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2015年2月16日付 2553号

低温物流”老舗”が連携、名糖運輸とヒューテックノオリンが10月に共同持ち株会社設立し経営統合

 名糖運輸とヒューテックノオリンは10日、共同持ち株会社を設立し、経営統合を行うことに合意したと発表。10月に共同持ち株会社「C&Fロジホールディングス」(CFHD)を設立して東証1部に上場、名糖運輸とヒューテックノオリン両社の物流サービス・情報を統合し、低温食品物流トップ3となる売上高1千億円を目指す。東証1部に上場している名糖運輸はチルド食品、東証2部に上場しているヒューテックノオリンは冷凍(フローズン)食品を中心に、長年にわたり低温物流を手掛けてきた。

 食品物流は、“中食”市場の拡大などにより堅調な成長が見込まれているが、メーカー・卸売・小売業者の再編による大規模化・寡占化で、さらなる大規模化や広域化、高速化などへの対応が求められている。加えて、ドライバー・倉庫オペレーターの確保・育成やエネルギーコストの高止まり、安全・環境への対応など経営環境変化が加速している。こうした状況の下、名糖運輸とヒューテックノオリンの両社はチルド物流とフローズン物流のノウハウを生かしながら、強固な連携関係を構築し、業務領域の拡大による顧客サービスの向上や経営基盤の強化を図ることが不可欠と判断し、経営統合を決めた。

 経営統合は、株式移転により行われ、名糖運輸の普通株式1株に対してCFHDの普通株式1株、ヒューテックノオリンの普通株式1株に対してCFHDの普通株式1.44株を割り当て交付する。名糖運輸とヒューテックノオリンは9月28日で上場廃止し、10月1日にCFHDの東証1部への上場を予定している。統合後は、共同営業体制の確立や施設・車両の有効活用、人的資源の拡充などの効果が見込まれている。

都内都市部の物流効率化で配送業者に資本参加  トナミHD、第一貨物、久留米運送

 トナミホールディングス(綿貫勝介社長)、第一貨物(武藤幸規社長)、久留米運送(二又茂明社長)の3社は6日、輸配送業務等の効率的運営を目的として、㈱ウインローダー(高嶋民仁社長)へ資本参加したと発表した。

 トナミ運輸、第一貨物、久留米運送の3社は、2012年9月に東京~大阪間の幹線輸送を担う共同出資会社ジャパン・トランズ・ラインを設立するとともに、業務効率化に関する検討を推進してきた。検討の一環として、東京都の23区と島しょを除いた、いわゆる「三多摩地区」の32市町村宛て配送業務に関して、3社の配送貨物の集約メリットが高いと見込まれたことから、トナミ運輸が従前から業務提携していたウインローダーへ一元化を図ることを提案、ウインローダー側がこれに合意したもの。

 具体的には、3社がウインローダーの拠点に荷物を持ち込む形と、ウインローダーが3社のそれぞれの拠点に引き取りに行く形で、荷物の引き渡しが行われる。変化の著しい事業環境の中、物流事業の一層の発展と将来的に安定した成長の相互支援を図るため、ウインローダーはすでに普通株式の一部を3社に譲渡しており、3社はウインローダーに資本参加している。

 ウインローダーは、東京都杉並区上荻2の37の7に本社を構え、一般区域貨物自動車運送事業、産業廃棄物収集運搬業、一般廃棄物収集運搬業を展開している。1945年1月27日設立、資本金は5千万円。

今週掲載トピック一覧

  • ☆人物ウィークリー、日通トランスポート労働組合・木村文雄委員長

  • ☆国交省、環境対応型ディーゼルトラック等導入支援制度の実施概要を公表
    ☆国交省が適正取引推進パートナーシップ会議、手待ち時間の改善に向けてガイドライン改正へ
    ☆国交省、共同輸配送促進に向けてマッチングシステムの試行開始
    ☆日立物流、グループ会社が中国・上海に貿易決済代行サービスなど行う現地法人設立
    ☆ヤマト運輸が第9回高校生経営セミナー開催、優勝は東京電機大高
    ☆ヤマト運輸中国支社、観光客利便性向上で地域発展へ貢献を
    ☆全ト協の1月WebKIT成約運賃指数、2ポイント増の116で1月としては過去最高を記録
    ☆全ト協、引越部会が繁忙期対策決める
    ☆通販協、福島県の避難指示区域への配達で適切な対応求める
    ☆センコー、私募リート運用に必要な許認可を取得
    ☆損保ジャパン日本興亜、企業向け安全運転支援を3月から全国で提供へ
    ☆JR貨物・田村社長が会見、15年度中にも全社で”運賃修復”に取り組む
    ☆国交省、過疎地のネットワーク確保で貨客混載の拡大など盛り込んだ中間整理を公表
    ☆埼玉ト協、県内3病院に車両各1台を贈呈
    ☆国交省、非常用発電設備など導入補助の受け付け開始
    ☆コラボデリバリー、14年度決算は過去最高の純益に
    ☆ヤマトアジア、ベトナムに現地法人設立
    ☆JR貨物が年度末繁忙期対策発表、昨年上回る輸送力増強
    ☆データ・テックとイーソーコがセミナー、物流の再興戦略学ぶ
    ☆国交省、4月から港湾の物流施設再編に伴う共用部設備補助の公募開始
    ☆物流各社の第3四半期決算

今週のユソー編集室

  • ▼飛行機や携帯電話など、原理的に可能なものであれば、技術に関する人の空想は、遅かれ早かれ必ず実現するという考え方がある。
    ▼物流の世界において荷役作業の省力化・省人化は、高齢者や女性の活躍を促進する上でも、大きな課題となっている。解決策の一つになるのではと目されているのが、労働負荷を軽減させる「パワーアシストスーツ」だ。
    ▼体の各部に部品を装着し、モーターや空気の力で人の力を補助することにより、重い荷物でも軽々と持ち上げられるようになるという。体験者の話では、高い効果があるらしい。
    ▼そうした話を聞くと、空想が膨らんでいく。最近目にする機会が増えたロボットに、荷役作業を任せることはできないかと。荷役の完全無人化が実現すれば、労災事故の防止にもつながる。コストを度外視すれば、一石三鳥ぐらいの話にはなるだろう。多くの人が考えているであろうこの空想も、いつか実現する日がくるのだろうか。

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