物流・輸送の専門紙、輸送新聞はこれからも輸送産業の発展に貢献してまいります。

文字サイズ

2017年9月11日付 2670号

インタビュー 運輸労連 中央執行委員長 難波 淳介氏
改正労基法の条文修正を目指す 「100万人請願署名」 産業の未来変える

 運輸労連では現在、自動車運転者の時間外労働上限規制への一般則適用などを求め「100万人請願署名」運動を展開している。運動の趣旨などについて、難波委員長に聞いた。聞き手 本紙編集委員・上原里智男

―「100万人請願署名活動」の趣旨と最終目標は。

 政府は本年の3月28日に「働き方改革実行計画」を発表しました。計画では、長時間労働の是正に向け、労働基準法に時間外労働の上限規制が罰則付きで定められるとともに、現行の限度基準告示で適用除外とされてきた自動車運転者についても適用することが示されました。

 自動車運転者への適用除外をなくすことは、私たちが長い間求めてきたことであり、やっと念願がかなったと思っています。計画を策定する際の議論では、連合にもだいぶ頑張っていただきましたから、その点も感謝しています。

 しかし、適用される上限時間が、当初想定していた一般則の「年間720時間」ではなく、一般則の施行より5年遅れで「年間960時間(月平均80時間)」とされたこと、また、働き方改革に関する国会質疑では、休日労働は別枠との答弁がありました。

 これでは、過労死基準を大幅に上回る時間外労働が容認されることとなります。私たちは同じ労働者なのですから、全ての労働者に同じ時間外労働の上限規制が適用されるべきです。従事する業務によって差ができてしまうのは、おかしいと考えています。合点がいきませんし、ふに落ちないというのが、正直な感想です。

 4月3日には、「トラックフォーラム」として交通労連トラック部会と連名で、厚生労働大臣・国土交通大臣・全日本トラック協会会長の3者に対し、上限規制の見直しを求める要請書を提出しています。

 要請書では「休日労働が別枠で取り扱われた場合、現行の自動車運転の業務に対する労働時間等の規制である改善基準告示と何ら変わらない水準が維持され続ける」と指摘し、自動車運転従事者が「脳・心臓疾患の労災補償支給決定件数」のワーストワンである現状も踏まえ、働き方改革の意義が失われてしまうと訴え、一般則施行5年後の「上限規制720時間以内」の適用などを要請しています。

 その後、執行部内で何らかの行動を起こすべきだとの意見がまとまり、6月の中央執行委員会で秋の臨時国会に上程される改正労働基準法の修正を目的とした「100万人請願署名」の展開について確認、7月の定期大会で決議文の形で取り組むことを決定しました。

 最終的には、集まった署名は衆議院議長と参議院議長に提出し、臨時国会で両院の厚生労働委員会に審議していただき、法案の修正を目指します。民進党の国会議員を中心に、多くの国会議員の方々に協力いただきたいと考えています。

インタビューの続きは電子版かコンビニプリントサービスでお読みいただけます。

ゆうパック値上げへ、平均12%の引き上げ 来年3月1日実施  日本郵便

 日本郵便(横山邦男社長)は5日、人件費単価の上昇等に対応し、引き続き安定的なサービスを維持していくため、ゆうパック運賃の改定等を行うと発表した。平均12%程度の引き上げとなる。来年3月1日実施予定。

 宅配便業界では働き方改革のコスト増対応等により、ヤマト運輸が10月から、佐川急便が11月から基本運賃等の値上げを実施すると発表しており、取扱個数上位3社が運賃改定を行うこととなる。国土交通省がこのほど発表した2016年度のトラック宅配便実績による3社のシェアは合計で93.4%となる。

 ゆうパックの基本運賃の改定は、60・80サイズが沖縄を除き110円増、100サイズが130円増、120サイズが160円増、140・160サイズが190円増、170サイズが230円増。同時に10個以上の差し出しで適用される数量割引は廃止する。

 ゆうパックの規格等の変更では「重量ゆうパック」を新設し、25キログラム超30キログラム以下の荷物用に新たな運賃を新設する(基本運賃プラス500円)。一般のゆうパックの重量上限は30キログラムから25キログラムに引き下げる。スキーゆうパックと空港ゆうパック運賃の適用規格の見直しでは、現行の120サイズ超のスキーゆうパックと空港ゆうパックについて適用する上限サイズを見直す。

