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2022年11月7日付 2909号

労働局と運輸支局長が優良企業を合同訪問 岡山労働局・岡山運輸支局

鶴信運輸のスワップボディ車両

 岡山労働局と岡山運輸支局はこのほど、厚生労働省の「過重労働解消キャンペーン」の一環として、中四国地方では初めて両局長が合同で県内の優良運送事業者を訪問すると発表した。実施日時は21日午前10時から1時間半程度で、成毛節岡山労働局長と出口敦岡山運輸支局長が、岡山市中区の鶴信運輸を訪問する。

 鶴信運輸は岡山・広島・山口・兵庫・神奈川の各県に拠点を構え、従業員約160人・車両約130台の規模で、一般貨物自動車運送事業と産業廃棄物収集運搬事業を展開している。

 働きやすい職場づくりや長時間労働の削減に向けた取り組みでは、スワップボディコンテナ車両による中継輸送の導入で日帰り運行を実現したほか、コンテナの切り替え作業をドライバー以外が行うことで労働時間短縮も図った。年次有給休暇についても取得率の向上を図っており、2021年に取得率52%を達成。このほか休憩室に酸素カプセル等の健康器具を設置するなど健康経営にも取り組んでおり、20年には「働きやすい職場認証」を取得している。

 両局長は鶴信運輸の経営トップから、これらの労働時間削減やドライバー不足解消に向けた具体的な取り組み事例を聞くほか、従業員も交え意見交換などを行う予定。

 厚生労働省では、過労死等の防止の重要性について国民の関心と理解を深めるため、毎年11月を「過労死等防止啓発月間」と定め、過重労働解消キャンペーンの展開など各種取り組みを行っている。キャンペーンでは、都道府県の労働局長が働きやすい職場づくりや長時間労働削減に積極的に取り組む「ベストプラクティス企業」を訪問し、優良事例の周知を図っている。

 一方で岡山運輸支局は、2024年4月のトラックドライバーに係る時間外労働上限規制の適用が迫る中、トラック運送業界の働き方改革を業界全体に幅広く周知をしていく必要があるとして、労働局と合同でベストプラクティス企業を訪問することを決めた。岡山運輸支局はこれについて「省庁間でしっかりと連携を図りながら、これまで以上に安全・安心な輸送の確保に努めていく」としている。

ワンストップサービス強化など目的にEMCの全株取得 SBSリコーロジスティクス

 SBSリコーロジスティクスは1日、株式譲渡契約締結により、物流設計、システム開発、倉庫・人員手配などを手掛けるEMCの全株式を取得した。

 EMCは2016年創業。物流設計、システム開発、倉庫・人員手配、マテハン導入、協力会社紹介、営業支援、業務改善など、物流に関する幅広いニーズにワンストップで対応し、顧客の「困りごと」を解決してきた。

 SBSリコーロジスティクスでは、顧客の商品である機械や設備の部品交換が発生した際に、必要な部品を配送する「サービスパーツロジスティクス」の強化を目指しており、EMCをグループに迎え入れることで、24時間365日対応、緊急配送、キッティングや交換・修理などの特殊サービスへの展開が可能になるとしている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆エコモ財団がエコドライブ活動コンクールの22年度受賞事業者発表、国交大臣賞に磐城通運
    ☆ヤマト運輸が燕市と包括連携協定、道の駅までの農産物輸送の実証実験を7日からスタート
    ☆SBS東芝ロジスティクスが大阪湾岸エリア4拠点目の物流施設「住之江物流センター」開設へ
    ☆SGHD決算会見、ロジ事業の売上高減少も全体ほぼ計画どおり
    ☆三菱倉庫が大阪府の茨木地区に5号配送センター竣工、医療品配送の集積地に
    ☆国交省が全国貨物純流動調査(物流センサス)の21年調査結果を発表、貨物出荷量はコロナ禍で8%超減少
    ☆SGHDが冊子「SDGsコミュニケーションブック2022~脱炭素特集~」発行
    ☆澁澤倉庫が千葉市花見川区での飲料物流特化型新拠点の開発計画発表
    ☆三菱倉庫が室温医薬品物流サービスの配送体制を拡充へ
    ☆SBS即配サポートが接客マナーコンテスト開催、埼玉支店の武田選手が優勝
    ☆国交省・堀内自動車局長、大雪時の運行見直しなど荷主に理解要請へ
    ☆国交省パレット標準化分科会、Pパレ共同使用会の年間未回収枚数は20~30万枚
    ☆東ト協連が第37回運賃動向アンケート結果発表、標準的な運賃の届け出状況は前年比20ポイント超の増加
    ☆ミツモアが引越新テレビCM「座談会編」の放映を関西エリアで開始
    ☆物流各社の第2四半期決算

今週のユソー編集室

  • ▼政府は10月28日、新たな総合経済対策を発表した。対策には燃料油価格高騰に対する激変緩和事業の来年1月以降の継続なども盛り込まれている。
    ▼この事業は本年1月から導入されており、軽油についてはここ数週間で30~40円程度の価格抑制効果が出ているという。トラック運送事業者にとってはありがたい措置である反面、それでも価格は150円弱で推移するなど、高止まりの状況が続いている。
    ▼先ごろ開かれた千葉県トラック協会の理事会では、燃油高騰等に伴い県内各市が独自に行っている助成制度が紹介された。なかなか先の見えない苦しい状況が続くが、あらゆる支援を活用して事業継続を図りたい。

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