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2021年8月2日付 2850号

インタビュー 西濃運輸(株)取締役社長 小寺康久氏
BtoB貨物の需給バランスを見直しロジ機能の強化を加速

 セイノーホールディングス(田口義隆社長)の中核企業として、全国に輸送ネットワークを持つ西濃運輸。これまでの輸送中心のビジネスモデルから、ロジスティクス機能を含めた幅広いサービス提供を行う「ロジのセイノー」へと進化を深める西濃運輸の小寺康久社長に今後の展開などについて聞いた。

――「ロジのセイノー」強化の重点対象分野は。

 現在のところ、エレクトロニクス、リテール(小売り)、ヘルスケア、航空部品の4分野をターゲットにしており、セイノーグループとしては、これに加えて電子部品や半導体についても視野に入れています。

――地域的なターゲットは。

 地域を限定することはしていません。ロジスティクス機能の提供に関するご提案については、以前から取り組んできていますが、路線便の荷物をお預かりしている顧客をメインに行ってきました。今後は、これまで付き合いのなかった荷主も積極的に取り込んでいく方針で、そのためにロジ機能を持つ輸送拠点「ロジ・トランス施設」の開発を進めていきます。

 2020年度に東京都の深川支店を竣工させ、21年度は、神奈川県の相模原、茨城県の龍ケ崎、愛知県の名古屋西の各拠点の完成を予定しています。また、必要に応じて、外部の倉庫を活用することも考えており、この7月には千葉県印西市で当社最大規模となる外部倉庫の引き渡しが完了しました。

インタビューの続きは電子版かコンビニプリントサービスでお読みいただけます。

廃プラを回収・再生する資源循環プラットフォーム実証実験にアパレル2社と参画 センコーGHD

 センコーグループホールディングス(福田泰久社長)は7月27日、アパレル2社と資源循環プラットフォーム実証事業に参画すると発表した。

 オンワード樫山と三陽商会が、両社の納品物流業務を担うセンコーグループとの協働により、廃棄物対策コンサルティングのレコテックとともに動静脈一体物流を活用して効率的に廃プラスチックを回収し、再生する資源循環プラットフォーム実証事業を行っているもので、両社の物流倉庫・店舗等から排出されるプラスチックを、量と種類を見える化した上で、センコーグループの納品車両を活用して回収し、マテリアルリサイクル施設で再生する実証事業に協力していく。

 回収対象は納品時のハンガーカバー(透明のプラスチックフィルム)、ニット・カットソーなど包装プラスチックで、6月22日から開始しており、今月31日まで実施する。

 今回の参画企業では、日本のアパレル業界も、衣服を店頭で回収し、リサイクルやリユースをするなどの取り組みが進められているが、サプライチェーンの過程で発生するプラスチックは、非常にきれいな状態で排出されるにも関わらず、現状ではほとんどがサーマルリカバリー(熱回収)され、物流拠点や各店舗で発生する廃プラスチックをマテリアルリサイクルするためには、薄く広く分散した廃棄物を効率的に回収することが必要不可欠で、企業横断的に仕組みを構築することが極めて重要であるとしている。

今週掲載トピック一覧

  • 夏季第2特集号
     インタビュー-西濃運輸取締役社長・小寺康久氏
    ☆臨海鉄道特集『神栖駅に積替スペース設置、利用拡大の呼びかけへ~鹿島臨海鉄道』

  • ☆全日通が定期全国大会をオンライン開催、10月から組合費減額へ
    ☆ドライバーの改善基準告示見直し、実態調査の質問項目に新型コロナウイルス感染拡大に伴う拘束時間等への影響などを追加
    ☆運輸労連難波委員長が会見、ドライバーの適正賃金確保へ適正な運賃収受を
    ☆三井倉庫HDが再生医療領域で極低温一環サービス開始
    ☆日通総研短観6月調査、国内向け出荷4~6月実績は2年半ぶりプラスに
    ☆ヤマトHDがシンガポールのEC企業にファンド通じ出資、アジア市場に価値提供
    ☆日本フルハーフがIoT活用サービスの第1弾としてトレーラの位置管理システムをリリース
    ☆丸運桑原社長が社会的環境変化への対応力をアピール、個人投資家向け動画
    ☆日通が関空内に温度管理施設を新設、医薬品をターゲットに
    ☆佐川急便が新テレビCMを放映開始、海外向けEC支援体制をアピール
    ☆国土交通省自動車局、7月1日付着任の新幹部の抱負・横顔

今週のユソー編集室

  • ▼企業向けに産業医による健康管理業務等を提供しているドクタートラストはこのほど、最も健康リスクの高い業種は「運輸業、郵便業」とする調査結果を公表した。
    ▼20年度にストレスチェックを行った、全業種24万人余のデータを分析したもので、「運輸業、郵便業」は全産業平均と比べ健康問題が起きる可能性が5%ほど高く「医療、福祉」と並んでトップだという。
    ▼特徴的なのは、上司や同僚とのコミュニケーションに関するストレスが大きいことで、仕事の特性上コミュニケーションが少ないためという。メンタルヘルスの重要性が叫ばれる中、ドライバーの心の健康リスクを軽減する取り組みが求められている。

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