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2015年8月10日付 2575号

宅配便の再配達削減へサービス利用者にアンケート調査  国交省

 国土交通省は4日、宅配便の再配達削減に向けた消費者アンケートを開始。実際に再配達となった宅配便利用者に、1回目の配達で受け取ることができなかった理由や「どのような方法であれば1回で確実に受け取ることができるか」などについて直接質問することで、再配達が発生している原因の実態把握を進めるとともに、利用者が求める対応策などを探ることで再配達削減の検討につなげる考えだ。

 宅配便は、EC(電子商取引)の拡大に伴い取扱件数が増加する一方で、受取人の不在による再配達が増加しており、労働力不足に悩む物流事業者にとって再配達の削減は大きな課題となっている。こうした状況を踏まえ国交省では、6月に「宅配の再配達削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検討会」を設置し、再配達削減に向けた要因分析や対応の方向性について検討を行う体制を整えた。

 今回実施に踏み切ったアンケート調査は、こうした検討の一環として行うもので、大手宅配便事業者を中心に複数の事業者のサービスで再配達となった利用者に3千件のアンケート用紙を配布し、郵送またはウェブで回答を求める。質問内容は、住んでいる地域や年代、時間指定のほか①1回目で受け取れなかった理由②確実に受け取ることができると思う方法③受け取り時にポイントが付与されるなどのメリットがある場合に1回での受け取る可能性があるか―など11項目。また、ポイントについては、「何円相当以上のポイントであれば1回で受け取ろうと思いますか」との質問を設け、具体的な数字の記入を求めている。なお、再配達で調査用紙を受け取った利用者以外でも、ウェブページから回答することが可能。

 回答の受付期間は21日までで、結果は今月下旬に開催予定の第2回検討会に報告し、検討の材料とする。

業界初の自治体向けマイナンバー対応型輸送サービス「マイナンバーガード」発売  日通

 日本通運は7日、10月から国民に通知が始まるマイナンバー制度に特化した業界初の自治体向け輸送サービス「マイナンバーガード」を発売した。ITと人の「ダブルチェック」や引き受け・引き渡し時の本人確認など、高度なセキュリティ輸送を提供する。内閣府外局の第三者機関・特定個人情報保護委員会がガイドラインで求める物理的安全管理措置に対応した。利用可能エリアは全国。翌日配達を基本に、オプションで当日配達にも対応する。

 マイナンバーガードは、なりすまし防止策として「集配員事前登録」やシステムでの「受取本人認証」を採用、一般貨物と分離輸送し、「授受工程を可視化する専用チェック表」での確認や、封印環・ダイヤルロック付の「専用ジュラルミンケース」、「GPS搭載車両」での運行等、各種セキュリティを駆使しシステムを構築した。また、オプションとして、受託担当証明・内容品数量確認など、担当者との双方確認を行うサービスも用意している。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウオッチ『2015年上半期中国の貿易と港湾物流の現状』
    ☆四文字『必須の存在「高速道路」』
    ☆道『国際化に至る道半世紀』(5)

  • ☆社整審・交政審物流関連小委が今後の物流政策の方向性で中間とりまとめ案審議、ETC2.0活用しトラック輸送の効率化を
    ☆全流協が「陸運サミット」開催へ事前会議、まずはトラックと鉄道の連携を
    ☆日通総研、倉庫作業分析ツール「ろじたん」開発
    ☆難波運輸労連委員長が会見、急務の労働条件改善へ「社会の理解が重要」
    ☆日通商事、タイ・プランチンブリに新ロジサポートセンター
    ☆国交省、地域を支える物流ネットワークでモデル5地域を選定
    ☆日通のエコドライブプロジェクト、ベトナムで初の二国間クレジット制度登録
    ☆JR貨物、カーフェリー火災事故受けて関東~北海道間で臨時列車8本運転
    ☆国交省、物流事業者のKPIで最終版手引を公表
    ☆全ト協・日貨協連、7月のWebKITは荷物情報3ヵ月連続の増加
    ☆全ト協、7月WebKIT運賃指数は前月と同水準に
    ☆全ト協、本年度の引越安心マーク申請は72事業者256事業所に
    ☆物流連、ユニットロード小委が初会合、荷役作業の効率化目指す
    ☆NASVA、安全指導業務の民間参入は指導講習41者・適性診断45者に
    ☆NASVAが10月に安全マネジメントセミナー、二つの記念講演など

今週のユソー編集室

  • ▼本紙では前号に掲載しているが、佐川急便が次世代の人材育成を手掛ける団体と共同して行っている、小学生向けの職業体験プログラムを取材した。
    ▼参加した20人の小学生は、佐川急便の制服に身を包み、宅配便の仕組みを学んだり、荷物の仕分現場やさまざまな車両を見学したり、模擬顧客への荷物の配達を体験したり、いずれも楽しそうに物流の一端に触れていた。
    ▼配達を体験した女の子は「今まで知らなかったけれど、荷物を運んでいる人たちがたくさん苦労していることが分かった」と感想を口にする。“送料無料”が幅を利かせるご時世に、こうした感想をもってもらえるだけでも、プログラムの意味はあったと言えるのかもしれない。
    ▼それにしても配達体験のようすを見ると、総じて女の子の方がしっかりと受け答えしている。「女性の活躍促進」は必然のことなのか。自分の少年時代を振り返り、少し恥ずかしい気もしてきた取材現場だった。

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