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2022年10月24日付 2907号

自動運転車での運送事業、貨物はハードル高く 国交省が第2回検討会開く

 国土交通省は20日、「自動運転車を用いた自動車運送事業における輸送の安全確保等に関する検討会」の第2回会合をウェブ会議形式で開き、自動車運送事業での輸送の安全確保などに関するルールの見直しに向けた論点を整理。トラックでは、現在運転者が行っている貨物の積載状況確認について、どのような設備を自動運転車に求めるべきかなどの論点が示され、カメラ・センサーの設置により遠隔から積荷の状況を確認できるようにするなどの案が示されたが、トラック事業者へのヒアリングでは自動運転車による運送に慎重な意見が複数寄せられ、クリアすべき壁は高いことが分かった。

 検討会では、自動運転レベル4での走行を認める改正道路交通法の来年4月までの施行を見据え、道路運送法や貨物自動車運送事業法での自動運転のあり方について検討しており、6月に初会合を開いた後、自動車運送事業者や自動車メーカー、地方自治体など30者にヒアリングを行ってきた。

 トラック事業者からは、「貨物の自動運転車が開発されてからでなければ運用も含め検討は難しい」「公道でのトラックの自動運転は各種の課題があり、チャレンジングである」「事故等で積荷が散乱して破損した場合、積荷に対する賠償責任が発生することになるが、この責任を自動運転の外注先が負うのかという問題もあるが、運行管理の責任を外部の会社にゆだねることはできないと考えている」などの意見が挙がっており、実現には乗り越えるべきハードルが高いことが分かる。

記事全文は電子版から。

全国荷役作業競技会で1位に福田選手(JR貨物九州ロジ) JR貨物が3年度ぶりに開催

各選手が技量を競った

 JR貨物は16~17日の2日間、東京都品川区の同社東京貨物ターミナル駅構内で、第5回全国荷役作業競技会を開催した。コンテナ輸送品質向上キャンペーンの一環で、フォークリフトオペレーターの意識・レベルの向上を目的に2016年度から全国大会として行っているもの。 新型コロナウイルス感染症の影響で20・21年度は中止となり、3年度ぶりの開催となった。

 大会には関東・関西の両支社から各2人、その他の支社から各1人の合計8人の選手が出場。初日は筆記試験、2日目に開会式と実技を行った。

 2日目の開会式では、冒頭にJR貨物の吉澤淳取締役常務執行役員鉄道ロジスティクス本部長と全国通運連盟の吉橋宏之専務理事があいさつ。吉澤取締役は貨物事故率が当初の0.6%程度から0.2%程度まで減少しているとした上で「事故率をさらに減少させたい。環境問題や労働力不足問題から、鉄道貨物輸送への期待は高まっており、その期待に応えていきたい」と述べ、吉橋専務は「荷物に優しいフォークリフト運転を実践されていると思うが、その技量を遺憾なく発揮してほしい」とエールを送った。

記事全文は電子版から。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウオッチ(137) 『最近の中国とASEAN間の貿易物流をみる』

  • ☆通運連盟が通運事業フォーラム開く、鉄道コンテナ輸送の手荷役など労働実態改善せず
    ☆NX欧州、モロッコに2現地法人を設立
    ☆押入れ産業が新サービス、バイクガレージやコインランドリー併設型のトランクルーム開設
    ☆取引環境・労働時間改善中央協議会、公取委が燃料高騰分の転嫁拒否について12月にも社名を公表する意向を示す
    ☆JR貨物・犬飼社長、外国人の入国制限緩和等で下期の増送に期待感示す
    ☆JR貨物・通運連盟・鉄道貨物協会、本年度もコンテナ輸送品質向上キャンペーンを展開
    ☆丸運がグループドラコン開催し日昭丸運の会沢選手が1位獲得、会沢選手は国際大会にも出場し1位に輝く
    ☆NXフランス、世界規模の市民活動の一環で従業員がパリ市内の清掃活動に参加
    ☆建交労首都圏が「トラックの日」行動、大宮トラックステーションでアンケートや健康チェック実施
    ☆SBSゼンツウ、千葉県市川市に冷凍冷蔵2温度帯に特化した新施設を開所
    ☆ブリヂストンがタイヤの水平リサイクルに関するセミナー開催、資源循環やCO2削減へ向けた技術開発進める
    ☆千葉適正化実施機関が評議委員会を書面開催、コロナ禍による厳しい経営実態を反映してGマーク申請が減少傾向に
    ☆佐川急便、新潟県上越市・秋田県由利本荘市と相次いで包括連携協定締結
    ☆JR貨物が効績章の表彰式開催、本社・支社合計で119人が受章

今週のユソー編集室

  • ▼「本当は荷待ちや荷役をしていたのに、荷主の口頭による指示で、デジタコ上では休憩と記録するよう求められた」。産別労働組合団体の関係者によると、最近こうした相談が増えているという。
    ▼働き方改革の第一歩は正確な労働時間・作業時間の可視化にある、と有識者は声をそろえる。こうした改ざん要求は、改革の根幹を踏みにじる行為であり、断じて許されないだけでなく、長期的な悪影響は計り知れない。
    ▼時間外労働の割増率引き上げや改正改善基準告示に盛り込まれた荷主対策から考えても、おそらくこうした事例は増えていくだろう。荷主・物流事業者に関係なく、悪質事業者に対する強力な措置が必要だ。

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