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2022年8月8日付 2898号

インタビュー (一社)全国物流ネットワーク協会会長 森日出男氏
構造的な課題の解決へ 会員相互が共創して新たな仕組み作る

 ――全流協の果たすべき役割は。

 全流協は、東京地区における当時の路線トラック事業者の団体「東京路線トラック運賃指導委員会」として1953年に誕生し、その後「東京路線トラック協議会」などと名称を変更して現在に至っています。本年で創立69年を迎える非常に長い歴史をもった団体で、現在の会員数は特積み事業者を中心に65社となっています。トラック運送事業の市場規模約15兆円のうち、会員事業者の売上高合計が約7兆円に上る、規模の大きな企業で構成された団体だと認識しています。

 今後の人手不足問題や社会的なインフラとして継続的に安全・安心なサービスを提供していくためには、やはり労働環境改善や業務効率の向上が必須の課題となってきますが、個社別の対応ではこうした構造的な課題の解決は難しいのが現実です。ですから全流協の使命は、トラック運送事業を経済や国民生活を支える国のインフラとして、会員が一致協力して課題の解決を図るとともに、業界の社会的地位を高めていくことと考えています。

 良好な競争関係を維持しながら、会員相互が共創・協創して新たな仕組みやシステムを作り上げていくことが運営の根幹で、それはこれまでも、これからも、変わりません。

記事全文は電子版から。

北海道ロジサービスとTSUNAGUTEの取り組みが本年度ロジスティクス大賞受賞、準大賞には日立物流 JILS

 日本ロジスティクスシステム協会(大橋徹二会長)は1日、第39回ロジスティクス大賞・準大賞・特別賞を発表した。

 ロジスティクス大賞を受賞したのは、北海道ロジサービスとTSUNAGUTEによる「製・配・販・輸送をコネクティッド、日本初の滑らかな物流DXを実現~コープさっぽろ納品関係者全ての連携~」。

 コープさっぽろに納品している加工食品、飲料、菓子メーカー約400社、卸商8社、道内輸送事業者約20社を対象に、物流情報連携の必要性と意義、達成手段などを1社1社説明し、これまで寸断されていた各社の物流情報をクラウド型共通システムを活用することで納品伝票の統一、電子受領と製・配・販・輸送の関係者への情報連携、可視化を大規模で実現。400社超を巻き込んだ取り組み内容の規模や成果に加え、問題解決に向けた努力面、また得られた成果がもたらす経営面、社会面の革新度、波及効果などが高く評価された。

 準大賞・特別賞の受賞企業名・テーマは次のとおり。

 ◎ロジスティクス準大賞=日立物流「メディカル物流におけるオートメーションの新たな形~7社協創で挑んだ、日本初完全無人ケース仕分けシステムの開発~」。

 ◎ロジスティクス大賞特別賞=エーディエフ・合通ロジ「組み立てが簡単な物流ボックスで積載率向上~荷役作業とCO2削減で人にも環境にも優しい物流を実現~」

 ◎ロジスティクス大賞特別賞=ハコベル・TBM「CO2の間接排出量(Scope3)のリアルタイム可視化システムの実現~業務負荷をかけずにCO2排出量を可視化するための取り組み~」。

 表彰式および各賞受賞記念講演は、9月22日に開催されるロジスティクス全国大会2022で行われる。

今週掲載トピック一覧

  • ☆インタビュー-(一社)全国物流ネットワーク協会会長・森日出男氏
    ☆2024年問題への対応(8)『カンダホールディングス』

  • ☆日本通運、日本初米国向けBCP対応型の新会場混載サービス開発
    ☆国交省がマレーシアで世界初の日本発コールドチェーン物流規格認証授与式を開催と発表
    ☆国交省が働きやすい職場認証制度に「二つ星」を追加、12月から申請受け付け開始
    ☆全ト協が21年度のトラック運送事業の賃金・労働時間等の実態公表、賃金は特積み・一般とも前年度比増加に
    ☆セイノーグループのLOCCOが関連2社と業務提携し置き配開始へ、順次対象を拡大
    ☆日立物流、サプライチェーン最適化サービスで提供するCO2排出量可視化ツールが第三者機関から適合性評価と発表
    ☆SGムービングが廃棄物業務一元管理システムを提供するグリーナーと共同してSGエコープ発売、廃棄物業務全般をDX化
    ☆厚労省が21年のトラック労基法関連違反に関する監督指導結果を公表、違反率は8割超も微減傾向
    ☆国交省が第2回官民物流懇談会開催、パレット循環スキームについて物流連の小委で検討へ
    ☆東ト協が4年ぶりにドラコン開催、総合優勝に西濃運輸の菊池選手
    ☆プラスオートメーション、2段式走行仕分ロボットを千葉県のセンコー施設に導入

今週のユソー編集室

  • ▼国土交通省はこのほど、第2回官民物流標準化懇談会を開き、6月に公表されたパレット標準化推進分科会の中間取りまとめに盛り込まれた取り組みを進めていくことを確認した。
    ▼柱の一つであるパレット標準化の必要性に関する社会や荷主への周知は非常に重要で、懇談会のメンバーである経済団体や物流関係団体、関係省庁などが、あらゆる機会やチャネルを通じて、パレットを活用しなかった場合の「運べなくなる可能性」も含め周知に努めてほしい。
    ▼さらに、パレット化の恩恵を直接受けるドライバーの視点も忘れてはならない。「非人間的」とも称される手荷役の実態を含め、広く知ってもらう必要がある。

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