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2015年10月19日付 2583号

東タ構内の大型施設、開発パートナーに三井不動産を選定  JR貨物

エフプラザ東京N棟(仮称)の完成イメージ

 JR貨物(田村修二社長)は15日、東京都品川区の同社東京貨物ターミナル駅構内に建設を予定している大規模物流施設「エフプラザ東京N棟(仮称)」について、開発事業パートナーとして三井不動産(菰田正信社長)を選定し、基本合意書を締結したと発表した。

 「エフプラザN棟」は地上5階建て延べ床面積約16万1千平方メートル規模のマルチテナント型物流施設。
大型車両が各階に直接乗り入れできるランプウェイ2基を備え、免震構造を採用する。2019年10月の着工、21年10月の竣工を予定。
 三井不動産はこの施設の開発計画立案やテナントの誘致を行い、竣工後はマスターリースおよび建物の管理・運営を行っていく。
同社は今年4月1日付で「ロジスティクス本部」を新設するなど、物流関連施設の開発・賃貸・運営に力を入れており、この案件が同社ロジスティクス事業における初の大規模マネジメント事業としている。

 施設の具体的な計画は今後策定されるが、JR貨物では高速道路インターチェンジや東京港国際コンテナターミナル、羽田空港国内貨物地区のいずれも数キロメートル圏内と、陸海空の結節点となる立地の優位性を生かし、鉄道事業との相乗効果を生み出していくとともに、冷凍冷蔵倉庫機能やeコマース市場対応なども視野に入れた物流拠点としたい考え。
両社は今後も連携を深め、幅広い顧客層に積極的な営業展開を図り、新たな鉄道需要創出を目指していくとしている。

 「エフプラザN棟」の隣接地には、JR貨物が独自に建設・運営する、地上5階建て延べ床面積約6万1千平方メートル規模の「エフプラザM棟(仮称)」の建設も予定されており、現在東京貨タ駅構内にある平屋建ての荷捌施設を利用している物流企業に入居してもらうほか、新規の利用企業も募集する計画。
着工は18年1月、竣工は19年8月の予定。
二つの施設を合わせた合計の延べ床面積は約22万3千平方メートルとなり、国内最大規模の物流施設となる。

防災機能を備えた白河の関TSがオープン、振興センターと共同設置・運営  福島ト協

白河の関TS建物全景

 福島県トラック協会が計画・建設し、貨物自動車運送事業振興センターが運営の一部に参画するという新たな方式による「白河の関トラックステーション」が福島県西白河郡に完成、21日に竣工式が行われる。
同トラックステーション(TS)はすでに9日に供用開始。振興センター関連のTSが新設されるのは、2004年3月に開所した奈良・針TS以来11年ぶりとなる。
これにより全国のTSは35ヵ所に。

 振興センターの運行情報センター機能を併設した同TSは福島県西白河郡泉崎村大字泉崎字夏針15―1に所在。
国道4号線に面し東北自動車道矢吹ICから約3キロメートル、白河ICから約15キロメートルに位置していることから、県内はもとより全国各地のトラック運転者の利用が期待されている。
敷地面積は1万8385平方メートルで、鉄骨造一部2階建て延べ床面積602平方メートルの建物と大型車30台、トレーラ15台、普通車73台の車両が駐車できる駐車場、ヘリポート(臨時駐車場)を備え、車両自動計数装置1台が設置されている。
 平屋部分の休憩棟には、休憩室のほか、コインシャワー3台(男性用2、女性用1)、コインランドリー2台、トイレなどの設備が備えられている。
休憩室・コインランドリー・コインシャワーの使用時間は午前9時から午後5時まで。
 2階建て部分の管理棟1階には同ト協の県南支部が入居、2階が最大144人収容の研修ホールとなっている。
 同TSは都道府県ト協が振興センターと共同設置・運営する全国初の施設となる。

そして非常・災害時には行政機関等からの要請に基づき、被災者支援や支援物資の輸送基地として、また防災ヘリやドクターヘリの緊急着陸場として救急活動に協力し、防災・避難所機能を果たしていく。
 太陽光発電やLED使用の照明、ソーラー式街灯、節水型トイレなど省資源・省エネルギー対策を講じ、環境に配慮した施設となっている。
さらに避難所機能を発揮するため、「ふくしま公共施設等ユニバーサルデザイン指針」を参考に、「みんなのトイレ」やスロープ等も設置している。
 総工費は約6億円。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集、全ト協主催 第47回全国トラックドライバー・コンテンスト開催
      星野会長あいさつ「交通事故ゼロに向けた模範運転の実践を」
      平均年齢依然上昇傾向に
      出場予定選手名簿

  • ☆社整審・交政審物流関連小委 合同会議開催、ASEAN地域での物流認証制度構築を日本海事協会が提案
    ☆運輸労連 運研集開催、取引環境等協議会への対応を統一テーマに、ドライバーの安定的な確保のための労働条件改善を
    ☆ヤマトロジスティクスインド グジャラートとチェンナイに事務所新設、プロダクツロジ事業の規模拡大目指す
    ☆JR貨物 2015年度上半期の輸送実績を発表、自然災害の影響うけるもコンテナは堅調に増加
    ☆全ト協 都道府県ト協へ要請、改めて安全確保の周知・徹底を
    ☆国交省 宅配の差配達削減へ報告書を公表、ポイント付与などの具体案を示す
    ☆物流連 10月初旬に横国大と一橋大で秋学期の寄附講座を開講
    ☆東ト協 10月9日「トラックの日」に合わせてトラックの役割や防災についてのイベントを開催
    ☆NASVA 安全マネジメントセミナー開催、全国から1千人を超える事業者等が参加
    ☆ヤマト運輸 「宅配便コンパクト」にコレクト機能追加、代金引換決済に対応し利便性向上を図る
    ☆SGムービング 引越業界で初となる「カーボン・ニュートラル認証」を取得
    ☆JR貨物 定例記者会見で田村社長がコメント、収支改善を意識した施策強化を継続
    ☆国交省 トラック取引環境労働改善中央会議会開催、地方で抽出された好事例を紹介
    ☆JR貨物田村社長が川崎市の廃棄物輸送20周年で市長を表敬訪問

今週のユソー編集室

  • ▼先日開催された全国通運連盟の労働力不足に関するシンポジウムでは、若年労働者の定着率向上をにらみ、手荷役の削減など省力化がメーンテーマに取り上げられた。
    ▼トラック運送事業の現場からは「せっかく若いドライバーが入社したのに、手荷役をやった翌日にやめてしまった」など、悲痛な声があがっている。物流連でも本年度から一貫パレチゼーションの検討を始めており、荷役の省力化は今や業界全体の課題だ。
    ▼荷物をパレット化すれば荷役作業が楽になるのは自明だが、これが浸透しない最大の理由は積載効率の低下、すなわちコストの増加につながるからで、シンポジウムでもその点は再三触れられていた。
    ▼国としての支援を問われた国交省の羽尾一郎物流審議官は「生産性向上を目指している中で、積載効率が悪化するのは具合が悪い」と言葉を濁す。荷役の省力化をいかに全体効率の向上につなげていくのか。懸命な模索が続いている。

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