物流・輸送の専門紙、輸送新聞はこれからも輸送産業の発展に貢献してまいります。

文字サイズ

2015年6月15日付 2568号

道交法改正案が可決成立、準中型免許を新設

 準中型自動車免許の新設を盛り込んだ道路交通法の一部改正法案が11日の衆議院で可決、成立した。4月17日に参議院で可決し、衆議院で審議が行われていた。公布後2年以内の施行となる。

 トラック運送業界、全国高等学校協会等の要望が実現することとなったもので、これにより18歳で取得できる車両総重量7.5トン未満3.5トン以上の貨物自動車を運転できる準中型自動車免許が新設されることで、高校新卒者等にもトラック運転者等の就職の道が開かれることとなり、トラック運送業界にとって若年運転者確保の大きな前進といえよう。

 改正により中型自動車免許は車両総重量11トン未満7.5トン以上で20歳以上の受験資格となる。また普通自動車免許は車両総重量3.5トン未満で受験資格が18歳以上となる。なお併せて75歳以上の高齢運転者に対し、認知機能が低下した場合に行われやすい違反行為をした者に対し、臨時に認知機能検査を行う制度を導入することも盛り込まれた。

 星野全ト協会長がコメント

 成立を受けて全日本トラック協会は同日、星野良三会長名による次のコメントを発表した。「本日、衆議院本会議において、新たな準中型免許制度に係る道路交通法改正案が可決成立いたしました。若年運転者の雇用促進の観点から、トラック運送業界では長年にわたって中型免許制度の見直しを要望してきたところですが、新たな準中型免許制度の導入により、この要望が実現する運びとなったものです。
 これはひとえに、政府はじめ警察庁、国土交通省などの関係行政機関、並びに全国高等学校長協会、トラック協会員など関係の方々のご尽力の賜であり、この機に改めて深く感謝申し上げます。
 今後は、新たな準中型免許制度を積極的に活用し、若年運転者の雇用促進と輸送力の安定供給に努めるとともに、一層の交通安全対策を推進して参る所存です。
 なお、政府におかれましては、引き続き免許取得者の負担軽減と制度の早期実施にご配慮を賜りたいと存じます」

東京~大阪間で週末の共同運行開始  トナミ運輸、第一貨物、久留米運送

 合弁会社ジャパン・トランズ・ライン(JTL)を設立し、東京~大阪間の共同運行を展開しているトナミ運輸(綿貫勝介社長)、第一貨物(武藤幸規社長)、久留米運送(二又茂明社長)の3社は7日、週末の共同運行を開始した。

 JTLの運行部会で協議を続けてきたもので、トナミ運輸が久留米運送の関東向け貨物約6トンを、第一貨物が久留米運送の神奈川向け貨物約6トンをそれぞれ共同輸送し、幹線運行の効率化を図る。久留米運送は1便減便することで、輸送コストを圧縮する。

 運行経路は次のとおり。TTはトラックターミナル。
 ◎トナミ運輸=トナミ運輸東大阪支店・久留米運送東大阪支店(東大阪TT)⇒トナミ運輸京浜支店・久留米運送東京店(京浜TT)⇒トナミ運輸葛西支店・久留米運送江戸川店(葛西TT)⇒トナミ運輸板橋支店・久留米運送板橋店(板橋TT)。
 ◎第一貨物=第一貨物大阪支店(東大阪市)⇒久留米運送東大阪支店(東大阪TT)⇒久留米運送神奈川支店(伊勢原市)⇒久留米運送足立店(足立TT)第一貨物大宮支店(さいたま市)。

 3社は引き続き週末の運行効率化に向けた協議を継続していくほか、施設の共用化や共同配達についても検討していくとしている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウオッチ『ベトナムの貿易と物流』
    ☆インタビュー・長尾裕ヤマト運輸社長『一番身近で一番愛される企業に~「政は正なり」~』
    ☆人物ウィークリー、国土交通省関東運輸局・齋藤隆千葉運輸支局長
    ☆日中ビジネスワンポイント『携帯依存症』
    ☆道『国際化に至る道半世紀』(2)

  • ☆物流連が新会長に工藤日本郵船会長を内定、就任談話を発表
    ☆日貨協連が総会と全国大会、古屋会長らを再任「新たなステージへの起点となる年度に」
    ☆JIFFAが通常総会、新会長に伊藤日本通運副社長
    ☆日本自動車ターミナル、京浜トラックターミナルに新7号棟竣工
    ☆社整審・交政審が合同小委、関係者からのヒアリングで地域物流の実情探る
    ☆カンダHDの勝又社長が会社説明会で報告、全営業拠点で黒字化目指す
    ☆日通、海外展開推進協と提携し「日本食文化」の普及・定着を物流面からサポート
    ☆JR貨物が15日付で組織改正、鉄道ロジスティクス本部内に戦略推進室を新設
    ☆千葉ト協が総会、Gマーク取得千事業所目標に
    ☆神奈川ト協が総決起大会、死亡事故の減少を!
    ☆全通連が全国大会、福田会長「モーダルシフトの波に備える」
    ☆日倉協が総会、富取新理事長を選任
    ☆5月のWebKIT成約運賃指数は前月と同じ115に
    ☆厚労省、荷主と運送事業者の力による長時間労働の改善事例を公表
    ☆国交省検討会、宅配の再配達削減へ共通プラットフォーム構築を提起
    ☆国交省、初の「交通政策白書」を公表
    ☆国交省アドバイザリー会議、ASEAN地域の事業展開「現地化」と「人材育成」カギに
    ☆パシフィックコンサルタンツ、省エネトラック運送補助の申請受け付け時期を公表
    ☆陸災防神奈川県支部藤沢分会、荷役作業時の労災防止へ荷主団体と共同宣言

今週のユソー編集室

  • ▼原発が稼働できずCO2の排出量が増えているせいか、最近は地球温暖化対策のニュースに接する機会が減っているように思う。だが、依然として喫緊の課題であることに変わりはない。
    ▼政府は2日、CO2排出量について30年度までに13年度比26%減とする新たな目標を了承した。実現可能性にこだわったと言うが、基準年度を13年度にずらしたことについて、欧米の理解を危ぶむ声もある。
    ▼反面、その欧米も自国に有利な目標設定をしているという指摘もあり、何やら削減目標が国際政争の具にされている気がしないでもない。いずれにせよ削減に向けた努力は継続していかなければならない。
    ▼CO2排出量削減といえば、鉄道の環境優位性が高まっていることをご存じだろうか。当初トラックの6分の1とされていた鉄道のCO2排出量は、最新のデータで9分の1となった。鉄道モーダルシフトへの追い風は、こんなところにも吹いている。

戻る