ヤマトの共配オープンPF「SST便」が本格始動 富士通の出資も受ける SST

ヤマトホールディングス傘下の「Sustainable Shared Transport(SST)」は1日、オープンプラットフォーム(PF)を活用した共同輸配送サービス「SST便」の提供を始めた。宮城~福岡県間で1日16便の運行からスタート。対象地域やダイヤを拡充させながら、貨物鉄道や船舶なども活用したマルチモーダルも推進し、2025年度末目途に80線便までの拡大を目指す。
SSTは昨年5月、共同輸配送のオープンPFの提供を目的に、ヤマトHDの全額出資により設立された。
同社が提供するSST便は、幹線輸送をベースに共同輸配送システム上であらゆる荷主企業と物流事業者をマッチングする、オープンPFを活用したサービス。オープンで標準化されたデジタル基盤を用い、発着荷主が持つ受発注などの商流データと、発着荷主の在庫・物流事業者の車両手配など物流データを連携させることで、サプライチェーン効率を飛躍的に向上させることを目指している。
荷主はシステムの予約画面上で荷物の発送日・発着地・品目・必要パレットスペースなどを入力し、表示された輸配送可能な便から輸送を行う便を選択して予約する。SST側は予約状況をリアルタイムで管理し、安定した輸送を提供する。
利用運送事業の認可取得までの間、先行的にヤマト運輸の事業として、宮城県から福岡県までの7拠点を1日16便の運行で、標準パレットスペース単位で利用できる定時運行・中継輸送・混載による幹線輸送を提供してきた。SSTは昨年末に第一種貨物利用運送事業の認可を取得。富士通と共同で進めてきたオープンPFの基盤システムも整ったため、SSTとしてサービスの提供を開始した。
富士通は同日、SSTに5千万円を出資。これにより、SSTの資本金は3億5千万円から4億円に拡大。出資比率はヤマトHD87・5%、富士通12・5%となる。
今後、複数社から第三者割当増資を受ける予定もある。
SST便の開始にあたって1月27日、東京都千代田区の丸の内トラストタワーN館で、ヤマトHDの長尾裕社長、富士通の時田隆仁社長、SSTの髙野茂幸社長が出席し、共同記者会見が開かれた。
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