「グローバル・トップ5目指す」豪大手物流企業トール・ホールディングス買収 西室日本郵政社長が会見

「グローバルトップ5の国際物流企業に」。
日本郵便(髙橋亨社長)は18日、豪州証券取引所に上場する豪州物流大手トール・ホールディング社を完全子会社化すると発表。同日記者会見した日本郵政の西室泰三社長は「世界55ヵ国で実行部隊が活動し、収益をあげているトール社は最適な相手。日本に閉じこもって成り立つ時代は終わりつつあり、グローバル企業への第一歩が始まる」と国際物流への本格的進出に向けた戦略について語った。買収額は郵政グループ過去最大となる6200億円。6月上旬に取引を完了させる計画。
子会社化の狙いを西室社長は、フォワーディング・3PL事業のノウハウを習得する「時間を買った」と語り、トール社をグローバル展開のプラットフォームと位置付ける方針と説明した。現経営陣は続投させる考えを表明するとともに、日本法人のトールエクスプレスジャパン(旧フックワーク)についても現時点では現体制を維持し、「重量分野を得意とすると聞いており、事業のすみわけ、ノウハウの共有化などを検討したい」と語った。
記者団からの航空機運航を含めたインテグレーターとの競争戦略についての質問に対し、西室社長は「今まさに検討しなければならない課題」と回答。国際物流リーディングプレーヤーへのファーストステップに立った今回の買収により、中長期計画戦略でアジア、欧州等でのM&Aを加速させる考えをにじませた。
このほか人事面で、国際物流という新たな事業展開に入ることを踏まえ、日本郵便の髙橋社長をサポートする上級副社長職を新設し、ゆうちょ銀行の米澤友宏副社長を充てる考えを明かした。