の輸出港としての取り扱い増加が期待されている。

 同港で取り扱いされる貨物の一時保管場所として、利便性に優れた場所に位置しており、今後、同地とマレーシアで来年9月に開設予定のアジアハブセンターを軸としたグローバルネットワークを充実させ、さらなる事業拡大を進めていくとともに、将来的には保税地域への進出も目指すとしている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆物流界のトップトピック『ゆく年2021』
    ☆経済と物流の表裏分析(28)『トリガー条項発動に関する考察(その2)』

  • ☆全ト協が21年度Gマーク認定取得事業所数を公表、全国で32.1%に
    ☆首都高速が来年4月に大口・多頻度割引の最大割引率を拡充
    ☆JR貨物が佐川急便との人事交流で定型的商品開発も視野に協議
    ☆自民党・公明党、22年度税制改正大綱まとめる
    ☆日通が3社のペンチャーキャピタルファンドに出資
    ☆JR貨物が来年1月31日から集配トラックドライバー用アプリを全国6駅で試運用
    ☆日貨協連が来年2月までAIロボット点呼機器の特別キャンペーン
    ☆群馬ト協が県立高校で物流出前授業、将来の人材確保に向け
    ☆全ト協が青年経営者等による先進的な事業取り組みに対する顕彰の受賞事業者公表、金賞は丸憲運輸に
    ☆東ト協が理事会で知事ヒアリングの内容など報告、交付金増額求める
    ☆博覧会協会が大阪・関西万博の「場内貨物取扱指定事業者」と「推奨物流事業者」を選定
    ☆JR貨物が第21回鉄道貨物論文賞の表彰式開催、鉄道貨物輸送の強化へ
    ☆日通が中国事務所設立40周年記念式典を来賓迎え上海市で開催
    ☆国交省・経産省・日本ロジスティクス協会、21年度グリーン物流パートナーシップ会議で10件の取り組みを表彰

今週のユソー編集室

  • ▼『「コロナに明け、コロナに暮れる」。そんな1年が間もなく終わる』と書いたのは、昨年の年末号だった。あれから1年が経過したが、今年もまた、似たような感想を抱いている。
    ▼ワクチン接種の進展などもあって感染状況は好転したが、燃油の高騰や世界的な物流の混乱、半導体不足の顕在化などが製造業の足を引っ張り、全体的な底上げ感は乏しい。
    ▼物流業界では、総合物流施策大綱が策定され、今まで遅々として進まなかったDXや標準化が進み始めたほか、改善基準告示の見直しに向けた協議が本格化している。間もなく訪れる新年が、業界の人手不足解消に一歩でも近づける年になるよう、強く願いたい。

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