 スキーゆうパックと空港ゆうパック運賃の適用規格の見直しでは、140サイズ超は160サイズの基本運賃を適用する。ゴルフゆうパックの120サイズ超については140サイズの基本運賃を適用する。

 今回の運賃改定と合わせ、次のとおり、ゆうパックのサービス改善を段階的に実施する。

 ①身近で差し出し~ウェブを活用した簡単に差し出すサービス=◎「Web決済型ゆうパック」◎ゆうパック宛て名ラベル作成アプリの提供②自宅で確実に受け取るサービス=◎指定場所配達サービスの実施◎配達希望時間帯の拡充◎初回受取日時・場所の指定ができるサービスの拡充③身近で受け取るサービス=◎歩いて5分で受け取り可能なアクセスポイントの整備◎郵便局等受け取りポイント付与サービス。

 このうち「Web決済型ゆうパック」は、クレジットカード等により事前決済の上、オンラインで発行した発送ラベルを荷物に貼付することで、基本運賃よりも180円割安に郵便局等で発送できる新しいサービス。

今週掲載トピック一覧

  • ☆四文字 『都も対応へ「交通公害」』

  • ☆日通がドローンの倉庫内活用に向けた世界初の実証実験、実用化へ課題確認
    ☆石井国交大臣がスワップボディコンテナを視察
    ☆全ト協・日貨協連、8月のWebKIT成約運賃指数は同月として過去最高に
    ☆ヤマト運輸が食品安全の国際認証「FSSC22000」を取得、物流系では世界初
    ☆日通が東京~北海道航路に大型RORO船「ひまわり8」を就航、1日に見学会開催
    ☆JILSが17年度ロジスティクス大賞にキユーピー・キユーソー流通システム・竹中工務店の案件を選定
    ☆SBS即配サポート、KR事業部DOD支店が東京インターナショナルギフト・ショーに初出展 加工作業の実演など行う
    ☆伊・イベコ社が日本進出、両備グループと覚書締結し天然ガストラックなど提供
    ☆物流連が第4回物流業界インターンシップ開催、初日は約150人の学生が参加
    ☆アスクルが「AVC関西」竣工、同社最大の拠点で防火対策等にも注力
    ☆国交省が日ASEAN物流専門家会合を開催、コールドチェーン物流網構築のガイドライン策定へ
    ☆SBSロジコムがiGOQ参加者向けにスマートフォンのレンタルを開始、無料で動態管理も
    ☆カンダグループがダッシュ21中央発表大会(ドライバー部門)を開催、最優秀賞に埼玉配送のサークル
    ☆アートが引越技術コンテストを開催、兵庫ブロック代表が2連覇
    ☆物流連、国交省の重田雅史物流審議官を招き新総合物流施策大綱の講演会を開催
    ☆ヤマト運輸が北海道天塩町と沿岸バスの3者間で連携協定を締結、“客貨混載”で農水産品などの首都圏翌日配送を実現

今週のユソー編集室

  • ▼先に閣議決定された、本年度から20年度までを展望する新総合物流施策大綱では、物流の生産性向上に向けた六つの視点が示されている。その中では「革命的に変化する」の視点が興味深い。
    ▼世間でも注目を集めている、トラックや船舶の自動運転・運航、無人飛行機や無人搬送車の活用など、IoT(モノのインターネット)やBD(ビッグデータ)、AI(人工知能)といった新技術の活用による“物流革命”の実現を目指す内容だ。
    ▼わざわざ“革命的”という言葉を使うだけあって、いずれも大幅な省人化・効率化が期待できる施策であり、ハード・ソフト両面で相当な高さのハードルがあることも予想されるが、ここはぜひとも実現させたい。
    ▼今や労働力不足は、介護・外食・流通・建設など、あらゆる業種に及ぶ。これらの産業と比較すれば、物流業界は機械化との親和性が高いように思われる。今こそ「革命的に変化する」絶好の機会だろう。

戻る