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2023年12月4日付 2959号

「北海道新幹線札幌延伸時の鉄道物流のあり方」で検討会議を設置  課題解決方策などを整理 国交省・北海道

 国土交通省と北海道は、北海道新幹線の札幌延伸に伴って生じる函館線函館~長万部間(海線)の鉄道貨物輸送に関する諸課題解決に向けた検討を行うため「北海道新幹線札幌延伸に伴う鉄道物流のあり方に関する有識者検討会議」を設置、11月27日に札幌市内で初会合を開き、学識経験者や経済団体などの関係者、JR貨物・北海道の担当者らによる検討を開始した。

 北海道新幹線の札幌延伸に伴って生じる鉄道貨物輸送の諸課題については、2022年11月に国交省、北海道、JR貨物、JR北海道の関係4者の実務者レベルからなる「情報連絡会」を設置し、23年7月には海線の維持により貨物鉄道機能を確保する方向性が妥当であるとの方向性が示される一方、解決すべき課題が多岐にわたることなどから、さまざまな関係者から意見を聞くとともに、有識者を含めた慎重な検討の必要があるとされた。

記事全文は電子版から。

アパレルの資源循環プラットフォーム 実証経て1日から本格稼働 センコーGHD 

 センコーグループホールディングスは8月から3ヵ月間にわたり実施した、アパレル各社と協働し動静脈一体物流を活用して効率的に廃プラスチックを回収し再生する「資源循環プラットフォーム」実証事業で、採算性が確保できることが確認できたことを踏まえ、1日から本格稼働させた。

 物流拠点や各店舗で発生するハンガーカバーの廃プラスチック「PE」をマテリアルリサイクルするためには、薄く広く分散した廃棄物を効率的に回収することが必要不可欠で、そのために企業の枠を超えた横断的な仕組みを構築することを目的に実証事業を実施していた。

 センコー商事が中心となり、アパレルの納品物流業務を担う東京納品代行とアクロストランスポートの輸送網を活用し、回収プラスチックの資源化にテラレムグループ、資源化されたチップを流通にのせる役割を豊通ケミプラス、資源化された樹脂からフィルムを製造し再生品化する工程をナクシスが担当。

 関連法規に準拠し廃棄物を資源として管理し、静脈サプライチェーンを有効活用しながら、東京納品代行とアクロストランスポートの車両を利用し、アパレル各社に商品を納品した際に物流倉庫・店舗等から排出されるプラスチックを分別してPEを回収し、テラレムのマテリアルリサイクル施設にて樹脂ペレットとして原料化。樹脂ペレットは豊通ケミプラスの流通にのせ、ナクシスに販売され、元のハンガーカバーに再生され商流にのせられることを確認した。この実証事業で事業として採算性の観点からも持続可能であることが確認され、オンワード樫山、三陽商会、シップスの協力を得て本格的に事業化した。

 今後、個社では実現が難しい廃棄物の資源循環を、業界や企業の垣根を超えたあらゆる企業が相乗りして取り組むプロジェクト「CicroMate(サイクロメイト)」として、多くのアパレル企業やブランドの参加を募り、資源循環プラットフォームとして社会に定着させていき、サーキュラーエコノミーの一翼を担う活動を行っていく考え。

今週掲載トピック一覧

  • ☆NXHD、安定的な鉄道貨物輸送実現に向けアサヒグループジャパンと協業開始
    ☆NXHDが米クライポート社と戦略的パートナーシップ締結、グローバルに極低温輸送サービス展開へ
    ☆日本通運、出光興産と共同で物流資材プラスチックの再資源化に向けた実証実験始める
    ☆トナミHD、国際物流強化に向け神奈川県に本拠を置く山昭運輸の全株式を取得
    ☆国交省のモーダルシフト推進・標準化分科会が方向性と施策公開、鉄道コンテナ貨物輸送の倍増には「貨物駅・施設整備などの支援が必要」
    ☆東ト協運輸安全委員会、来年度新たに自動点呼機器導入費用等の助成事業を実施へ
    ☆神奈川地方協議会が2024年問題でセミナー、荷主と運送事業者を対象にパネルディスカッション
    ☆国交省のパレット標準化推進分科会、2025年末をゴール目標とする「ロードマップ」案を提示
    ☆SGHDが「HIKYAKU LABO」のデモデイ、10件の共創アイデアを発表
    ☆ロジスティードがVCアワード開催、発表と応援メッセージの改善好事例11件を選定
    ☆西濃運輸、市川支店でフォロフライ開発の1トンクラスEVバンをグループで初導入
    ☆日本郵便が水素燃料電池小型トラック2台の運行開始、今年度内に5台の導入を計画
    ☆北九州市が物流シンポジウム、ヤマトHDが来年4月に予定する貨物専用機の就航など新しい物流の姿探る
    ☆佐川急便、秋田県など4自治体と相次いで「包括連携協定」を締結
    ☆セイノーHDと千葉県君津市など5者、ドローン活用による地域共創に向けた連携協定を締結
    ☆内閣官房と公取委が「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を公表
    ☆美濃東京労働局長と尾崎東京運輸支局長、ベストプラクティス企業を訪問し長時間労働削減の取り組みで意見交換
    ☆千葉ト協、「交通安全標語・児童絵画コンクール」の表彰式を開催
    ☆千葉県適正化実施機関、指導員不足の影響で2022・23年度の巡回指導実績は目標未達に
    ☆JIFFA、初級中国語講座と実用英語通信文講座の成績優良者への修了証授与式を開催
    ☆エコモ財団、「2023年度エコドライブシンポジウム」でエコドライブ活動コンクール表彰式を開催
    ☆運輸労連と交通労連の年末一時金・臨時給妥結状況(11月30日現在)

今週のユソー編集室

  • ▼雪の便りが各地から届くようになり、タイヤの交換作業に追われているトラック事業所も少なくないだろう。
    ▼2022年度に発生した大型車の車輪脱落事故は140件と11年の11件に比べ10倍以上と大幅に増加しており、事故の多くはタイヤ交換作業時の不適切な取り扱いに原因があるとされる。
    ▼こうした状況を受け国土交通省では、大型車の車輪事故脱落を起こした事業者に行政処分を行うことなどを盛り込んだ新たな整備管理者制度の運用を10月1日に開始した。
    ▼運行管理の厳格化・高度化やドライバーの教育と併せ、トラックの「足元」にもあらためて目を向けて、運行のさらなる安全確保に努める必要がある。

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