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2023年8月28日付 2946号

2024年問題への対応などで大幅な増額を要求 来年度予算の概算要求 国交省

 国土交通省は24日、2024年度予算概算要求の内容を公表した。10月に発足する「物流・自動車局」として初めての一般会計予算要求額は、2024年問題への対応や自動車分野のGX推進などを背景に、23年度予算額の3・59倍となる53億9300万円を求めている。
 国交省全体の24年度一般会計予算要求額は23年度予算比19%増の7兆389億円で、うち「重要政策推進枠」の活用は1兆6149億円。このほか、モーダルシフト推進や宅配再配達削減などについては、予算編成過程で金額などを検討する「事項要求」として盛り込んでいる。
 物流・自動車局関係では①物流の2024年問題の解決等に向けた物流の革新②脱炭素社会の実現に向けた自動車分野のGXの推進③自動車分野のDXや技術開発、人材確保等による事業基盤強化等の推進④自動車事故被害者救済、事故防止・安全対策の推進―を柱に必要な要求を行っている。

記事全文は電子版から。

Tramoグループ全18社を子会社化へ NXイタリアを通じて NXHD

 NIPPON EXPRESSホールディングスは21日、NXイタリアを通じて、欧米で高級家具物流事業等を展開する「Tramo SA」の全ての株式を取得することについて、Tramoの全株主と合意し、同日、株式譲渡契約を締結することを取締役会で決議したと発表した。
 Tramoを含むグループ全18社を完全子会社化する。株式譲渡実行は10月2日~11月2日の予定。
 Tramoグループは、スイスに持ち株会社を置き、イタリアを事業の本拠地として、高級家具に特化したサービスで、二大マーケットである北米・欧州の物流をリードしてきた。設立は1984年。資本金は約1300万円。2022年12月期連結業績の売上高は181億3400万円、純利益は18億8700万円。
 今回の株式取得でNXHDは高級家具に最適な集荷・配送等の機能を獲得、国際間輸送サービスと連携し、顧客のサプライチェーンを一貫してNXグループのネットワークで結ぶことができる。例えば、ハイファッションブランドの顧客は近年、アパレルの枠を超えて家具やホテルなどのライフスタイルを特徴づける商材によってブランドの世界観を訴求する動きが見られ、今回の両社物流機能の統合により、顧客の事業領域の拡大に呼応し、最適なソリューションを提供することが可能となる。

今週掲載トピック一覧

  • ☆2023年度モーダルシフト等推進事業運行経費時補助採択案件一覧
    ☆ウオッチ(147)『アフターコロナの東南アジアの経済と物流』

  • ☆NXグループ、7項目からなる「NXグループ人権方針」を策定
    ☆日本通運、内航船と鉄道輸送を組み合わせた国内中継輸送サービス「Sea & Rail FT」を開始
    ☆JR貨物の犬飼社長、2024年3月期通期業績について「非常に厳しい状況続く」との見通し示す
    ☆国交省、「中・長距離フェリーのトラック輸送に関する積載率動向調査」の結果を公表
    ☆千葉ト協が本年度第2回理事会、2025年5月竣工予定の総合会館建て替えで基本設計等を承認
    ☆消費者庁の「送料無料」表示の見直しに関する意見交換会、日本郵便と日本通信販売協会からヒアリング
    ☆ロジスティード、2024年問題への対応などで東日本エリアの連結子会社4社を10月1日付で統合
    ☆セイノーHD、朝日大学の学生とともに山梨県小菅村のNEXT DERIVERYを訪問しドローンを活用したスマート物流を体感
    ☆ヤマトチャーターボックス、日榮新化とラベル台紙の資源循環でパートナーシップ協定を締結
    ☆三菱倉庫、グループ全役職員対象に対話型生成AIの利用始める
    ☆アート引越センターが営業力ナンバーワンを競う全国大会、国立支店所属の佐藤紀人選手が優勝
    ☆福山通運と小丸環境財団、新設の千葉八千代支店でバラ苗木の植樹式行う
    ☆NLJ、自律走行搬送ロボットなどを活用した自動荷役の実装始める
    ☆国交省、「物流拠点機能強化支援事業」の2022年度補正予算第1次公募分として3件の採択を決定
    ☆千葉ト協、千葉運輸局の担当者から「トラックGメン」の現状について説明受ける
    ☆2022年度の宅急便取り扱い実績、前年度比1・1%増で初めて50億個突破

今週のユソー編集室

  • ▼物流の2024年問題をメディアが取り上げる機会が増え、一般社会への浸透が進んでいる。ただ、多くの場合その取り上げられ方が、省人化・自動化・効率化など、物流事業者の負担軽減策を切り口としていることに、多少の疑問も感じている。
    ▼24年問題対策の中心は、賃金を含めたドライバーの労働条件を改善することで、若年層の確保を促進し、物流を持続可能なものとすることにあるはずだ。負担軽減策はその手段の一つに過ぎない。
    ▼荷主の24年問題対策では、効果の一つとして「効率化で物流費を削減」と表現されていることもある。それが適正なコスト削減であることを、どこかで強調してほしいとも思うのだ。

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