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2019年3月11日付 2739号

ドローンの貨物輸送、支援策の検討開始 6月に中間取りまとめ  国交省

 国土交通省は、過疎地域などでのドローンによる貨物輸送について、商業ベースでの実現を後押しするため、「過疎地域等におけるドローン物流ビジネスモデル検討会」を設置。7日に東京都千代田区の同省で初会合を開き、本年度全国5ヵ所で実施している検証実験の参加事業者からヒアリングを行うとともに、6月の中間取りまとめに向け具体的な支援策についての検討をスタートさせた。

 過疎地での貨物輸送については、トラックドライバーの不足や採算性などの面から、ドローンによる輸送の実現に期待が集まっているが、新たな輸送手段であるため飛行環境の整備が追い付いていないことや、初期費用の増大などを懸念する声が上がっている。

 検討会はこうした懸念に対し、どういった支援策が必要・適切であるかを議論する目的で設置されたもので、根本敏則一橋大名誉教授を座長に、学識経験者のほか、物流事業者・ドローンメーカー・EC事業者・小売り業者の担当者らで構成されている。

 ヒアリングでは、「航空法でドローンは高度150メートル以上の飛行を禁止されていることにより、山の起伏に合わせた飛行を強いられる」「LTE回線を使うことができれば、ドローンの飛行に必要な電波の中継が不要になる」「目視外補助者なしの飛行では、機体からカメラによる撮影が条件となっているが、家屋などを撮影されるのを嫌がる人が出てくると思われるので、社会的受容性を促す方策が必要」「機体同士の接触リスクがあるので、機体登録や空域管理システムが必要」などの意見が出された。

 今後は、4月に第2回検討会を開き、引き続き関係者にヒアリングを行うとともに、支援策についての議論を行う。5月には、第3回検討会を開き支援策を具体化、6月の第4回検討会で中間取りまとめを行い、2020年度予算要求に反映させる。

美術品・引越も取り扱う、東京グローバルロジゲートを公開 輸出入海上貨物拡大へ  YGL

海上貨物の中核的拠点として機能する

 ヤマトグローバルロジスティクスジャパン(YGL、金井宏芳社長)は6日、東京都大田区に開設した「東京グローバルロジゲート」で、プレス向け見学会を開催した。同施設は大田区京浜島1の3の3に所在し、地上4階建て(倉庫3層)・延べ床面積1万9931平方メートルの規模。海上貨物を主とした貿易物流・海外引越・美術品輸送の各事業において中核的機能を担う施設で、1日から順次営業を開始している。

 最大の特徴は、ヤマトグループで初となる海上貨物の通関から流通加工・仕分・出荷まで一体的に行う施設である点。陸海空の主要物流拠点に至近という立地優位性に加え、隣接するヤマトパッキングサービスの施設で輸送用特殊梱包も行えることから、リードタイム短縮やコスト削減などのメリットを提供できるとしている。

 倉庫の2階部分約4700平方メートルは全て美術品エリアとなっており、恒温恒湿空調倉庫による保管や梱包などの流通加工が行えるほか、保管品を一時閲覧できるビューイングルーム、梱包資材の製作室なども備えている。

 保税蔵置場は貿易物流用と美術品輸送用の二つに設定し、高付加価値品を扱うため床荷重を通常の2倍程度にするなど建物を頑丈化したほか、24時間有人警備などセキュリティーにも配慮している。

 当日現地で会見した金井社長は「海上貨物をメインに、ヤマトグループのネットワークやソリューションと組み合わせることで、大ロットを小口化し、顧客に最適なソリューションを提供していきたい」と述べ、輸出入海上貨物を中心に国際物流の拡大に力を入れていく姿勢を強調した。

今週掲載トピック一覧

  • ☆引越特集(2)
     各社の施策
      日通海外
      三八五流通
      トナミ運輸
      SGムービング
      押入れ産業
    ☆四文字『体系確立へ「総合交通」』
    ☆人物ウィークリー、日本フレートライナー・今橋一樹代表取締役社長

  • ☆セイノーHDが新開トランスポートシステムズと業務提携し顧客への提案強化へ
    ☆全ト協・日貨協連、2月のWebKIT成約運賃指数は21ヵ月連続の増加
    ☆NTTロジスコがレンタル機器の自動クリーニングロボを埼玉物流センターに導入
    ☆国交省がシベリア鉄道利用の結果報告会で「製品への品質的影響なし」と評価、プロモーション強化へ
    ☆ヤマト運輸・オイシックス、「ベジネコPJ」の第1弾で受注業務効率化システムなど提供開始
    ☆全ト協坂本会長が理事会であいさつ「改正事業法の省令は必要な手間かける」
    ☆埼玉ト協等、安全運転コンクールで優秀事業者を表彰
    ☆日通商事が長野新工場竣工、中規模整備工場のモデル拠点に

今週のユソー編集室

  • ▼平成時代の終わりが近づいてきた。本紙発行日から数えると、残すところあと50日となる。新元号は4月1日に発表される予定だ。
    ▼初めて平成の文字を見た時は、何やらしっくりこない気もしたが、いつしかそれも慣れてしまった。新元号もそうした感じになるのだろうか。元号の変更は、公文書をはじめ何かと手間のかかることも多いが、太古から続く日本の伝統と受け止めたい。
    ▼物流業界では先月末から今月にかけて、ヤマトホールディングスとSGホールディングスが、相次いで社長交代を発表した。元号が変わることとは全く関係がないのは分かっているが、何となく時代の区切りであると感じてしまう。

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